X JAPANのかつてのメンバーTAIJIは天才ベーシストだった。彼の功績を詳しくご紹介!
まさに波乱万丈の人生だった、とも言えるX JAPANのTAIJIは才能にあふれたベーシストでした。
こちらではX JAPANのTAIJIについてその生涯を追います。加入理由、脱退理由、ラウドネスでの活動……また、不可解な死についてもまとめました。
数々の伝説を生み出した X JAPAN
X JAPANは「ジャパメタ」の走りとして、そしてジャパメタを日本の音楽界に定着させたバンドの一つとして、もはや伝説級となっています。
1989年、「BLUE BLOOD」でメジャーデビューし、たちまち大ブレイクしたX JAPAN(当時はXでした)は、メタラー、ギターキッズのみならず女性ファンも獲得し、一躍ビッグなバンドとして駈け上がっていきました。
90年代以降日本に誕生するヴィジュアル系のバンドのほとんどが彼らから影響を受けており、彼らがいなかったら今の日本の音楽界はかなり変わっていたのではないかと言い切ってもいいほどに、多大な影響を与えているバンドです。
解散、そしてメンバーの死など、数々の困難に見舞われながらも、再結成、そして現在も活動をしています。
特にメンバーに関してはかなり流動的で、デビュー前から合わせると15人以上がX JAPANの形成に携わっています。
今回こちらでは、インディーズデビューの頃からバンドに関わり、1992年に脱退、2011年に死去したベーシストのTAIJIについて、詳しくまとめていきたいと思います。
X JAPANのかつてのメンバーの一人だったTAIJIとは
TAIJIがX JAPANに加入するまでの流れ
TAIJI(本名:沢田泰司)は1967年7月12日生まれ、千葉県市川市出身です。沢田泰司は元々はギタリストでした。しかし友人のバンド、ディメンシアでプレイしたときにベースに転向、以降はベースとして活躍していますが、ギターのテクニックも天才的だった、ということは有名です。
沢田泰司は1985年、YOSHIKIの誘いを受けてXに加入しました。最初はXに加入する気はなかったようです。というのも音楽性が合わなかった、というのが最大の理由で、しかしそれでもYOSHIKIの熱心な勧誘に、「彼となら音楽以外のことも楽しめそう」と、YOSHIKI本人の魅力に何かを感じ、加入をOKすることにしました。
しかしその際、当時Xにギタリストとして在籍していたTERRYをやめさせ、元ディメンシアのギターであったHALLYを入れるなら、という条件付きでした。いきなりYOSHIKIにこんな交渉を持ちかけるあたり、TAIJIの大物ぶりを感じずにはいられませんね。
YOSHIKIにとってTERRYはバンド結成時からの大切なメンバーです。おそらく彼も悩んだことでしょう。苦渋の決断だったと思います。しかし彼はTAIJIのその条件をのみ、TERRYを辞めさせてTAIJIとHALLYをXのメンバーとして迎え入れたのでした。
1988年、Xのファーストアルバムとなる「Vanishing Vision」では、早速作曲で参加もしており、才能を発揮していましたね。
そして1989年のメジャーデビュー時にも大きく貢献し、武道館ライブツアー、大阪城ライブツアーなど多くのライブにも参加、さらには日本人アーティストとして初、である東京ドーム3日連続公演、も成功させ、このままXは順風満帆にいくのだと、おそらくファンの誰もが思ったことでしょう。
しかし、1992年1月31日、YOSHIKIの口から、TAIJI脱退の旨が発表されるのです。これは本当に衝撃的な出来事でした。
TAIJIがX JAPANを脱退した理由は?
TAIJIはなぜ脱退することになったのでしょうか。実はバンドの公式コメント、YOSHIKIのコメント、そしてTAIJIのコメント、この3つともに食い違っているため、実際の理由がなんだったのかは今も分からないままなのです。
それぞれのコメントを整理してみましょう。
バンドの公式コメント
バンドの公式コメントとしては、「音楽性とファッションの違い」とされていました。音楽性の違い、というのはごくごく一般的に使われる言葉ですよね。また、「脱退」という発表でした。脱退ということはTAIJIの意思でバンドを抜けた、そういうふうに捉えることができます。
TAIJIのコメント
TAIJIは自伝の中で、「自分はXやYOSHIKIにとって”目の上のたんこぶ”だったからではないか」と語っていました。「バンド内での収入の格差について言及したのと、YOSHIKIのドラミングに対して平気でダメ出しをするようになったからではないか」ということが原因のようです。
このことから読み取ると、脱退ではなく、解雇された、ようにも見えます。
何より、自伝で言っているのだから嘘ではないだろう、と思うんですよね。
元々、X加入時に、当初いたギタリストが合わないからと、自分が推薦するギタリストと替えることを条件にしたあたりで、上記のTAIJIの様子は想像できるといえばできます。TAIJIは曲作りやアレンジにも積極的に関わっていましたから、YOSHIKIに対しても対等に物を言っていたのでしょう。
しかしTAIJIのこのコメントは、公式のものとは大分食い違います。
YOSHIKIのコメント
TAIJIの脱退については、YOSHIKIも、自伝「佳樹」で触れています。
いわく、「TAIJIのベースはXには必要だったが、TAIJIが自分との約束を簡単に破ったこと」が原因だったとしています。
しかし、この「約束」というのが何か、については、YOSHIKIは語ろうとしていません。でも、この箇所を読むと、やはりTAIJI自らの脱退ではなく、解雇だった、というふうに読み取れてしまいます。