【映画】[ALEXANDROS]がGODZILLAの主題歌を務める!曲について徹底考察

映画「GODZILLA ゴジラキング・オブ・モンスターズ」の日本版主題歌に抜擢されたロックバンド[Alexandros]の楽曲『Pray』について徹底考察していきます!ゴジラ映画のカオスな描写に壮大なロックバラードのコントラストが印象深い一曲です。

記事の目次

  1. 1.若い世代から絶大な支持を誇る大人気バンドとなった[ALEXANDROS]
  2. 2.川上洋平は昔からゴジラが好きだったらしい?
  3. 3.映画「GODZILLA ゴジラキング・オブ・モンスターズ」とは
  4. 4.映画「GODZILLA ゴジラキング・オブ・モンスターズ」の日本版主題歌として起用された『Pray』
  5. 5.映画「GODZILLA ゴジラキング・オブ・モンスターズ」の日本版主題歌『Pray』の歌詞に込められた意味を考察
  6. 6.まとめ

映画「GODZILLA ゴジラキング・オブ・モンスターズ」の日本版主題歌として起用された『Pray』

2019年5月31日に全世界同時公開された映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』の
日本版主題歌として[Alexandros]の『Pray』が起用されました。

テーマは映画の中で描かれる人々の人類愛を壮大なロックバラードで表現しています。

映画の予告映像でも次々と描写される焦燥感溢れるカオスな状況に流れる
壮大なバラードソング『Pray』の
コントラストが素晴らしかったです。

そんな『Pray』に込められた歌詞の意味について筆者なりに考察していきたいと思います。

映画「GODZILLA ゴジラキング・オブ・モンスターズ」の日本版主題歌『Pray』の歌詞に込められた意味を考察

Photo byNietjuh

僕が君に
何か渡せるものがあるとするなら

Oh 教えてほしい
何が必要で何が足りないのかを

それでも君は
一人で歩く
何もいらないと強がって

「君」に対して何かしらの助けになりたい、力になりたいと強く思っている僕と
一方そんな「僕」の気持ちを無視して進み続ける君の交じり合えない関係が描かれています。

この楽曲における「君」の位置付けには聴き手によって様々な解釈が出来ると思います。
本作品を視聴した方ならば、エマやマークといった作品の登場人物。
少し視点を変えれば、「君」=ゴジラという解釈もあると思います。
それだけではなく、普段[Alexandros]を聴いている人ならば、映画の先入観無しにシンプルな解釈が出来ると思います。

どんな立ち位置の聴き手にも多様な解釈が可能である歌詞を描くことが出来る川上洋平さん。
その作詞センスと技術に脱帽します。

相手が困っていたり、何かを必要としていたりする時の判断要因には「声」が最も重要ですよね。

言葉にすることで自分の想いを相手に伝えることが出来る。
シンプルなことですが、この「自分の想いを伝える」という行為には様々な感情が付き纏います。

困っている自分を曝け出す恥や馬鹿にされるのではないかといった不安。
これらは私たちにも共通して抱いている感情であり、共感できる人も多いのではないでしょうか。

そのような感情に押し殺されずに、自分の想いを伝えてほしいという率直な願い。
何もかもを無視して突き進む君は「強がっている」ように見えていたのです。
 

祈りたいよ 君のために
迷わないよう 光差すよう

Every time I see you hurt yourself
You try to move on with no help
だから今は Let me pray

先に英歌詞の和訳からしていきましょう。
ここでは
「いつも君が自分自身を傷つけている所を見る。
その度に君は誰の手も借りずに進もうとする。」と書かれています。

君の助けになりたかったのに、君の支えになりたかったのに
それでも君はこちらを振り返ることも無く、突き進んでいく。

ならば僕が出来ることは「祈る(Pray)」ことだけ。
届くかは分からない。効果があるのかも分からない。
それでも「君に何かをしてあげたい」という感情をこのまま抑え込むことは出来ないからせめてもの「祈り」

ゴジラの世界観では、人間の無力さ故に、この「祈り」が更に如実に伝わってきます。
死と隣り合わせの状況に陥った時、人は無力ながら「祈る」のです。

胸の奥で
どんな本音 揺らぎ
せめぎ合っているか

Oh 知る由もない
云う必要もない
君だけのものだから

それでも渡すよ
君が本当に
「何もいらない」と言えるように

心の葛藤や言いたくても言えないこと、自分だけが知っていること
それらは君以外に知られる必要も無ければ、無理に口に出すことも無い。

ここのフレーズは僕が自分に言い聞かせているように感じました。

けれど本当はそれでも本音を聞かせてほしい。

いつか君が「何もいらない」と言える日が来るまで君に何かを与え続ける。
それは”お節介” "邪魔"と言われるかもしれない。
しかし、僕が君を想う気持ちはそれほどに弱くないことを示しています。

祈りたいよ 君のために
迷わないよう 光渡そう

Every day I wish I would be there
But someday I might disappear
だから今は Let me pray

祈りたいよ
祈りたいよ

一番同様にここでも英歌詞が登場します。
ここでは以下のように述べられています。
「僕は毎日そこに居て生きていたいのに、いつかは消えてしまうんだ」

君を想い続けられるのも一生ではない。
明日には居なくなるかもしれないし、数時間後にもその可能性は0ではない。

映画の世界観に当てはめれば、まさに怪獣たちが暴れ回っている状況が想像できるでしょう。

そんな生に対して絶対などは存在しないから、
​​​​​​​君がいくら僕を必要とせずとも「祈り」続けるのです。

祈りたいよ 君のために
迷わないよう 光差すよう

Every time I see you hurt yourself
You try to move on with no help
だから今は Let me pray

祈りたいよ
祈りたいよ

歌詞中に何度も登場する「祈り」というキーワード。
楽曲でこれほど繰り返されているように、本来の祈りも一度きりの行為ではありません。
何度も何度も、状況が好転するように、今が変化するように祈り続ける。

「祈るよ」ではなく「祈りたい」という願望表現が使用されている点も、
僕が君に対する愛や情が強いことが連想出来ます。

楽曲面では、一番は主にギターとキーボードがメインで静寂が楽曲全体を包み込んでいるスタート。
そして、二番になるとドラムやベースも立て続けに入り、徐々にバンドサウンドへと変化していきます。
一番サビはキーボードだけだったのが二番サビではバンドサウンド+ストリングス系まで入る壮大さに。

この静から動への展開はまさにゴジラ映画の象徴であり、怪獣に揺さぶられる人類の心の変化をも投影しているかの様です。

間奏のギターソロではゴジラの咆哮かのように感情が込みあげてくる情動くフレーズとなっています。

ラスサビではドラムやストリングスが前に出てきて、圧巻のクライマックス感が演出されており、
楽曲全体がまるで映画の起承転結のような展開になっています。

歌詞だけでは無く、楽曲の構成なども忠実に細工が施されていて、どこまでも感動させられます。

まとめ

本記事では、【映画】[ALEXANDROS]がGODZILLAの主題歌を務める曲「Pray」について徹底考察というタイトルを元に、

映画「ゴジラ キングオブモンスターズ」の概要、ロックバンド[Alexandros]の概要、
主題歌である「Pray」について歌詞に込められた意味について解釈していきました。

映画を見た人だけでなく、
「Pray」を聴いた人にも伝わるシンプルながらも感情揺さぶられる楽曲でした。

次回作も決定しているモンスターバースシリーズと
2020年はメジャーデビュー10周年となる[Alexandros]

両方のこれからの動きに目が離せません。

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