音楽業界の天才tofubeatsの『水星』が輝かしい脚光を浴びた理由は?tofubeats・水星について調査!

平成を代表する音楽家tofubeatsの軌跡とその魅力をふかぼりしていきます。大ヒット曲『水星』についての元ネタ、カバーバージョンの紹介を交えつつ詳しく書いていきます。更には最新シングルのレビューし、その楽曲に込められた狙いまで分析していきます。

記事の目次

  1. 1.平成を代表する天才音楽アーティストtofubeats
  2. 2.『水星』は、tofubeatsの代表的な作品の一つ
  3. 3.メジャー前の集大成『lost decade』
  4. 4.数々のカバーやRemixを受ける名曲になっている(カバーの一部まとめ)
  5. 5.まとめ

平成を代表する天才音楽アーティストtofubeats

tofubeatsの経歴

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歌手?DJ?何者なのか?

現在J-POP界で注目のtofubeatsですが、その存在は謎の方もいるのではないでしょうか? 彼は「アーティスト」として自分の作品も出してはいますが、「音楽プロデューサー」「DJ」「トラックメーカー」でもあり、DAOKO、ラブリーサマーちゃんとのコラボレイトした作品を手がけている人物です。

様々なアーティストにも楽曲提供もしている他にYUKI、小泉今日子、ももいろクローバーZのリミックスも手がけています。

デビュー当時の彼の活躍の場所はインターネット上で、作品を発表しており、その音源の著作権がグレーゾーンとなるSoundCloudで発表されていたのも特徴的です。
 

ブレイクまでの道のり

中学生の頃からインターネット上に音源をリリースするようになります。2005年設立のMaltine Recordsに参加し、無料ダウンロード出来る楽曲をリリースするようになります。その後、tofubeatsはこのレーベルの代表アーチストとして有名になります。

これがきっかけで、メジャーレーベルから注目を浴びるようになります。

その後、2012年の『水星』のリリースで注目を受け、2013年にアルバム『Lost Decade』をリリースし、このアルバムはiTunes Storeで総合1位を記録し、一気に有名になりました。

メジャー・デビュー後のアルバムジャケットは特徴的なアニメが描かれています。アートワークは主に山根慶丈が担当しています。彼のアニメが描かれたジャケットを見る度に「tofubeatsの新曲?」と印象づく程、定番のジャケット・デザインになっていきます。
 

 tofubeatsは森高千里のファン?

tofubeatsは1990年生まれです。年代的にリアルタイムで「森高千里」を聴いてないはずです。『私がオバさんになっても』がリリースされたのが1992年なので、彼はまだ2歳です。

tofubeatsはJ-POPに対する思い入れが深く、主にハードオフで中古CD、レコードを買い漁り、作曲のイメージの参考にしていました。そこで聴いた1990年の楽曲の中で「森高千里」と出会い、ファンになったようです。

その後、tofubeats側から森高側へオファーを送り、このコラボレイトが実現します。そして、一夜限りのLIVEにまで発展しました。その時の楽曲は後にtofubeast mixとして、「森高豆腐」というタイトルでiTunes Storeで発売します。DJ MIXという形で1曲47分で繋いだ曲を是非とも聴いてほしい、おすすめ曲です。

iTunes 森高豆腐
https://itunes.apple.com/jp/album/id948635245?app=itunes
 

『水星』は、tofubeatsの代表的な作品の一つ

2010年はあちこちでこの曲が流れだし、その年の「おすすめ曲」と呼べるヒット曲になりました。アーティストの名前を言えば「ああ、あの曲の人ね」、と呼べるものがあります。tofubeatsのそれは『水星』なのです。

リミック、カバーも多数存在し、DAOKO、ラブリーサマーちゃん、映画『溺れるナイフ』の挿入歌として堀越千史にもカバーされています。

tofubeatsの多数の楽曲の中でも、誰にでもおすすめ出来る曲と言えます。

当然『水星』以外にも沢山の作品があるのですが、この曲はヒットするべくして、ヒットする要素になってしまった曲なのです。

tohubeatsは古い中古CD,レコードから日本の音楽を研究して来ているので、どういう楽曲がヒットに結びつくのか? どんな曲を作ればいいのか? ひょっとすると研究し尽くしてる可能性もあります。
 

