【映画】社会的大ヒットを記録した「DEATH NOTE」、主題歌を務めるのも大物アーティストばかり!
「DEATH NOTE」は、原作:大場つぐみ/作画:小畑健の少年漫画です。2003年12月〜2006年5月まで「週刊少年ジャンプ」で連載され、単行本の累計発行部数は全世界で3,000万部を超える大ヒット作となっており、劇場版の主題歌にも注目が集まっています。
社会的大ヒットを記録した「DEATH NOTE」
物語は、主人公である高校生 夜神月が1冊のノートを拾うところから始まります。元々は死神の所有物であったそのノートは、名前を書いた人間を殺すことができる特殊な力を持った「デスノート」でした。
ノートの秘密に気付いた夜神月は、凶悪犯罪者やを次々と処刑し、新たな世界秩序の実現を目指し始めます。世界中で頻発する凶悪犯罪者の突然死、それが単なる偶然ではないと気付いた人々は、正体不明の処刑執行人を「キラ(KIRA)」と名付け、英雄として祭り上げるのでした。
自らの倫理観によって犯罪者の大量殺戮を続けるキラを逮捕するため、国際刑事警察機構(インターポール)は名探偵Lに事件の解決を依頼します。身分を隠して捜査に加わったLは、警察関係者の息子である夜神月に対して疑いの念を抱き始めることに…。
ストーリーの詳細については控えますが、手に汗握る頭脳戦と心理戦を堪能できる極上サスペンス作品、それが「DEATH NOTE」です。日本のみならず海外でも高い人気を獲得しており、現在までに数回に渡って実写映画化されています。
2006年6月に物語の前編である「デスノート」、同年11月には後編の「デスノート the Last name」が公開されました。夜神月を藤原竜也、Lを松山ケンイチが演じ、大きな話題となったことを記憶している方も多いでしょう。
また、“キラ事件”を描いた前作から10年後の2016年を舞台とした「デスノート Light up the NEW world」が、2016年10月に東出昌大主演で公開されています。
主題歌を務めるのも大物アーティストばかり?
日本国内外で大きな支持を集める「DEATH NOTE」。
映画版の主題歌を担当するアーティストも国際色豊かな顔ぶれとなっています。
日米の超大物アーティストが起用された主題歌について解説していきましょう。
Red Hot Chili Peppers
日本でも高い人気を誇る「レッチリ」ことRed Hot Chili Peppers。
現在までに全世界での総売上8,000万枚以上、グラミー賞を6度受賞するなど輝かしい実績を誇るアメリカのロックバンドです。その実績が評価され、2012年にはロックの殿堂入りも果たしています。
Red Hot Chili Peppersが主題歌を提供したのは、2006年に公開された「デスノート」と「デスノート the Last name」の2作品です。前者では“Dani California”、後者では“Snow (Hey Oh)”が使用されています。
この2曲は、2006年発表の9枚目となるスタジオアルバム『Stadium Arcadium』からのシングルカット曲です。同アルバムは2枚組の大作にもかかわらず世界中で大ヒットし、日本国内でも50万枚以上のセールスを記録しています。
日本の映画に洋楽アーティストを起用した理由として、「DEATH NOTE」シリーズのプロデューサー佐藤貴博氏は、海外の有名アーティストの力を借りて映画を世界で有名にしたい、という狙いがあったと語っています。その点において、Red Hot Chili Peppersはまさに適任であると言えるでしょう。
チャド・スミスの印象的なドラムイントロで始まる“Dani California”は、グラミー賞を2部門獲得したRed Hot Chili Peppersの代表曲のひとつです。洋楽カラオケの定番曲のひとつにもなっています。
ミドルテンポのロックソングで、アンソニー・キーディスのリズミカルなヴォーカルパフォーマンスはレッチリ節満載で聴き惚れてしまいます。歌詞は、ダニー・カリフォルニアという少女の生きざまとその死を描いた内容となっており、「カリフォルニア、安らかに眠れ」と歌い上げるコーラスは、聴く人を大きなカタルシスへ誘うことでしょう。最後の1分間で聴けるジョン・フルシアンテのギターソロはまさに名演で、ここも聴きどころのひとつとなっています。
物語の後編に当たる「デスノート the Last name」の主題歌である“Snow (Hey Oh)”は、Red Hot Chili Peppersのファンキーな側面は影を潜め、哀愁漂うメロディアスな楽曲です。
歌詞はヴォーカリストであるアンソニー・キーディスの実体験に基づいており、「生き延びること、そして新しく始めること」について歌われています。困難な状況を潜り抜け、新しいスタートをきることを足跡ひとつ無い雪面に例えているというわけです。また、アンソニーは重度の薬物中毒に苦しんでいたことから、雪は薬物の暗喩であるとも考えられます。
「DEATH NOTE」が生と死をテーマにした作品であることを考えると、“Snow (Hey Oh)”の歌詞は物語にフィットしていると言えます。
安室奈美恵
2016年に公開された「デスノート Light up the NEW world」の主題歌に起用されたのは、日本の歌姫 安室奈美恵です。
沖縄アクターズ内から選抜されたグループ"SUPER MONKEY'S"のメンバーとして活躍した後、1995年にソロアーティストへ転身。小室哲哉プロデュースでヒット曲を連発し、一躍スターダムの頂点に立った稀代のアーティストです。
その人気ぶりはまさに社会現象で、“アムラー”と呼ばれるフォロワーまで生まれるほどでした。2018年9月16日をもって引退した今も大きな人気を誇り、その楽曲はカラオケなどで歌い継がれています。
主題歌となった“Dear Diary”は、静かなピアノの調べで始まるバラード曲。不安や恐れを日記に語り掛けるというスタイルの歌詞になっています。この歌の主人公は、おそらく日常生活では他人に弱さを見せずに生きている人物なのでしょう。しかし、自分の秘めた想いをすべて知る日記に対してだけは、包み隠さずに感情を吐露しています。
楽曲の後半では、歌詞はポジティヴに展開していき、「世界をもっと良い場所にしよう」と希望を歌い上げます。その不安と希望と対比が、映画にさらなる感動を与えることに成功しています。
洋楽アーティストではなく日本国内のアーティストを起用した理由として、プロデューサーの佐藤貴博氏は、「DEATH NOTE」シリーズが海外での知名度を獲得したことを挙げ、その上で主題歌においても「日本発、世界」を実践したかった、と語っています。その点において、アジア圏でも絶大な人気を誇る安室奈美恵はまさに適任だったと言えるでしょう。
まとめ
映画版「DEATH NOTE」の主題歌を担当した日米の超大物アーティストについて説明してみました。
2006年に初めて映画化された際には、国際的な知名度が低い作品だったため、海外の有名アーティストを起用することによって日本国外でのプロモーションに役立てたいという思惑があったようです。
その戦略が見事に功を奏し、海外での認知度を高めることに成功。2016年公開の「デスノート Light up the NEW world」では、海外アーティストの知名度に頼らず、日本語の楽曲で世界へ打って出るほどに有名な作品となりました。
もちろん「DEATH NOTE」を有名にしたのは主題歌の力だけではありません。主題歌の打診を受けたRed Hot Chili Peppersのメンバーは、英語に翻訳された原作を読んでその内容を気に入り、楽曲の使用を快諾したそうです。原作自体に大きな魅力があったことは言うまでもありません。
この機会に「DEATH NOTE」を読み返したり、映画を観直したりしてみるのはいかがでしょうか? 主題歌を担当したアーティストの作品を掘り下げてみるのもいいかもしれません。きっと新しい発見があるはずです。