【星野源】NHK朝ドラ「半分、青い。」主題歌『アイデア』が深い。歌詞から意味を徹底考察!
日本のトップアーティストとして大活躍の星野源。NHK朝ドラ「半分、青い。」の主題歌に抜擢され大ヒットした『アイデア』は歌詞の意味も深いと評判です。『アイデア』の歌詞にはどんな意味が込められているのでしょうか?考えてみましょう。
おはよう 真夜中
虚しさとのダンスフロアだ
笑顔の裏側の景色
独りで泣く声も
喉の下の叫び声も
すべては笑われる景色
2番では1番と雰囲気が変わります。
星野源のライブにも参加しているSTUTSによるMPCのビートが曲を支配します。
1番のオーソドックスなバンドサウンドとはうって変わり、非常に現代的で最先端なサウンドになっています。
1番では「おはよう 世の中」だった歌詞は「おはよう 真夜中」とと変わりました。
朝ではなく夜が曲の舞台になるのです。
笑顔の裏側、つまり泣き顔ということでしょう。
虚しさと哀しさが広がる世界でその思いを押し殺し、独りで泣くしかできない姿が描かれています。
明るい希望とは真逆の世界です。
生きてただ生きていて
踏まれ潰れた花のように
にこやかに 中指を
つづく日々の道の先を
塞ぐ影にアイデアを
雨の音で歌を歌おう
すべて超えて響け
この曲の中で最も衝撃的なフレーズがここだと思います。
「にこやかに 中指を」
中指というのはつまり、海外ではやってはいけない手の形のことでしょう。
2番の最初で歌われる悲しい世界、苦しい日常に対して「くそくらえ」と言っているのです。
一般的な星野源のイメージとは違うフレーズだと思いますが、こういう厳しい言葉を使っても曲の雰囲気やイメージが殺伐としないのは彼のキャラクターやセンスのなせる業だと思います。
違う要素の歌詞をつなげた意味とは
闇の中から歌が聞こえた
あなたの胸から
刻む鼓動は一つの歌だ
胸に手を置けば
そこで鳴ってる
そして2番の後再び曲調が変わり、今度はギター一本の弾き語りとなるのです。
苦しい状況の中でも変わらないのは自分の中にある歌なんだ、壁を乗り越え未来を切り開くのはその歌に他ならないんだと歌っているのです。
『アイデア』はこのように、全く違う曲調がつぎはぎにコラージュされたような曲になっています。
歌詞のイメージも曲調に従って変わっていきます。
このような曲になった理由について星野源は自身のラジオ番組で語った事がありました。
元々ドラマ用に1番をレコーディングした後、1曲としてまとめるのにしばらく時間が空いたそうです。
その間、このまま1番のイメージで1曲作ることに疑問を感じたというのです。
「これだけだと今までの星野源のイメージと何も変わらないじゃないか」
新しいことに挑戦したり自分の表現の幅を広げること。
アーティストとしてそれは当然の欲求であり、必然としての変化です。
同じことを繰り返すのは退屈だし、アーティストとしての後退になってしまう。
だから2番では最先端のサウンドスケープを導入し、星野源が今やりたい音を追求したのだそうです。
弾き語りはもともとソロデビュー以来星野源の表現の基本として常にあったものです。
つまりこの『アイデア』は星野源というアーティストの過去・現在・未来を全て網羅してつなげたような曲になっているのです。
こんなやり方自体がとてつもない「アイデア」だと思いますし、違和感なくポップスとしてまとめ上げる星野源の力量に改めて感服してしまうのです。
星野源『アイデア』の歌詞考察・まとめ
NHK朝ドラ「半分、青い。」の主題歌だった星野源『アイデア』について、詳しく解説してみました。
歌詞の世界はもとより、そのアレンジの変化にも注目して聞いてみていただきたいと思います。
どれだけたくさんの「アイデア」が詰め込められた曲かがわかるでしょう。
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