ゆず「マスカット」がアニメクレヨンしんちゃんのオープニング曲に起用!一体どんな曲?
2018年7月からアニメ「クレヨンしんちゃん」のオープニング曲として起用されているゆずの『マスカット』の歌詞には意外にも深い意味が込められているのです。こちらではゆずの『マスカット』の歌詞を丁寧に考察、掘り下げてみました。素敵な応援歌です!
「ゆずマン」とは一体?
ところでマスコットキャラクターのゆずマンとは一体なんなのでしょうか、クレヨンしんちゃんで初めて見た、という方もいらっしゃると思うので解説しておきましょう。
ゆずマンとはゆずの北川悠仁がメジャーデビューする前から描いていたキャラクターで、1998年発売の彼らのミニアルバム「ゆずマン」のジャケ写真にも描かれているものです。
もともと北川は小さいころ漫画家を目指していた、というのもあり、それが生かされた形になったわけですね。このゆずマンはゆずのライブのときに出演したりまたグッズ化されるなど、ファンにはお馴染みのものだったのですが、今回、国民的アニメのオープニングに登場することになってゆずファン以外にもその存在が知られるようになりました。
ちなみにこのゆずマン、「よみタイ」「少年ジャンプ+」にてWEB連載が始まっています。ほのぼのな4コマがなかなかに人気を集めているようですよ。興味のある方は是非見てみてください。
ゆずの『マスカット』歌詞を読み解く
それではゆずの『マスカット』の歌詞を考察、深く読み取ってみましょう。
よりどりきみどり 好き嫌いはダメよ
こんなにたわわに実りました
良かったらお召し上がれ(あ〜ん)
曲の出だしの歌詞です。本来であれば「選り取り見取り」となるところですが、マスカットの色の「黄緑」にかけているのでしょう。
こういう、言葉遊びがこの曲の歌詞には溢れています。
ストレスMAX SOS
朝から晩までイライラ
それなら
まぁスカッと 踊りましょう 飛び出せスマイル
集まれ ミ・アモーレ 木の実 気のまま
マジですかって? 空振りでも 泣いてちゃダメダメよ
モウマンタイ ワンモータイム 君らしくあれ
一皮むけばみんな(みんな)マスカット
ストレスMAX、のあたりは子どもに向けて、というよりは大人に向けて、でしょう。クレヨンしんちゃんを見る人の層には子どもだけではなく、そのご両親たちも含まれると思います。また、しんちゃんのオープニングが今後変わることがあっても曲はのちのちに残っていくわけですからそのあたりまで考えると当然のことといえますね。そしてMAXとSOSで語呂合わせをしているのもいいですね。
「まぁスカッと」、と「マスカット」をかけているところ、そして「集まれ」と「ミ・アモーレ」、このあたりの言葉遊びも楽しいですね。「マジですかって?」ここも「マスカット」とかけているのでしょう。「モウマンタイ」「ワンモータイム」このあたりの遊び方も素晴らしいですよね。
歌詞の内容としてはそう深く意味をえさせられるような難しいものではなく、「いやなことがあっても踊って吹き飛ばせ」というような感じですが、周りを恨むような感じではなく、さらりと「君らしくあれ」と真面目にメッセージを送ってくれているところもなかなかいいですよね。
あっちこっち目移り いつまで悩むの?
