ガーシュウィン『ラプソディー・イン・ブルー』誕生秘話がすごい?
誰もが一度は耳にした経験があるであろう珠玉の名曲「ラプソディ・イン・ブルー」。
不思議な世界に迷い込んでしまいそうなクラリネットのメロディに曲始めから早速酔いしれる魅力を持ったガーシュウィンの大作です。
そんなラプソディ・イン・ブルーができるきっかけや魅力をいくつか解説、ご紹介していきたいと思います。
ガーシュウィンの名曲『ラプソディー・イン・ブルー』
のだめオンアイス…
— はちみつたん (@hatimitutan) June 7, 2016
すてきなクラシックいっぱいだし!
衣装もオーケストラぽくすてきになるし!
マングースの着ぐるみでラプソディインブルーとか、
おなら体操とかも誰か…#アイスショーをプロデュース pic.twitter.com/FSwSfs0l99
音楽に一度でも触れた経験のある人であるならばいちどは耳にしたことがあるであろう名曲、「ラプソディ・イン・ブルー」。
漫画を原作として話題となったあのドラマ「のだめカンタービレ」でもラプソディインブルーが演奏されるシーンが多くあり、より広く沢山の人に知られることとなりました。
マングースの着ぐるみを着てピアニカで前奏を演奏する姿が可愛かったですよね!
クラリネットのふわふわと宙に浮いてしまいそうなソロパートがこの曲のチャームポイント。
ソロの中にあるおどけたグリッサンドがスパイスになっているんです。
そしてクラリネットの他にも、ぽろぽろとこぼれ落ちるようなピアノや洒落たサキソフォン、ミュートで少し御粧ししたトランペットなど様々な楽器に見せ場が現れます。
このラプソディ・イン・ブルーが産まれるまで、どんな背景があったのか次の段落でお話していきたいと思います!
曲ができるまでのバックボーンがすごいらしい?
ラプソディインブルーのクラリネットの楽譜 pic.twitter.com/GeuxkCdtWJ
— クラリネット吹きたい、コンサート鑑賞垢 (@wR1C5H8USnqwnjV) July 2, 2019
ラプソディインブルーに似てるフレーズやなぁと思いきや。ガーシュウィンが書いてたんかぁラプソディインブルーも。そっかぁ〜〜!この繋がってく感じ、ぞわぞわする🤩笑
— 「ちい子」 (@aindmko) November 2, 2019
名曲ラプソディー・イン・ブルーは、アメリカの作曲家「ガーシュウィン」によって生み出されました。
ガーシュウィンの代表曲はラプソディインブルーのほかに「ピアノ協奏曲ヘ調」や「パリのアメリカ人」、「子守唄」などがあります。
ラプソディインブルーは、そんなガーシュウィンへの驚くべきオファーにて誕生した濃厚なエピソードを持つ曲でもあったのです。
それは1924年1月3日のできごと。
ガーシュウィンの兄であるアイラ・ガーシュウィンが新聞を見ると、たまたま見つけたのはあるコンサートの宣伝。
その宣伝をなんとなく見ていたガーシュウィンは衝撃的で意味を理解するのが難しい情報を見つけたのです。
なんと現在ガーシュウィンが作曲しているジャズコンチェルトが演目に入っているとのこと。
そんなはずはありません。なぜならガーシュウィンはそんな話は一度も聞いていなかったし、だからもちろんそのコンサートのためにジャズコンチェルトの作曲なんてしていませんでした。
ガーシュウィンに作曲を依頼したのは指揮者のポールホワイトマンであったため連絡するも、ポールホワイトマンによると新聞に記載されているオファーは本気であるといいます。
頼まれても居ないはずが、たまたま見た新聞に自分が作曲中の曲が発表されますと書かれていた訳ですからこの意味に驚かないはずはないですよね。
信じられない気持ちを抱えつつもなんとお披露目のコンサートはおよそ1ヶ月後。
兎にも角にも文句を言っている場合でもなく、ガーシュウィンは後に「ラプソディ・イン・ブルー」となる曲を書き始めることになりました。
また、ラプソディインブルーのポイントであるクラリネットソロのグリッサンド部分は、ある日クラリネット奏者のロスゴーマンが音階をグリッサンドで吹いて遊んでいたところ、ガーシュウィンはこのグリッサンドを取り入れることにしたのだとか。
意外にも不思議な作曲オファーで生まれたラプソディインブルーですが、誕生から長い時を経ても愛されている訳ですからやはり素晴らしいです。
この曲のバックボーンも含めて、ラプソディインブルーの魅力なのではないでしょうか。
それでは続いてラプソディインブルーの曲調に触れていきたいと思います!
『ラプソディー・イン・ブルー』の曲調について
らららクラシックの録画消化しようと9月のガーシュイン「ラプソディインブルー」見たらのだめが映像つきで紹介されててちょっとびっくり。
— ヒオカ (@hioka1272) October 17, 2014
番組最後の演奏で松永貴志さんの名前覚えた(前の報ステの曲の人か!)。いいな。 pic.twitter.com/vqpsmkb47o
ここまでラプソディインブルーが生まれたバックボーンや魅力に触れていきましたが、この曲は曲調にも特徴的な癖があるのです。
連弾、ラプソディインブルーなんだけど転調多いし臨時記号いっぱいあってお互い大変
— り ぶ (@lliblcll) September 26, 2018
合わせるのも裏打ちとかあって難しいなー
曲自体は変ロ長調で始まるのですが、ここからの怒涛の転調がこの曲の肝。
フラットやシャープが容赦なく数を増減させ、変ロ長調から変イ長調、イ長調にホ長調......ととにかくいくつもの転調が行われます。
この留まることを知らない転調の数々はまさに演奏者泣かせの楽譜であり、いくつも飾られた音楽記号の数々とともに演奏者を煽るようです。
ラプソディインブルーは大好きだけれど、演奏するとなるとこの怒涛の転調と向き合うことになるから辛いと話す楽器奏者もいる程で、実際に演奏するとなるとかなりの腕が必要となってきそうです。
先程も触れましたが、ガーシュインは突如このラプソディインブルーを作曲することとなり、実際には2週間ほどしか作曲に使えた期間はなかったのだそうです。
ここまでの転調を繰り返す曲をたったの2週間ほどで作ってしまったガーシュウィン。
その上期間上切羽詰まった状況での作曲を強いられ大変だったかと思いますが、そんな時にこのように朗らかな曲調が決め手のラプソディインブルーを生み出した点もさすがです。
彼の作曲に対するセンスと実力や、彼が持つ感受性も並大抵ではないことがわかりますよね。
まとめ
今回の記事では、アメリカの作曲者ガーシュインによる珠玉の名曲「ラプソディ・イン・ブルー」について解説し、まとめていきました!
「のだめカンタービレ」の漫画を実写化したアニメやドラマ内で、主人公の"のだめ"が可愛いマングースの格好をしてピアニカを使って冒頭を演奏した姿が話題となった曲でもあります。
クラリネットのファニーなグリッサンドを仕込んだソロパートは非常に難易度が高いことでも有名ですが、このソロパートがなければラプソディ・イン・ブルーは完成しません。
新聞を読んで自分が新しい曲を作ることになっていたと知る不思議なバックボーンを経て誕生したラプソディインブルー。
ラフでライトに感じるほどの聴いていてとても楽しい楽曲ですが、立て続けに起こる転調が効いており、この転調は楽器演奏者にとって大変難しい試練でもあります。
この高難易度を誇るラプソディ・イン・ブルーですが、やはり今日もたくさんの人に愛されて演奏され、継がれていく名曲となっています。