強烈なインパクトで話題を呼んだ「たま」、『さよなら人類』に込めた意味が深すぎる?

伝説の深夜オーディション番組、通称『イカ天』で一世風靡した「たま」の楽曲「さよなら人類」はご存知でしょうか?ファッションも歌詞も独特な世界感が話題に!今回は代表曲「さよなら人類」の歌詞について、徹底考察していきたいと思います。

記事の目次

  1. 1.独特な世界観と音楽性で衝撃を与えたバンド「たま」
  2. 2.『さよなら人類』に込めた意味が深すぎる?
  3. 3.『さよなら人類』の歌詞から意味を徹底考察
  4. 4.まとめ

『さよなら人類』の歌詞から意味を徹底考察

二酸化炭素をはきだして あのこが呼吸をしているよ
どん天模様の空の下 つぼみのままでゆれながら

野良犬はぼくの骨くわえ  野生の力をためしてる
路地裏に月がおっこちて 犬の目玉は四角だよ

今日人類がはじめて 木星についたよ
ピテカントロプスになる日も 近づいたんだよ

当たり前の事ですが、人間が呼吸するときには二酸化炭素(CO2)を吐き出しています。

食べたものは体内に取り込んだのちに有機物に分解され、エネルギーを取り出す過程の中で最後に二酸化炭素が排出されます。

ただ呼吸をしているだけの歌詞ですが、二酸化炭素というフレーズが出てくると、地球温暖化について歌っているのかなと感じ取れますね。

「どん天模様」とは曇り空の事を指しています。

あまり普段使わない言葉ですが、よく色んなアーティストの歌詞に登場しています。

「野良犬はぼくの骨くわえ」という歌詞は、いきなり衝撃的ですね。

主人公はもうすでに亡くなっているという事なんでしょうか?

そして「路地裏が月におっこちて」と出てきますが、これはもう宇宙で何か大変な事が起こってしまったのかもしれませんね。

犬もビックリして目を大きくしていたことでしょう。

「ピテカンドロプス」とは聞きなれない言葉ですが、現在の「ジャワ原人」の事を指しており、ジャワ人間とは、ウジェーヌデュボワが1891年にオランダ領であったインドネシアのジャワ島トリニールで発見した化石人類に対する通称のことです。

以前はピテカントロプス・エレクトスの学名で呼ばれて居ましたが、2012年現在はヒト属に分類され、ホモ・エレクトスの種類の一つである、ホモ・エレクトス・エレクトスに位置付けられているそうです。

月日はどんどん過ぎていくのに、人間は原始時代の姿に退化してしまった、という皮肉な内容の歌詞になっています。

何が言いたいのかは謎な所もありますが、便利過ぎる今の世の中を一旦リセットさせたかったんでしょうか?

ネット通販が主流になり、商店街の本屋やCD屋がどんどん閉店していく。

それによって生活できなくなってしまう人がいるという事。

便利や贅沢を求めてはいけない、そういう事を発信したかったのかもしれませんね。
 

アラビヤの笛の音ひびく 街のはずれの夢のあと
翼をなくしたペガサスが 夜空にはしごをかけている

武器をかついだ兵隊さん 南にいこうとしてるけど
サーベルの音はチャラチャラと 街の空気を汚してる

今日人類がはじめて 木星についたよ
ピテカントロプスになる日も 近づいたんだよ

「アラビアの笛」とありますが、これはおそらく「ネイ」の事でしょう。

ネイとはトルコ古典音楽「スーフィー」に欠かせない神秘的な音色の葦笛(アシの葉を丸めて作った笛)で、今でも北アフリカや、西アジア全域などでで古くから親しまれている笛です。

「翼なくしたペガサス」とありますが、これは戦争などで怪我をしてしまい、治療も受けられず今夜持つか持たないかという状態なんでしょうか。

そして、このあと武器を担いだ兵隊の話の歌詞が出てきますので、やはり舞台は戦争のようですね。

アフリカやアジアは貧しい国ですので、おのずと「アラビアの笛」もリンクしてきますね。

「サーベル」とは西洋の刀剣類の一種で、とにかく斬ることに特化して作られた刀剣です。

誰でも扱いやすい作りだったため、兵士の携行武器として長く使われていました。

人間同士の生き残りをかけて必死に戦う様子が描かれています。

なんとも残酷な世界ですね。

歌を忘れたカナリヤ 牛を忘れた牛小屋
こわれた磁石を ひろい集める 博士はまるはげさ

この二行は戦争を続けた結果こうなったという事でしょうか。

地球上には人間以外にも沢山の生き物や植物がいます。

世話をしてくれる人がい無くなればカナリアは言葉をしゃべらなくなります。

牛だって同じです。

小屋は人間が牛の為に作ったものですから。

ここも荒れ果てた世界の姿を表しています。

「博士はまるはげ」とはどういう事でしょう?

