クラムボン・原田郁子の『やわらかくて きもちいい風』が映画「百万円と苦虫女」で脚光を浴びる!
心がほっこりする映画として評判の『百万円と苦虫女』。主題歌に起用されたのは原田郁子の『やわらかくて きもちいい風』で、柔らかい歌声と流れるようなメロディーは映画『百万円と苦虫』の世界観にもぴったりの主題歌となっています。
クラムボンの原田郁子がソロ曲で映画「百万円と苦虫女」に起用された
クラムボンのボーカル兼キーボードを務める原田郁子の楽曲『やわらかくて きもちいい風』が、日本を代表する女優として活躍する、彼女、蒼井優が主演を務める映画『百万円と苦虫女』の主題歌に起用されました。
映画「百万円と苦虫女」のあらすじとは
映画『百万円と苦虫女』は2008年7月19日に公開された作品で、監督をタナダユキ、主演を蒼井優が務めました。
この映画でタナダユキは第49回日本映画監督協会新人賞を獲得。
主演の蒼井優も芸術選奨新人賞映画部門を獲得しました。
蒼井優が演じる主人公・鈴子は就職に失敗してアルバイト生活を送っているとことん地味な女の子。
あることをきっかけに前科持ちになってしまい、出所後、実家を出て各地を転々としながら生活を送ることにします。
アルバイトをして百万円が貯まったら実家を出て、次の引越し先で百万円が貯まったらまたそこを出て次の土地へ。
次々に引越しを続ける中でいろんな人と出会いながら生きてゆく鈴子の姿を描いた青春ロードムービーです。
物語自体は全体的に静かに進んでいくのですが、オープニングのシーンで蒼井優が「シャバかぁ…」とつぶやくシーンは、ストーリーのゆったりとした雰囲気とギャップがあり印象的です。
主人公の鈴子は地味でなんだか恵まれないけど平凡な人生を送る女の子なのですが、細くて一見頼りなさそうだけど、体力や根性はありそうなたくましさを感じさせます。
その不思議なバランスを保つ鈴子というキャラクターに、派手なわけではないけどなんだか人を惹き付ける魅力を持った蒼井優は適役です。
暗いけど気が強い。
そんな性格をここまで自然に表現できる女優さんは他にはなかなかいないのではないでしょうか。
転々といろんな土地、仕事を経験していくため、OL姿から農家ファッションまで、いろいろな蒼井優の姿を見られるのもこの映画の見所の一つです。
また、引越し先で出会い、鈴子とつき合うことになる中島くんを演じるのは森山未來。
彼のあまりにも自然すぎる演技が、この映画をより魅力的にしてくれています。
鈴子と出会ってからつき合うまでの2人の絶妙な距離感、この人とならなんだか素直に笑えると心が開けていく様子もとても自然で、映画とは思えない生々しさを感じるほどの2人の演技に見入ってしまいます。
今回はクラムボンとしてではなく、原田郁子ソロ
1995年に結成され、1999年にメジャーデビューを果たしたクラムボン。
2015年からはメジャーレーベルから離脱することとなりますが、多くのファンを抱え根強く活動しているバンドです。
クラムボンのボーカルを務める原田郁子がソローデビューを果たしたのは2004年。
この年、原田郁子はシングル『たのしそう かなしそう』とアルバム『ピアノ』をリリースしました。
2008年3月5日には、映画『やわらかくて きもちいい風』も収録されている『気配と余韻』をリリース。
ソロ再始動作として注目を集めました。
主題歌は『やわらかくて きもちいい風』
『やわらかくて きもちいい風』の歌詞は、映画の主人公である鈴子の言葉や思いが綴られているようで、映画を見た上で聴くとより心に響く楽曲となっています。
歌詞から曲の意味を徹底考察
この主題歌にはどのような思いが込められているのでしょうか。
独自に考察してみましたので、解説していきたいと思います。
やわらかくて
きもちいい風
わたしの頬をなでた
だいじょうぶだよって
言われたような気がして
大きく
息をすいこんだ
鈴子がまだ故郷で生活をしている場面では、そこに鈴子を心から励ましてくれたり見方してくれる人はなかなかいません。
しかし、百万円を貯めながら転々と引っ越していく先々では、自分のことを知らなくても親切にしてくれる人に出会っていきます。
中には、自分が前科者と知ると冷たくなる人もいます。
そうしてまた次の場所に引っ越すと、誰も自分のことを知らない場所に来れたから「また大丈夫」と思うことができるのです。