ヒット曲の王道のコード進行

Photo bysucco

『水星』のコード進行は有名な循環コード使っています。このコード進行を使う曲は世界的にヒットする、王道の曲なのです。何年か毎にこのコード進行でヒット曲が出てきています。

一番古いところだとGrover Washington Jrの『Just the two of us』です。あとはBobby Caldwellの『What You Won't Do for Love』でしょうか。日本だと椎名林檎の『丸の内サディスティック』です。

コード進行を同じものを使っても著作権上は問題とはなりません。メロディーを同じにすると「パクり」になりますが、コード進行は問題ありません。

この循環コードで作られた曲として、2010年に登場したのが『水星』です。当然、その名曲っぷりに多くのアーティストがカバーする事になります。

メジャー前の集大成『lost decade』

『水星』のヒット後、それまでの学生生活の十年、中高大の集大成としてアルバム『lost decade』を発表します。

これまでもインターネットで活動をして来たrofubeatsです。このアルバムもMaltine Record時代から考えから、SoudCouldでフリーに聴ける音源として発表してきたこれまでに習い、SoundCloud上に現在もフルで聴ける状態でリリースされています。

SoundCloud:tofubeats - lost decade(2013)
https://soundcloud.com/tofubeats/sets/tofubeats-lost-decade-2013

著作権のグレー・ゾーンでの活動になりますが、tohubeatsは「音楽を聴く前に音源を購入すべきなのか」という疑問に真正面から取り組んで来たMaltine Recordsでの活動が起因しています。

ここから先はメジャー・デビューして行くので音源の取扱も通常の著作権を意識した活動に切り替えて行くことになります。

そういう意味でこのアルバムはこれまでの「著作権との闘争の日々」との決別の記念碑アルバムになって行きました。
 

数々のカバーやRemixを受ける名曲になっている(カバーの一部まとめ)

オノマトペ大臣 x tofubeats

tohubeatsと言えばこの曲をおすすめする人が多いでしょう。代表曲の『水星』の原曲このバージョンです。2012年にtofubeatsの旧友「オノマトペ大臣」をfeaturingして作成されます。

PVのロケ地は地元神戸をバックに撮影されています。ロケ地へのこだわりも「地元」にこだわる彼ならではです。

この曲は『KOJI1200』こと、お笑い芸人の今田耕司の音楽ユニットの曲が元ネタです。1996年にフルアルバム『I LOVE AMERICA』をリリース。そのアルバムの11曲目に収録されている曲「 ブロウ ヤ マインド ~ アメリカ大好き」を元にしたらしいです。

そちらはヒットとは行きませんでしたが、ネタの料理の仕方で名曲に変わって行くのですから、そこがtofubeatsの才能なんだと思います。

DAOKO x tofubeats

DAOKOバージョンもおすすめです。

「ニコニコラップ」出身のDAOKOは2015年にデビューします。一番有名な曲は米津玄師とのコラボ曲の『打上花火』です。

そのDAOKOの2015年のアルバム『DAOKO』の一曲目が『水星』です。ラップパートは新たにDAOKOバージョンとしての歌詞に変わっています。サビの部分以外は歌詞が完全に別物になっています。DAOKOが思い描く『水星』は新たな歌詞で歌われた新解釈版なっています。

ラブリーサマーちゃん x tofubeats

もうひとつ、おすすめの『水星』がラブリーサマーちゃん版です。

2013年、18歳の夏から音楽制作を開始したという「宅録女子」の彼女です。
本名である「愛夏」を英語読みして「ラブリーサマーちゃん」というネーミングにしたそうです。

