ペンタトニックスケールとは?表を使ってご紹介!

ギターやピアノでのアドリブの勉強をしようと思ったら、「イロハのイ」に当たるのが、ペンタトニックスケールです。また、シンプルで覚え易いこのスケールはポップスのメロディ作りにも役立ちます。仕組みを理解し実践的にペンタトニックスケールを使えるようにしていきましょう。

記事の目次

  1. 1.ペンタトニックスケールとは?
  2. 2.ペンタトニックスケールを表を使って解説
  3. 3.ペンタトニックスケールの覚え方
  4. 4.ペンタトニックスケールの使い方

ペンタトニックスケールとは?

ペンタトニックスケール概略

ペントニックスケールとは「5つの構成音でできたスケール」のことです。
様々な種類がありますが、比較的多く使われるのは「メジャーペントニックスケール」「マイナーペントニックスケール」です。

これらはハードロックや、ジャズピアノのメロディ、リフ、アドリブソロ、また民謡などでも多用されています。
今回は「メジャーペントニックスケール」「マイナーペントニックスケール」について解説します

ペンタトニックスケールの前身スケール

まずは、5音のペンタトニックスケールになる前身、「メジャースケール、マイナースケール」の説明をしましょう。
これらは7つの構成音を持ちます。
下記に、2パターンの図を載せました。
全音と半音の並び順にも着目して、見てください。

 

スケール
スケール

この二つずつの組み合わせは、同じ調号を(#やフラット♭の付き方が共通)を持つもの同士です。
音楽用語では「平行調」と呼ばれます。

双方の7つの構成音は、並び順は異なりますが、使われる音は一緒です。


上記二種を見比べてみると。

Fメジャースケールの六番めの音「レ」がDマイナースケールの始まり

Dマイナースケールの三番目の音「ファ」がFメジャースケールの始まりになっています。

このように、

メジャースケールの三音目の音が平行調のマイナースケールの始まり
マイナースケールの六番目の音が平行調のメジャースケールの始まり


と覚えておくと便利です。

ペンタトニックスケールを表を使って解説

ペンタトニックスケールの構成音

ペンタトニック①
ペンタトニック②

先ほど説明のメジャースケールから、「よな抜き=(第四音と第七音を抜く)」にしてみると5つの構成音の「メジャーペントニックスケール」になります。

上の楽譜のように、FメジャースケールがFメジャーペントニックスケールに変わりました。
ファ ソ ラ ド レ ファと、全て全音の並びなのが分かります

そしてこのメジャーペンタトニックスケールを六音めの「レ」から並び替えてみるとマイナーペントニックスケールができます。

(Dナチュラルマイナースケールからは第二音のミと、第六音のシ♭がなくなりましたね)

GメジャーペントニックスケールとEマイナーペントニックスケールも同上の仕組みです。

ぜひ実際に楽器で音を出して確かめてみて下さい。

ペンタトニックスケールとダイアトニックコード

表一覧
各ペンタトニックスケールとⅠ度のダイアトニックコードの関係

今度はダイアトニックコードとの関係を表で見てみましょう。

Fメジャーペントニックスケールは、度のダイアトニックコード「F6…ファ ラ ド レ」の構成音とほぼ共通ですね。

また、Dマイナーペントニックスケールも、Ⅰ度のダイアトニックコード「Dm7…レ ファ ラ ド」の構成音とほぼ共通ですね。

GメジャーペントニックスケールとEマイナーペントニックスケールでも同じ仕組みです。
このように、各キーの一度のダイアトニックコードを柱に考えていく事ができます。

ペンタトニックスケールの覚え方

仕組みからみたペンタトニックスケールの覚え方

ペントニックスケールの覚え方はのポイントは。

◉メジャースケールとナチュラルマイナースケールの仕組みと構成音を理解する。
(特にメジャースケール)

◉メジャースケールの第四音と第七音を抜く(よな抜きする)とメジャーペントニックスケールができる。
これは、すべて全音の並びである。

メジャーペンタトニックスケールの6つ目の音からに並び替えるとマイナーペントニックスケールになる。
(メジャースケールとマイナースケールの平行調の関係に似ている)

◉ペントニックスケールは、各スケールのⅠ度のダイアトニックコードの構成音がほとんど

以上、耳も使ってしっかりと覚えていきましょう

実際にフレーズを作りながら覚えよう

2つのペントニックスケールを弾いてみると、とてもシンプルで分かりやすいですね。

構成音が5つのみで、半音が無いため、3つくらいの音をランダムに弾くだけでもメロディらしき流れが作れます。
ギターなどアドリブやベースソロ然り、またポップス調号のメロディでも然りです。

例 Aマイナーペンタトニックスケールの場合

レドラ ドレラ ラソミ など

Gメジャーペントニックスケール

ソミレ  シレミ  レソミ など


大抵の場合は、何となくメロディックに聞こえます。
これが「アドリブのイロハのイ」である所以です。
このメロディの切れ端のようなものを、色々なバリエーションで続けて弾けるようにしていきましょう。
(音の長さを変える、リズムを工夫するなど)

初めは、「音ならべ」のような感じでも、少しづつ練習をすると、だんだんフレーズらしくなっていきます。

下記の楽譜例は、
①Aマイナーペンタトニックスケールを使った、アドリブフレーズ例

②Gメジャーペンタトニックスケールを使った、ポップス調メロディ例

です。

フレーズ例

ペンタトニックスケールの使い方


スケールがわかり、なんとなくフレーズらしきものが弾けるようになったら、よりカッコよくメロディックにする為にプロの演奏研究は不可欠です。
コード進行に沿っての音の並べかたや選び方は勿論、ニュアンスの出し方等もおおいに参考にしたいものです。
シンプルな歌のメロディなども参考になりますね。
実際ペンタトニックスケールの使われている楽曲例をご紹介しましょう。


 

The Beatles 「Let It Be」

あまりにも有名な曲ですが、動画の1分58秒あたり、(オルガンの間奏のあと)から、Cメジャーペントニックスケールを使ったアドリブ部分があります。
使われる構成音は5つだけなのに、メロディックで素敵ですね。
 

Eric Clapton「Crossroad」

日本でも人気の高いクラプトンですが、この曲では、沢山彼のアドリブソロが聞けます。Aマイナーペントニックスケールがたくさん使われていますね。音の並びはもちろん、ニュアンスの表現方法も研究してみてください。

KinKi Kids「フラワー」

懐かしい曲ですね。最初から出てくる印象的なサビのメロディは、メジャーペンタトニックスケールでできています。

関連記事

Article Ranking