熟れすぎちゃったらもったいないよ
まさに今が食べごろ(パク)
どのマスカットにしようか、あれもいいこれもいい、と目移りしてしまうあなたにむかって、そんなに長いこと悩んでいたらその間に実が熟しすぎてしまうよと言っていますね。
この歌詞の意味としては、「マスカット」が人生におけるさまざまな重要な決断、と受け取れるように思います。どれが最善か、どうすればいいのか、いつまでも悩んでいると好機は過ぎ去ってしまう、ということではないでしょうか。
睡眠不足 人間不信
年中無休でアクセス
誰でも
まぁスカッと 踊りましょう とびきりのステップ
なにわともあれ 輪になれ 実を寄せ合って
これでもかって 見せつけろ 魅惑の腰振りを
なりふり構わず 君なりでいい
箱詰めされる前に(急げ)マスカット
「睡眠不足」「人間不信」このあたりの歌詞は、子どもが聞いても「なんのことだか」と意味が分からないフレーズかもしれませんね。「年中無休でアクセス」というのは仕事だけに限らず、SNSなど含め、最近の人間は常にどこかに「アクセス」していないと生きられない、そんなことを意味しているのかなとも思います。
しかしそういったことも「スカッと」踊って忘れてしまおう、と歌われています。「輪になれ 実を寄せ合って」このあたりはマスカットの形状を表しているのだと思いますが、人が輪になり身を寄せ合って頑張ろう、とも受け取れますね。
また、「なにわともあれ」の「わ」は本来は「は」表記ですが、これは誤植ではなく「輪」とかけているのだと思われます。
さらにここでも「君なりでいい」と、周りに流されることなく君らしくいてほしい、君のスタイルを貫いてほしいという願いも歌われていますね。
箱詰めされる前に、というのは「熟れすぎちゃったらもったいない」の部分を受けているのだと思います。手遅れにならぬうちに早く、ということでしょう。
君のこと いつもここで ずっと待っていたんだ
迷わないで 噛みしめたら
広がる甘酸っぱい サンシャイン
ランランランラララン 増々 マスカット
ランランランラララン 増々 マスカット
四角四面よりまん丸でワッショイ
増々 マスカット
白か黒? いや黄緑で良いっしょ
増々 マスカット
さて、ここからは曲調も歌詞も変わってきます。
「君のこといつもずっとここで待っていたんだ」。この「君」とは一体誰をさすのでしょうか?もちろんここまでの歌詞でも「君」というワードは出てきましたが、この「君」は明らかに雰囲気が違うように思えます。
「待っていた」のはマスカットで、ずっと「君」に選ばれるのを待っていた、ということでしょう。このマスカットは「君」が選ぶべき「選択肢」をさすのかもしれませんね。君が選ぶ道(マスカット)は絶対に間違いがない、だから迷わずに選んでほしい、そうしたらきっとそれは甘酸っぱい実で間違いではなかったと分かるはず、というメッセージではないでしょうか。
そして「四角四面よりまん丸で」というのは、角々して尖って生きるより丸く柔軟な考えを持っていこう、という意味だと解釈しました。「白か黒?」の部分は、とかく「白か黒か」はっきりさせたがる現代社会において、「いやいや黄緑でもいいでしょう」と型にはまらない生き方、考えをもってもいいのではと訴えているように思います。
この部分は実際のアニメオープニングでは流れない部分で、シングルを購入しないと聞けない部分でもありますから、ゆずファン、大人に向けての隠されたエール、とも受け取れますね。
しかし、アニメを見ている、これから大人になる子ども達へ向けてのメッセージ、ともいえるのではないでしょうか。
まぁスカッと 踊りましょう 飛び出せスマイル
集まれ ミ・アモーレ 木の実 気のまま
マジですかって? 空振りでも 泣いてちゃダメダメよ
モウマンタイ ワンモータイム 君らしくあれ
一皮むけばみんな(みんな)マスカット
そして最後にはまた最初のサビが繰り返されます。
もしあなたの目指していたもの、選んだものが空振りだったとしても悲しんではいけない、そんなことは問題ではない、あなたはいつでもあなたらしくあれ、そんな力強いメッセージになっていますね。
「一皮むけばみんなマスカット」の部分は、その人を覆うものを取り払ったらみな同じマスカット、人間なんだ、と歌っているのかなとも思います。
生きていると色々あるけれどスカッと踊って吹き飛ばそう、たまにはそれくらいの思い切りの良さがあってもいいんだ、『マスカット』の歌詞全体を見るとゆずからのそういうメッセージだと言えるのではないでしょうか。
ゆずの『マスカット』歌詞の意味などまとめ
こちらでは、アニメ「クレヨンしんちゃん」のオープニングに起用されているゆずの『マスカット』について、歌詞の意味の掘り下げを中心に、オープニング映像で話題となったダンスやその振り付けなどについてご紹介してきました。あわせてゆずの略歴や、ダンスの振り付け映像ものせています。
『マスカット』は人気アニメのオープニングということで話題となり、毎週耳にする曲となりましたが、その歌詞にはアニメを見ている子どもたちへのメッセージだけでなく、ゆずをずっと支えてくれたファン、大人へのメッセージ、激励の言葉が込められているんですよね。
今後アニメのオープニングが変わることになっても、『マスカット』は名曲としてずっと歌われ続けるのでしょう。いつまでも今を生きるわたしたちへの応援歌であり続けてほしい、そう思いました。
- 1
- 2