米津玄師がセルフカバーするFoorin『パプリカ』が日本中で話題に?!話題の理由を徹底考察!
Foorinが歌い、大評判となった曲『パプリカ』は米津玄師が作曲、歌詞を書きました。さらに、米津玄師本人も『パプリカ』を歌い、MVを作ってこちらも話題となっています。ここでは『パプリカ』の歌詞を徹底考察、さらにMVも読み解きます!
どことなく懐かしいような、郷愁を誘うようなメロディー。米津玄師は自身の祖父の家があった徳島の山、海、そして川で遊んだ時のことを思い浮かべ、この曲を作ったそうです。例えるなら、日本に古くからある童謡。そういった類を連想する曲かもしれません。
それでは『パプリカ』の歌詞の意味などを考察していきましょう。
曲りくねり はしゃいだ道
青葉の森で駆け回る
遊び回り 日差しの街
誰かが呼んでいる
出だしは、いかにも、日本の田舎、ふるさとを思わせる場所を描写しています。
歌詞からは子供たちの歓声、また、なんとなく夏休みを思わせるので、セミの声なども聴こえてきそうですね。
毎日毎日朝から日が暮れるまで友達と遊び騒いだけれど、「誰かが呼んでいる」の部分、ふと立ち止まると誰かが自分を呼んでいるようなそんな感覚を表現しているのでしょうか。
もしくは、子供たちが友達の名前を呼びあう声、そんな描写かもしれません。子供たちが集まって遊べば、いつだって誰かが誰かを呼んでいるものですね。
夏が来る 影が立つ あなたに会いたい
見つけたのはいちばん星
明日も晴れるかな
影が立つ、とは夏になり、日が高くなってきた様子、でしょうか。
この部分は解釈がおそらく割れるところだと思うのですが、Foorin(子供たち)が歌っている、ということを考えると、「あなた」というのは「未来の、大人の自分」ということなのかもしれないなと思いました。
何回か夏を迎え、年齢を重ねていくうちに未来の自分は何をしているだろう、と、ふと夏の空を見上げたのかもしれません。いちばん星とは夕暮れの空に輝く星のことです。夜空が見えるなら明日は晴れる、子供にもそのことは分かりますよね。
パプリカ 花が咲いたら
晴れた空に種を蒔こう
ハレルヤ 夢を描いたなら
心遊ばせあなたにとどけ
そして歌詞はサビに入ります。
パプリカの「花が咲いたら」とありますが、タイトルにもなっているパプリカそのものには実は意味はあまりなく、「パプリカ」という語感や、パプリカが黄色や赤、緑といったカラーであることから素材そのもののポップさからつけた、と米津は語っていました。
しかし、一応パプリカの花の花言葉を調べてみました。すると「同情」「憐み」「君を忘れない」という花言葉があることが分かりました。
この曲、パプリカというタイトルから連想するのはみなさんやっぱり「実」の方だと思うんですけど、実は「花が咲いたら」と、「花」の方に持っていってるのが興味深いんですよね。
花が咲いたら、は夢や希望が満ち溢れるようす、そしてその種をまけばきっと将来芽が出て花開くことでしょう。
そして「あなたに届け」は、未来の自分のこと。今撒いた夢や希望の種が未来の自分に届き、夢を叶えて、なりたい自分になっているといいな、という意味なのだと思います。
雨に燻り 月は陰り
木陰で泣いていたのは誰
一人一人 慰めるように
誰かが呼んでいる
1番の、明るい夏の日を思わせるような歌詞から一転、2番では雨が降り、月さえも陰ってしまいます。
大人もそうですが子供にだって悩みはありますし、1日泣いて過ごすような日だってあるでしょう。
しかしこっそり木陰で泣いていても、気づいてくれる人はいます。
また、挫折する様を描写しているようにも思えます。それでもどこかに解決の道はありますし、明けない夜はありません。
あなたを助けようと呼びかける声に応答するのかしないのか、ということでしょう。
喜びを数えたら あなたでいっぱい
帰り道を照らしたのは
思い出のかげぼうし
落ち込んでいるときには、悪いこと、マイナスなことばかり考えてしまうものです。また、そういう時に限って、過去にあった嫌な出来事ばかり思い出してしまうんですよね。
しかしその思考をやめて、嬉しかったこと、喜んだことばかりを思い返してみよう、この歌詞はそういう意味なのではないかと思います。
ここでの「あなた」はその後の「思い出」ということから考えると、昔よく遊んだ友達のことでしょうか。
辛いことがあっても、昔よく一緒に遊んだ友達との思い出がいつだって自分を強くする、励ましてくれる、そういう意味に受け取りました。
会いに行くよ 並木を抜けて
歌を歌って
手にはいっぱいの 花を抱えて
らるらりら
もう一度サビを挟んでから、この歌詞が続きます。
またもう一度あの頃に戻ろう、並木道を抜けて、友達に会いに行こう、あの頃みたいに歌を歌いながら……という情景でしょう。そして自分が夢みていたこと、なりたかったものをもう一度思い出そう、そういう意味もあるのかもしれません。
「手にはいっぱいの花を抱えて」の部分は色々受け取れると思いますが、この花がパプリカの花だとすれば、上記の考察を持ってくると「夢や希望」とも受け取れます。
忘れかけていた夢をもう一度持っていくよ、思い出して、ということでしょう。それは決してプレッシャーではなく、励ましの気持ちです。
そうすると、パプリカの花言葉である「君を忘れない」も生きてくるような気がしませんか?君とは人を指す、のでもいいですが、みんなが持っている夢や希望、とも置き換えられるような気がします。