絶対音感とは?トレーニングで絶対音感を身につける方法ご紹介
音楽業界でよく聞かれる絶対音感とはどんなものなのか?また絶対音感と共によく耳にする相対音感とはどんなものなのか?についても解説しました。また地道なトレーニングを積み重ねていくことで、音感を研ぎ澄ませていくことは可能です。その訓練方法についても書いています。
絶対音感とは一体?
絶対音感とは、生活音や水の流れる音など普通の人が音程と認識しない音でも音程が瞬時にわかる能力のことです。天性の才能というものではなく、幼少期(0〜5歳)までにしっかりとした訓練を受けることで身につきます。
一般の人だと約3%の割合の人しか持っていません。
実際にはHz(ヘルツ)数でどの音が鳴っているのかわかるので、微妙に上ずっていたり下がっていたりするのも感じ取ることができます。
また絶対音感の人に時計の秒針がチクタクしてるとか、学校のチャイムってキンコンカンコンだよね!とか言っても通じないのはあるあるです。
音楽業界の中でもクラシック系ではほぼ必須のものとされており、絶対音感がないピアニストはほんの少ししかいません。
絶対音感のメリットは非常に大きく、
- 難しい曲でも耳コピがほぼ一瞬で終わる
- ペンと紙だけで作曲ができる
- 演奏や歌唱で音程を外すことがない
- 和音を単音に分解して聞き取れる
音楽的に大きな恩恵があるからこそ、音楽に携わったことのある人たちはみんな口を揃えて「絶対音感が欲しい!」と言うわけです。
でも大丈夫!
絶対音感は音楽をやるなら絶対必要!と言うものでもありません。
また長期間継続してトレーニングをすることで、絶対音感に近い「相対音感」を身につけられます!
まずは絶対音感があるのかチェックしてみましょう!
絶対音感をチェックする方法とは?
絶対音感をチェックする方法はとても簡単です。
①自分に見えないように誰かに楽器で音を出してもらう(5つぐらい)
②弾いた音がなんの音か答える
以上になります。
この弾いてもらった音全てを言い当てることができたら、絶対音感があると言えるでしょう。
また最近ではYouTubeなどでもチェック用の動画が上がっています。
少し余談になりますが、チェックしなきゃ絶対音感があるかわからないと思っているなら、まず間違いなく絶対音感はありません。聞こえる音全てが音階に聞こえるわけですからね...
スパッと割り切って相対音感のトレーニングに進みましょう!
一方、重視すべき能力である相対音感とは?
相対音感とは、一つ目に鳴った音がなんの音かわかると、それを基準として次に鳴る音がどの音程なのか言い当てられる能力のことです。
絶対音感と違うところは、
- 単音ではなんの音かほぼわからない
- 生活音は音程に聞こえない
- 耳コピには多少の時間がかかる
- 和音の分解に時間がかかる
大人になってからでも地道な訓練を継続していくことで鍛えることができ、作曲ができるアーティストや即興でアドリブができるスタジオミュージシャンなどは、この相対音感が鍛えられている人がほとんどです。
また相対音感を研ぎ澄ましていくと、単音でも音程がわかったり耳コピがものすごい早くなったりします。
絶対音感ほど正確な音程をつかむのには、10年単位の気が遠くなるような努力が必要ですが、必ず身につく能力です。また音楽理論という知識を少し身につけると精度が増すものでもあります。
音楽を今より少しでも楽しみたい方は、ぜひ相対音感を身につけてみましょう!
絶対音感を持つ芸能人
芸能人で絶対音感を持っている人っているの?そんなことをふと思ったあなたの疑問に答えます。
今流行りのあの芸人から、海外の超有名ミュージシャンまでいましたよ!
みやぞん
最近テレビで見ることの多いみやぞんも絶対音感を持っていると公言しています。
ギターやピアノを即興で演奏する姿が印象的ですね。
またギターは買った当初から楽譜や教則本を一切見たことなく、全て手探りの独学で習得したそうです。
それ故に難しいことは一切できず、コード弾きだけとなっています。
まさに絶対音感のすごさがわかりますね。
宇多田ヒカル
言わずと知れた超有名アーティストの宇多田ヒカルさんも絶対音感を持っています。
彼女のライブは終始ピッチを外れることはなく、また外すとしても絶対音感持ちの本人が気持ちよく歌える範囲で外しているので、普通の人が聞くとほぼわからないと思います。
絶対音感持ち+天性の独創的な感性があるからこそ、努力の末に数多くの名曲を世に出すことができたのかもしれません。
マイケルジャクソン
世界中で絶大な人気を誇ったPOP界のレジェンド、マイケルジャクソンも絶対音感を持っていたとされています。
作曲方法はとても独創的で、降りてきた音楽全体をレコーダーに吹き込むというもの。
ボーカルだけを吹き込むというのはよく聞く話ですが、マイケルジャクソンはなんとドラムやサックス・ベースからギターまでその場で吹き込むらしいのです。
まさに絶対音感のなせる技!って感じですね。
絶対音感に限りなく近い相対音感はトレーニングで身につけることができる!
