日本の郷土芸能「お囃子」とは?
日本の郷土芸能「お囃子」はご存知ですか?古くから受け継がれている日本のお祭りには欠かせない音楽表現となっています。今回はその「お囃子」について、どんな楽器が使われいるのか、どんなお祭りがあるのかご紹介していきたいと思います。
「お囃子」とは?
「お囃子(おはやし)」とは、日本の音楽ジャンルのひとつで、映えるようにする、ひきたてるという意味の「はやす」から出た言語です。
お囃子の読み方を今まで知らなかったという方は、今日で覚えてくださいね。
法被を着て台車に乗ってピーヒャラピーヒャラと演奏しながら、お祭りを盛り上げている人たちの事です。
また、周囲で踊る人たちの事を指すこともあります。
お祭りに行くと一度は目にした事があるのではないでしょうか?
使用されている太鼓や笛は日本各地で親しまれてきた民謡などに多く使われ、現代でも幅広い人々に愛されている楽器で有名です。
お囃子に使われている楽器について少し触れてみますね。
笛(篠笛)
リコーダーのような形をしており、主に5~6名の多人数で演奏を行いますが 曲によっては一人(一丁笛)で演奏することもあります。
夏にこの音色が流れてくると、心地よい風に吹かれながら一杯飲みたくなってしまいます。
大太鼓(おおだいこ)
お囃子で「笛」と同様に思い浮かぶのがこの大太鼓です。
音はとても大きく、遠くにいてもドンドン振動が伝わってくるほどです。
大鼓(おおつづみ)
皮の中心部をバチで軽快に叩いて鳴らす楽器で、お囃子には絶対欠かせないアイテムの一つです。
キメの部分だったり、曲の変わり目の間合いや、演奏者へ合図を出すときによく使用されます。
摺り鉦(すりがね)
摺鉦は金属製の打楽器の一種で、鉦吾(ショウゴ)、当たり鉦(アタリガネ)、チャンチキ、コンチキ、チャンギリ、四助(ヨスケ)などと呼ばれることもあります。
青銅製の皿型のかねを、すり棒と呼ばれる木の棒の先に鹿の角を加工して付けたもので、叩いて鳴らしたりするようにして鳴らし、パーカッション的な役割を果たします。
日本三大囃子は「神田」「祇園」「花輪」の三つ!
よく耳にする「日本三大○○」の祭り
七夕、火祭り、盆踊りなど日本には沢山のお祭りが存在していますが、今回は「日本三大囃子」をご紹介していきたいと思います。
それぞれの演奏に特徴や歴史がありますので、今まで何となく聞いていてその違いが分からなかったという方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
神田囃子
神田囃子(かんだばやし)は、神田神社で行われる神田祭りにおいて演奏されるお囃子の事です。
鎌倉時代の頃から始まったお囃子で、源頼朝が征夷大将軍に命じられた時に、鶴岡八幡宮前で行われた儀式に奉納された五人囃子が、神田囃子の始まりと言われています。
代表的な曲は、「打込」「屋台」「昇殿」などで、これらの曲が基本となり、順番に演奏されていきます。
最初は太鼓のソロから始まり、徐々に笛や鉦、大太鼓が加わって賑やかなアレンジになっていきます。
テンポの良い曲調が多いので、つい神輿を担いで練り歩きたくなってしまいますね。
祇園囃子
京都の祇園祭の際に使われるお囃子です。
「コンチキチン」という鉦の音で知られ、ユネスコ無形文化遺産に登録されている山鉾巡行の際、山鉾の上で演奏されているのが、この祇園囃子です。
歴史は大変古く、平安時代の頃と言われ、祇園囃子に使われている楽器は、太鼓と笛、鉦と割とシンプルです。
祇園囃子で使用される曲は、「神楽」「唐子」「打上げはつか」など。
曲調は明るいものからゆったりしたものまで幅広く、巡行の順路によって数十曲程ある曲の中から組み合わせて演奏されています。
花輪囃子
花輪囃子(はなわばやし)は、秋田県無形民俗文化財や重要無形民俗文化財に指定されているお囃子で、秋田県鹿角市にある幸稲荷神社に奉納される祭囃子の事を指します。
歴史は大変古く、平安時代の終わりごろで、最初は笛のみのアレンジでしたが、その後、太鼓や三味線なが加わり、江戸時代後期には現在の花輪囃子の形になったとの事です。
よく使用される曲は、「本囃子」「日本滝(二本滝)」など。
主に行進曲のような勇ましい曲調で、戦いが始まるような雰囲気になります。