【ビートルズ】ポールが子守唄として作曲した「ゴールデンスランバー」とは?和訳と意味に迫る!
ビートルズの名盤の1つ、アビイ・ロードに収録されている「ゴールデンスランバー」はファンに向けての深いメッセージだった!?こちらではビートルズの「ゴールデンスランバー」について歌詞を深く掘り下げて和訳、この曲が生まれた背景とも絡めて考察します!
「ゴールデンスランバー」には元になったネタがある?
実は「ゴールデンスランバー」には元ネタとなった子守唄があります。それはイギリスの作家トーマス・デッカーが1603年に発表した「ペイシェント・グリッシル」という喜劇の中で歌われたもので、「Golden Slumbers Kiss your eyes」あるいは「クレイドルソング(子守唄の意味)」とも呼ばれている曲です。
ポールはこの曲を、父の家に遊びに行った際に義妹のルースに読み聞かせていた童話集の中に見つけ、自分なりに手を加えて「ゴールデンスランバー」を書き上げたそうです。比べてみますと、サビの歌詞はほぼトーマス・デッカーのものと同じです。「kiss」が「fill」に変わっているくらいでしょうか。気になる方は是非、この元となった曲も聴いてみてください。
それでは「ゴールデンスランバー」に込められた歌詞の意味や、ポールがファンに向けたメッセージを読み解いてみましょう。
ビートルズの「ゴールデンスランバー」歌詞の一部和訳、込められた意味について
Once there was a way,
to get back homeward,
Once there was a way,
to get back home
Sleep pretty darling do not cry,
and I will sing a lullaby
昔、そこには道があった
故郷へ帰る道が
昔、そこには道があった
自分の家に帰る道が続いていたんだ
おやすみ、かわいい子、泣かないで
僕が子守唄を歌ってあげるから
このあたりはトーマス・デッカーの歌にはない部分なのでポールが自分で作った部分かと思われます。
故郷に、そして自分の家へ帰る道、とはビートルズを終える、という意味でしょうか、なんとなく意味深ですね。過去形にしていることから、今は自分たちの帰る道がない、すなわち「行き場所がない」「迷っている状態」を表している、とも受け取れます。
また、別の視点から見ればその時のビートルズのファンたちへ向けての言葉、ファンたちの境遇についての言葉かもしれません。どちらにしてもどことなく「別れ」を思わせるような歌詞ではあります。
そして「泣かないで」というのはファンへ向けての言葉、もっと深く掘り下げるなら自分たちが解散したあとのファンに向けて、の言葉のように受け取れますね。
Golden slumbers fill your eyes,
smiles awake you when you rise
Sleep pretty darling do not cry,
and I will sing a lullaby
極上の眠りが君の瞼を覆ってゆく
君が目覚めた時には微笑みが君を起こすだろう
だからおやすみ、かわいい子、泣かないで
そうしたら僕が子守唄を歌ってあげよう
眠るのが怖い、という幼い子に向かって、子守唄を歌ってあげるから泣かないで、起きたときはきっと笑っていられるよ、となだめる様子が浮かびますね。もしかしたらこのように、義妹のルースに歌ってあげていたのかもしれません。
そして、最後のアルバムのつもりで作ったとすれば、この曲はまさしく、ビートルズのファンたちへむけた「子守唄」とも言えるのではないでしょうか。
ラストを締めくくるアルバムで、ファンへ向けての「泣かないで、最後に子守唄を歌ってあげるから」というポールのメッセージ…「ゴールデンスランバー」はそんな意味が込められた曲ではないかと解釈しました。
ビートルズの「ゴールデンスランバー」歌詞などまとめ
こちらでは、ビートルズの作品の中でも名盤と言われる「アビイ・ロード」に収録されている「ゴールデンスランバー」について、その曲が作られた背景や、元ネタとなった曲、歌詞の解釈などまとめました。
メドレーの中の1曲ということもあり、曲としては短いものですが、この曲は本当に人気があります。しかし歌詞の深い意味まで掘り下げるということはなかなかないのではないでしょうか。筆者もこの曲は大好きなのですが歌詞の意味まで深く考えたことはありませんでした。今回この機会に取り上げることができ、幸運だったと思います。
「ゴールデンスランバー」がファンに向けての「子守唄」だとしたら、改めて曲を聴くとまた違った気持ちで聴けますね。
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