絶対音感がなくても音楽で食べていきたい!もっと楽しく演奏したい!と思うなら相対音感を鍛えないといけません。
全て時間のかかる地道なものばかりですが、効果的なトレーニング方法をいくつかご紹介します。
トレーニング方法① 楽器を弾く
相対音感を身につけるには「聴音」という訓練が必要になります。
簡単に言ってしまうと「耳コピ」です。
音源から鳴っている音を耳で拾い、手元にある楽器で同じ音を出す。これを繰り返します。
楽器の種類はなんでもOKです。
とにかく音を拾える・覚えれるだけの耳を鍛えます。
耳コピするときのコツとしては、
- 音程を含め、細かいニュアンスも拾う
- 強弱に気を配る
- 拍数を意識する
「音感を鍛えるんだから音程だけ拾えばいいじゃん?」なんて思っていると、ずっと相対音感は身につきません。
今の耳で聞き取れる範囲の最高の音色を常に出すという意識で行うと効果的です。
初めはものすごく時間がかかってかなり面倒ですが、続けていけばどんどんコピーするスピードが早くなっていくのが実感できると思います。
挫けず継続しましょう。
トレーニング方法② 採譜する
相対音感を鍛えるには、演奏しているだけじゃまだ足りません。聞き取ることができるようになっても、想像することができないからです。
そこでまずは、コピーした曲を楽譜に起こしてみましょう。
しっかり楽譜に書いて目で認識し、覚えている音を頭に鳴らしながら口ずさみます。
これを繰り返していくことで、音符を目で見た場所と頭で覚えた音で鳴らすことができ、徐々に楽譜だけでどんな音が鳴る曲か想像できるようになっていきます。
これは絶対音感を持っている人が多い音大でも必須とされている、ソルフェージュに似た手法です。
だんだんできるようになってきたらソルフェージュに変えてみてもいいですね!
トレーニング方法③ 作曲またはアレンジする
これは頭で想像した音を楽器に落とし込む練習です。
マイケルジャクソンが行なっていた、頭に降りてきた音をレコーダーに吹き込むのと同じことをするわけです。
これは多くのミュージシャンがやっている作曲方法でもありますが、相対音感が鍛えられていないと正確なキーがわからずまずできません。
作曲をしながら音感も鍛えられるので、まさに一石二鳥のトレーニング方法と言えます。
またこの作曲・音感のトレーニングは、音楽理論を少し勉強するだけでかなり楽に行うことができます。
感覚が足りないなら知識で補えば大丈夫です!
トレーニング方法のまとめ
上記で紹介した方法を「耳コピ・採譜・作曲」とすると、
初めは、耳コピ7:採譜1:作曲2ぐらいの割合ではじめ、
慣れてきたら耳コピ4:採譜3:作曲3ぐらいで行うのがオススメです。
聞き取る・想像する・落とし込む、この全てをなるべくバランスよく鍛えていけるのがベストだと思います。
採譜は五線譜を覚えないといけないので大変ですが、スラスラ読めるようになってくると割と簡単です。
継続していけば徐々にできるようになっていきますよ!
絶対音感のデメリットとは?
音楽好きなら誰もが憧れる絶対音感。
非常に大きなメリットがある分、その逆にデメリットはないのか?そんな疑問にお応えしていきます。
デメリット① 生活音が鬱陶しい
普通の人が雑音として聞き流している日常生活のありとあらゆる音が音程として聞こえるため、ほぼ聞き流すことができず勝手に頭の中で音程に変換されてしまい、思考の邪魔になります。
音に気を取られたばかりに考えていたことを忘れたり、勉強に集中できないなんてことも...
これは非常に大きなデメリットですね。
デメリット② ほんの少しの音程の違いが気になる
チューニングの狂った楽器で演奏されている曲は、そのほんの少しの違いが気になってとても気持ちよく聞くことができません。
ギターだけチューニング少し高いんだけど...なんであれでボーカル気持ちよく歌えてんの?なんて思うこともよくあります。また人とカラオケに行ったときは、音程の違いが気になって楽しめなかったり、うっかり指摘して嫌われたなんてのもあるあるです。
絶対音感の人にとっては、音程がちょっとずれただけで不協和音に聞こえてしまうんです。
ロックやメタルだとチューニングが多少ずれるのはよくあることなので、それで楽しめなくなるのはちょっと嫌ですね。
デメリット③ 音が鳴っている場所だと人の話に集中できない
喫茶店やレストランなど音の鳴っている場所では、聞こえる音が頭で勝手に音程に変換されてしまうため真剣な話をされても、気が散って集中できないなんてこともあります。
絶対音感の人に真剣な話をするなら、なるべく喫茶店などの音が流れている場所は避け、電話などで話すのがオススメです。
デメリット④ 音程をめちゃくちゃ聞かれる
絶対音感ということが周りに知れ渡ると、身の回りの音程についてやたら聞いてくる人が出てきます。
ドアが開く音は?自分の話し声は?靴音は?もうほんとしつこい!ってぐらい聞かれます。
絶対音感があるとわかっても、いつも通りに接しましょう。
相対音感とは絶対音感に近い努力で手に入る能力!
絶対音感をつけるには、幼少期からピアノ教室に通い本格的な訓練を受ける必要があります。
それ故に高校生からギターを始めたり、大人になってから作曲を始めた人では、音感をただひたすら鍛える以外に道はないです。
相対音感を絶対音感に近づけるまでは、相当な努力と時間がかかりますが、気づいた今始めるのが一番早いスタートです!
- 耳コピ
- 採譜
- 作曲
この3つをなるべく毎日、少しでも行うようにしましょう。
1年後にはかなり違った景色が見えているはずです!