当初は「バンド仲間を見つけるためのデモ作り」だったのですが、その完成度の高い楽曲がリスナーの耳に止まり、いつしか活動は本格化。

その後もMaltine Recordsからのリリースやtofubeats“ディスコの神様 feat.藤井隆”へのコーラス参加など精力的に活動を続け、2015年11月、満を持してアルバム『#ラブリーミュージック』をリリースした彼女です。

tohubeatsへのオマージュからこの『水星』をカバーしたと思われます。こちらは「宅録女子」である彼女のピアノ・メインのアレンジになります。

曽我部恵一BAND x tofubeats

こちらはちょっと、異色のおすすめ曲です。tofubeatsとロックは想像もしてませんでした。

サニーデー・サービスの曽我部恵一が『水星』を大変気に入り、このコラボレイトが実現する事になりました。

tohubeatsは様々なJ-POPを消化・吸収してきたトラック・メーカーなので、ロックもイケるのは驚きでした。

森高千里 X tofubeats

この曲『Don't Stop the Music』は2013年のメジャー・デビューの第一弾シングルになります。ワーナーミュージック・ジャパン内のレーベルunBORDEから発表された作品です。

これまでの「森高千里」とのコラボレートの関係もあり、遂にtofubeats作曲の楽曲を森高千里が歌うという夢が実現します。
 

竹内まりや Covered by tofubeats

一見していつもとジャケットが違います。いつもアニメ・ジャケットではなく、自身の顔出しジャケットになりました。

tofubeatsのブレイクが2013年でした。その後メジャー・デビューし、近年では『FANTASY CLUB』(2017年)と『RUN』(2018年)というアルバム・リリースを通じ、自身がヴォーカリストとしての存在感を増したきていた。

そして2019年1月に竹内まりやのカバー曲『Plastic Love』をシングルとしてネット配信リリースします。この曲も2019年の代表作とおすすめ出来る作品と言えます。

「何故、今、この曲のカバーを?」と思うかもしれません。

でも、今だからこの曲なのです。

顔出しジャケットなのも、原曲へのオマージュだと推測します。

世界的に再評価される日本の「City Pop」

この『Plastic Love』は特にYoutubeでは世界的にコピーされまくっていて、探せばあちらこちらにUPされている曲です。しかも、人気となってるのは日本以外の海外です。主に米国、アジア圏で人気が高まっています。

2017年頃から世界的に日本の「City Pop」が最評価されている中で、その第一筆頭に挙げられる曲なのです。

ですから、今、このタイミングでこの曲をカバー・リリースして、全世界で配信する事で再び、tofubeatsが注目を浴びる可能性が高まっています。

『水星』もそうですが、tofubeatsは「大ヒット」の要素に対する「臭覚」が鋭いと言えると思います。

今、世界でも注目の楽曲を2019年というタイミングでtofubeatsの解釈でリアレンジした事に意味があります。
 

原曲に忠実がアレンジだが、サウンドはtofubeats

原曲は山下達郎、竹内まりやにより作られた楽曲です。アレンジもこれ以上にないと言うくらいに緻密に練られた楽曲です。そこが原曲が評価されている部分でもあります。

おそらくtofubeats自身も偉大な日本のサウンド・クリエーターである山下達郎サウンドを解剖すべく、研究しtofubeats版に再構築し直して、彼自身が1984年リリースの原曲を2019年のデジタル・サウンドとしてリメイクする事で現代の曲として蘇りました。

驚くのは原曲もtohubeats版もどちらも、2019年に聴いてもどちらも引けを取らない、タイムレスなクオリティな楽曲である事に驚きを隠せません。

さて、このtofubeats版は世界にどれくらいインパクトを与える事が出来るのか楽しみです。

まとめ

DTMで音楽を作ってネットで発表していた少年が、平成を代表するトラック・メーカーとして人気のアーティストになったtofubeatsです。

彼のバックボーンにはいつも「J-POP」があります。しかも80〜90年の日本の音楽の影響を感じます。tofubeatsが作る楽曲は常に「メロウ」で「歌えるビート」を意識し、日本の為の楽曲を作りを続けているという事です。

DAWのテクノロジーを駆使して作られるEDMには決してならなかったのは「J-POP愛」があるからだと思います。

そう考えると、この先の「日本の音楽の進化」はtofubeatのようなアーティストが鍵を握ってるのかもしれないという予感がします。
 

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