最小にして最大のオーケストラ「オブセッション」とは?
最小にして最大のオーケストラユニット「オブセッション」。ピアノとドラムパーカッションのみで構成されている音楽ユニットで、様々なクラシック楽曲をアレンジしております。本記事では、そのオブセッションと楽曲をいくつかご紹介いたします。
最小にして最大のオーケストラ「OBSSESION(オブセッション)」
クラシックピアニストの三船優子さんと、ジャズや邦楽など幅広いジャンルを演奏されているドラマーの堀越彰さんによる音楽ユニット「オブセッション」。
「オブセッション」は「取り憑かれる」という意味がある言葉で、ピアノとドラムによるクラシックの化学反応に、まさに取り憑かれるような魅力的な音色を感じます。
本記事では、この音楽ユニット「オブセッション」について詳しくご紹介いたします。
ピアノとドラムが最大限に魅力を発揮する
オブセッションとは
「OBSSESION」は2014年に、ピアニストの三船優子さんとドラマーの堀越彰さんによって結成された音楽プロジェクトで、コンサート活動からすたーとしました。
結成するきっかけに、堀越さんが三船さんのラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲 第18変奏」を聴き、このプロジェクトのアイディアが浮かんだそうです。
2017年にはアルバム「OBSSESION」をリリースし、2018年にはインドネシアにて海外公演を行うなど活躍の幅を広げております。
また、プロジェクトの趣旨として「OBSSESION」は手を伸ばすという意味で、子供たちを対象とした訪問支援福祉活動を行っております。子供たちに実際に音楽に触れてもらい、音楽活動に興味を持ってもらうことを目的とした演奏会なども定期的に行っております。
「OBSSESION」のメンバー
ピアニスト/三船優子
オブセッションでピアノを担当される三船優子さん。
1966年8月17日生まれ、東京都のご出身。
小学校時代をニューヨークで過ごされてる間に、ピアノを7歳から習い始め、小学校4年生のころには既にショパンのワルツを全曲勉強し終えておりました。
桐朋学園大学に進学し、在学中の1988年には第57回日本音楽コンクールで優勝。2年後の90年には、文化庁派遣研修員としてジュリアード音楽院へ留学されました。2003年から2008年の5年間、NHK BS2(現・BSプレミアム)にて放送されていた「週刊ブックレビュー」の司会を務めておりました。
現在は、京都市立美術大学の非常勤講師を勤める傍ら、ピアニストとして精力的に音楽活動に取り組んでおられます。
ドラマー/堀越彰
オブセッションでドラムを担当されている堀越彰さん。
1965年、東京都のご出身。日舞家であったお父様の影響で、幼少期から伝統音楽に敬愛されておりました。
1990年にオーディションにより「山下洋輔ニュートリオ」でプロとしてデビューされ、国内88か所サバイバルツアー、さらには、ヨーロッパや南米ツアーなどにも参加されました。
ジャズのみならず、民俗音楽、邦楽とのセッションや、ピアニストの深町純さん、バイオリニストの渡辺剛さんと組んだユニット「The WILL」、薩摩琵琶や能管 尺八と組んだ「東方異聞」、アートにフォーカスしたパフォーミングアーツ「SOLO-ist」など様々なプロジェクトやユニットなど幅広い活動を行っております。
「オブセッション」のおすすめ曲をご紹介
ボロディン:歌劇「イーゴリ公」 第2幕 ポロヴェツ人の踊り (ダッタン人の踊り)
ロシアの音楽家であり科学者でもあった「アレクサンドル・ボロディン」が作曲したオペラ作品「イーゴリ公」内の楽曲。
「イーゴリ公」は、中世ロシア叙事詩「イーゴリ遠征物語」を題材にした作品で、キエフ大公国の公・イーゴリスヴァトスラヴィチによる遊牧民族・ポロヴェツ人への遠征を描いたオペラ。
この、「ポロヴェツ人の踊り」はボロディンの中でも有名な楽曲で、様々な楽曲などにも編曲されるほどの人気曲となっております。
ヒナステラ:アルゼンチン舞曲集 1 年老いた牛飼いの踊り
アルゼンチン出身のクラシック作曲家「アルベルト・エバリスト・ヒナステラ」が作曲した作品。
1937年、ブエノスアイレス音楽院在学中に製作された作品で、ヒナステラの故郷であるアルゼンチンの民族色が多分に含まれている楽曲。
年老いた牛飼いの踊りの踊りは、とてもリズミカルな曲で、まさに踊っている様子が思い浮かぶような一曲となっております。
アメリカの作曲家「ジョージ・ガーシュウイン」が作曲し、「ファーディー・グローフェ」が編曲した楽曲。
タイトルの「ラプソディー・イン・ブルー」には「ジャズの語法によるラプソディ」という意味で、特に「ラプソディー(狂詩曲)」は「民族音楽風で叙事詩的な、特に形式がなく自由奔放なファンタジー風の楽曲」という意味があります。このことから、この曲をアメリカの民族音楽として、捉えている人も多いそうです。
J.S.バッハ:前奏曲 ハ短調 BWV847[平均律クラヴィーア曲集 第1巻より]
ローマ出身のバロック期を代表する音楽家・バッハが作成した鍵盤楽器のための楽曲集。第1巻が1722年、第2巻が1724年に成立した楽曲集で、このCDに収録されている「BWV 847 前奏曲」は第1巻に掲載されております。
シューベルト:魔王 D.328
オーストリアの作曲家・フランツシューベルトが作曲したリート(歌曲)。ゲーテの同名の詩に影響された少年期のシューベルトが短時間で作曲した楽曲とされています。音楽の授業でも教材として扱われているため、一度聞いたことのある人も多いのではないでしょうか。
序奏のピアノは、馬が嵐の中を駆け抜けていく様を表したもので、緊迫感をより引き立たせる演出となっております。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ピアノとドラムによるセッションで、クラシックの新たな楽しみ方を提供してくれる「オブセッション」。
「世界最小のオーケストラ」の異名の通り、お二人の力強い演奏で魅了されますね。
実際に、この「オブセッション」を生で体感してみたいという方は、公式サイトの出演情報などをご確認ください。
また、アルバムも現在2枚発売中なので、そちらで「オブセッション」を体感して楽しんでみてはいかがでしょうか。