【音楽用語】トライトーンとは?意味をご紹介
和音の説明で必ず登場するトライトーン。ただ用語だけを聞いてもピンとこないですが、曲の盛り上がりには必ずこのトライトーンが関係していることが多いです。その昔は「音楽の悪魔」と呼ばれたトライトーンの意味とその役割を解説します。
記事の目次
トライトーンとは?
トライトーンとは「三全音」と呼ばれるものです。
全音とは半音2個分、つまりピアノの鍵盤でいえば黒鍵を挟んだ隣の音を言います。
トライトーンは、この全音3個分離れている2音のことを言います。
例えば、上の鍵盤ではシ-ファがトライトーンになっています。
そして、この三全音の間隔は度数でいうと増4度あるいは減5度の関係になっており、不安定な不協和音になっています。
トライトーンは不安定なため、楽譜上で半音ずつ狭くなるか、半音ずつ広がることで安定に移行しようとします。
上の例でシーファが半音ずつ狭くなるとド-ミになり安定します。
これをトライトーンの解決といいます。
トライトーンの解決をコードで表してみるとG7 - Cの機能で、特にドミナントモーションという名前で呼ばれます。
曲の終止形(カデンツ)でもっとも典型的なコード進行です。
トライトーンは増4度・減5度の間隔にあります。
ここで、3和音(トライアド)を作ったとき、通常は1度, 長3度, 完全5度となります。
さらにセブンスコードを作るため、短7度の音を載せると、長3度と短7度がトライトーンの関係になります。
つまり、通称「属7和音」を作ると必然的にトライトーンが含まれることになるのです。
そして、属7のドミナントからトニックに解決するドミナントモーションで曲が安定に戻る効果が得られるわけです。
その昔は「音楽の悪魔」?
ドミナントモーションという機能を持つトライトーンですが、その昔は不協和音の中でも特に不快なものとされ、「音楽の悪魔」と呼ばれていたようです。
そのため、バロック以前はあえてこの和音を用いないように作曲されていました。
しかし、バロック以降は積極的に用いられ、先ほどの属7和音の配置が登場してきます。
近年ではいうまでもなく、属7はドミナントの代表格であり、ドミナントモーションはコード進行の王道として用いられています。
つまり、属7=トライトーンの関係であり、この緊張を解くためにはドミナントモーション、つまりトニックに進行せざるを得ないわけです。