演奏において重要な「アナリーゼ」とは?意味や重要性をわかりやすくご紹介
ピアノなどの演奏において重要な「アナリーゼ」とは?そもそも「アナリーゼ」とは何のことでしょうか?
こちらではアナリーゼについて詳しく解説。なぜ必要なのかも説明しています。
アナリーゼをすればあなたの演奏もぐっと素敵なものになるはず!参考にしてみて下さい!
アナリーゼとは?
アナリーゼとは楽曲分析の意味
アナリーゼ、という言葉をご存知でしょうか。ピアノを長年習っていても、「アナリーゼ」でピンとこない方もいらっしゃるかもしれませんが、「楽曲分析」と言われれば、ああ!と納得されるでしょう。
初めての曲に挑戦するとき、まず何をしますか?いきなり弾き始める、という方もいらっしゃると思いますが、しかしそれはなかなか無謀なこととも言えます。取りあえずは楽譜を通して見て、どんな音楽なのか、長調なのか短調なのか、速いのかゆったりテンポなのかを確認する方が多いのではないかと思います。
そして音感が多少なりともある方は楽譜を見ただけで脳内にメロディーが浮かぶ、という方もいるでしょう。
それこそがアナリーゼの基本とも言えるのです。楽曲分析、というと少し難しく感じられますが、まずは「その曲、音楽がどういう曲なのかを知る」、これがアナリーゼへの一歩です。
せっかくですから、そこから更に奥深く楽曲を読み解いていきましょう。クラシック音楽、有名で分かりやすいところでいえばバッハやベートーヴェン、モーツァルトの音楽には決まった規則のようなものが存在します。
分かりやすい例で言うなら、バッハのインベンションなら、決まった「テーマ」のフレーズがあり、そのテーマは右手だけでなく左手部分にも表れてきます。
そのテーマが曲の中のどこに出てくるか、あらかじめチェックをしてみる、といった具合です。あらかじめ記号やしるしをつけておくと、弾くときにその部分を意識して弾くことができますよね。
小説や映画、漫画など作品にはそれぞれ作者が込めた「想い」や「メッセージ」があります。音楽も同じで、作曲者が記した音符、そして記号などから、その想いをくみ取ること、それがアナリーゼ(楽曲分析)なのです。
作曲家の生きた時代背景から音楽を読み解く
映画や小説などもそうですが、作品が作られたときの時代背景というのは興味深いものです。それらが作品へ影響を与えていることも多いからです。
それと同様、クラシック音楽も、その曲がいつの時代に作られたのか、どの国の作曲者か、その時代がどんな時代だったのか、作曲者がどんな気持ちでその曲を作ったか、ということは気になりませんか?
ただピアノでその音をなぞるだけではなく、この曲はどんな気持ちで作られたものだろう、どんな意味があるのだろう、と知ることは、大切なことです。そして作曲者へのリスペクトにもなるのではないでしょうか。
さらに、なぜこの曲が自分を惹きつけるのか、アナリーゼをすることで見えてくるものもあります。自分はこういう曲が好きだったんだ、という新たな発見にも繋がりますよね。
アナリーゼ(楽曲分析)とはなぜ重要なのか
どう演奏するかが決まる
ではなぜ、アナリーゼ(楽曲分析)が必要なのか、どういう意味があるのでしょうか。
例えば曲の中に「これが主題(テーマ)だな」と分かる部分があった場合、そこは強調して弾く必要がありますよね。繰り返し出てくるフレーズのようなものがあればそこがテーマとなり、作曲者が最も伝えたい部分と考えるのが妥当です。
楽譜にはフォルテやピアノ、クレッシェンドなどの記号がふってあり、それに沿って弾きますが、同じフォルテでも全て同じ強さではなく、多少メリハリをつけると曲に表情がつきます。
ただ譜面通りに演奏するのではなく、楽曲分析をすると曲に深みが生まれます。クラシック曲の場合、作曲者は既に亡くなっているケースがほとんどなので、正解を本人に聞くことはできません。ですから楽曲分析も人それぞれであり、これが正解、というものはないのです。
自分なりの、その人なりのアナリーゼ、楽曲分析をすることでその人独自の解釈で曲を弾く、つまりオリジナリティが生まれます。
同じ曲でもピアニストによって演奏が違うのは、解釈がそれぞれ違うからなんですよね。