戦争の最中でも、研究者や科学者たちはまだ文明を発展させようとしているという事でしょうか?

本当にこの曲の歌詞は奥が深いですね。

あのこは花火を打ち上げて この日が来たのを祝ってる
冬の花火は強すぎて ぼくらの体はくだけちる

ブーゲンビリヤの木の下で ぼくはあのこを探すけど
月の光にじゃまされて あのこのかけらは見つからない

今日人類がはじめて 木星についたよ
ピテカントロプスになる日も 近づいたんだよ

今日 人類がはじめて 木星についたよ
ピテカントロプスになる日も 近づいたんだよ

ここで出てくる「花火」とは、広島や長崎に落ちたのと同じような核爆弾の事でしょうか?

それとも北朝鮮が発射しているミサイルの事でしょうか?

「ブーゲンビリア」は、オシロイバナ科ブーゲンビリア属に属する熱帯性の低木の事で、南国リゾート地などでは一年中咲いていて、赤紫色が目を引く鮮やかな花色が特徴の花です。

つまり核爆弾が落ちて周りは赤い火の海、強烈な熱線や放射能などにより、まぶしくて目も開けられず苦しみながら死んでいくという地獄絵が想像できますね。

終わりに近づくとどんどんこの歌詞が怖くなってきます。




 

サルにはなりたくない サルにはなりたくない
こわれた磁石を砂浜で ひろっているだけさ

今日 人類がはじめて 木星についたよ
ピテカントロプスになる日も 近づいたんだよ

地球の人間はほとんど死んでしまい、残された人が何とかいままでの生活を取り戻そうと頑張っているが、もう残骸を拾う事くらいしか出来ない、食べ物も無くなり命も残りわずかかもしれません。

本当はそんな世の中にならないように、今の当たり前の生活を大事にして、また色々なモノに備えていかなければいけないですね。

自然災害、戦争、未知のウィルス、これにより当たり前だと思っていた生活が送れなくなるという事が、とても身に染みる楽曲だと思います。

この曲が作られたのは今から30年近く前の話。

「たま」は、個性的な見た目や不思議な歌詞が注目されがちでしたが、実はかなりシビアに未来を見つめていたのかもしれません。

たまのメンバーそれぞれが色々な楽器を使い、何となく適当に使っているようにも見えますが、実は曲の歌詞や盛り上がりに合わせて、しっかり使い分けています。

間奏部分に歌詞はありませんが、その分自由に演奏していて、何かを必死で訴えたい様子が表れていますね。

コーラスワークや、パーカッションの動きに注目してみると一番分かりやすいかもしれません。
 

まとめ

今回はたまのデビューシングル『さよなら人類』について詳しく見ていきましたが、いかがでしたでしょうか?

実は「たま」が解散後に、メンバーである石川浩司、滝本晃司、知久寿焼にスポットを当てたドキュメンタリーが映画化されていました。

時代や環境が変化していくなかでも音楽演奏のスタイルを変えず、メディア露出よりも生のライブやパフォーマンスに重点を置いて活動し続ける彼らの姿を追っています。

気になった方はぜひチェックしてみてくださいね。

その後のメンバーがどう過ごしているか気になったので調べてみました。

石川浩司はソロで出前ライブやっているそうで、合わせてパスカルズ・ホルモン鉄道などのバンドでも活動しているそうです。

知久寿焼も同じく、ソロ活動と合わせてパスカルズのメンバーとして活動中。

滝本晃司も、ギターピアノで弾き語りの活動を行ったり、echo-U-nite(エコーユナイト)というグループでベース弾いているそうです。

たまが解散した後も、精力的に活動を続けているようで安心しました。

これからの三人にもぜひ注目していきたいですね。

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