【サマーウォーズ】夏といえばこの映画。主題歌には山下達郎「僕らの夏の夢」が起用されている

2019年に公開から10周年を迎え、いまなお愛され続ける長編アニメーション映画「サマーウォーズ」。毎年夏が来るたびに観たくなる「サマーウォーズ」の魅力と映画の世界観を踏襲した山下達郎の主題歌「僕らの夏の夢」を徹底考察します!

記事の目次

  1. 1.夏といえばこの映画、「サマーウォーズ」
  2. 2.映画「サマーウォーズ」の主題歌は山下達郎の「僕らの夏の夢」
  3. 3.「僕らの夏の夢」だけじゃない、山下達郎の夏ソング
  4. 4.映画「サマーウォーズ」の主題歌「僕らの夏の夢」に込められた意味を徹底考察
  5. 5.映画「サマーウォーズ」の主題歌「僕らの夏の夢」のまとめ

夏といえばこの映画、「サマーウォーズ」

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夏に観たくなる映画と言えば、人気アニメ映画『サマーウォーズ』でしょう。
アニメファン以外からの評価も高く、これを観なきゃ夏が始まらない!という人もいるほどです。

映画『サマーウォーズ』は、2008年夏に公開された長編アニメーション映画。
『時をかける少女』『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』、2018年最新作『未来のミライ』などヒット作を連発する細田守監督作品です。

観客動員数は123万人を越え、興行収入16.5億円を記録したヒット作。
第13回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞や第33回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞など、数々の賞を受賞しており、この作品が広く多くの人々に高く評価されたことを裏付けています。

とある夏に起きた、インターネットの仮想空間で巻き起こる戦いを描いたSF青春アドベンチャー!
ただしSFと言っても、その舞台は未来都市や宇宙ではなく、日本の原風景広がる信州の田舎町というのが、「サマーウォーズ」という世界観のポイントでもあります。

-あこがれの先輩である夏希の依頼で、彼氏のふりをして夏希の実家にいくことになった、物理学部の高校生・健二。
数学オリンピックの日本代表に選ばれかけるほど、数学が得意な健二は、ある時携帯に届いた暗号メールを数学の問題だと勘違いし解いてしまう。
翌日、世界一のセキュリティを誇るとされる、仮想世界OZ(オズ)が人工知能の乗っ取りに遭い大混乱。健二はその犯人にされてしまう。テロリストの手助けをしてしまった格好になった健二は、テロリストから世界を守ることができるのか?

映画「サマーウォーズ」のテーマは?

フリー写真素材ぱくたそ

「サマーウォーズ」は、人間味あふれる古き良き日本と最新のテクノロジーが共存した世界。
真希の親戚をはじめとした個性的な登場人物。そんな濃い登場人物たちに叱咤激励されながら、世界の命運を賭けて、見えない敵に戦いを挑む健二。普通の高校生と普通の田舎の一家が世界を救うヒーローになる!?

そんなアナログとデジタルが融合した世界観を描いた「サマーウォーズ」には、従来のファンタジーとはまた一味違う実存感があります。

ポスターに書かれたキャッチコピーは「つながりこそが、ボクらの武器。」
「サマーウォーズ」のテーマは、正しく“つながり(ネットワーク)”なのです。

旧来的な家族観を描きながら、次第に仮想空間で生まれる新たなつながりにスポットが当てられます。
家族とは対照的な存在である、その他大勢の他者。顔も名前も知らない他人同士が、互いを信頼することで生まれる“つながり”こそが、世界を救う鍵となります。

主要な登場人物の一人である真希の祖母、栄おばあちゃんの遺言に次のような一文があります。

「家族同士で手を離さぬように、人生に負けないように、もし、辛い時や苦しい時があっても、いつもと変わらず、家族みんな揃って、ご飯を食べること」

“家族”とは、単に血縁関係のある者同士を指しているのではないのでしょう。
健二も同じ食卓を囲んでいることからも、信頼という絆で結ばれた人と人との関係そのものを意味しているのだと思います。

実世界より遥かに広大なインターネットという世界。
私たちは、すでにその二つの世界の中で生きています。
触れ合える距離にいる家族や友人を大切に想うことは当然のことですが、果てしない数の隣人たちと、この先どのようなつながりを望むのか。
「サマーウォーズ」を観て、そんなことを少し考えてみてもいいのではないでしょうか。

映画「サマーウォーズ」の主題歌は山下達郎の「僕らの夏の夢」

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主題歌となっている「僕らの夏の夢」という曲は、2009年8月19日に発売された山下達郎44作目のシングルです。
TBS「総力報道!THE NEWS」テーマ曲として書き下ろされた楽曲である「ミューズ」との両A面シングルとしてリリースされています。
2011年8月10日に発売された13作目のオリジナル・アルバム『Ray Of Hope』、2012年9月26日にリリースされた通算4枚目のベスト・アルバム『OPUS 〜ALL TIME BEST 1975-2012〜』に収録されています。

「僕らの夏の夢」は、映画『サマーウォーズ』の主題歌として制作されました。
それまで、CMやドラマのタイアップ曲はあったものの、アニメとの接点がなかったことから引き受けるか迷ったとのこと。
しかし、製作中の映像を観て魅力を感じたこと、また断ったら主題歌はインストゥルメンタルになることを知り、引き受けないわけにはいかない!と山下達郎自身が主題歌の制作を決意したそうです。

映画公開当時、同曲のミュージックビデオが期間限定で公開されていましたが、現在は残念ながらオフィシャルな動画は存在しません。
次の「サマーウォーズ・スペシャル予告編」の動画終盤で少しだけ聞けます。

「僕らの夏の夢」だけじゃない、山下達郎の夏ソング

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山下達郎は、ビーチ・ボーイズのようなアメリカン・ポップス・ロックのミュージシャンに大きな影響を受けており、またドゥーワップの熱心なファンの一人でもあります。

音楽の趣味は幅広く、その音楽作りに対する拘りは高く評価されており、“音の職人”と称されるほどです。
そのため、ボーカル、コーラス、演奏のすべてを一人で行うことも多く、アナログからデジタルまでカバーする幅広いノウハウを持っています。

“アナログからデジタル”?
こんなところにも「サマーウォーズ」との接点が!?

山下達郎といえば、「クリスマス・イブ」のイメージから冬の印象が強い人も多いかと思いますが、実は夏の名曲がたくさんあります。
季節などの情景を写し取ることは、“音の職人”たる彼の得意分野です。
ビーチボーイズのファンであることから、特に“夏”への愛着も強いのではないでしょうか。

そんな山下達郎の、夏の匂いや空の青さを感じさせる、清涼感あふれるサマーソングをいくつかご紹介しておきます。

「高気圧ガール」

1983年4月23日に発売された10作目のシングル。アルバム『MELODIES』からの先行シングル曲で、その後ベストアルバムにも収録されています。
ANA沖縄キャンペーンソングとして、アルバムに先駆けシングル・カットされた曲で、2011年、アサヒビールのCMソングにも使用されています。

いかにも山下達郎というシティーポップ!
イントロからワンコーラス辺りまでメインがアカペラとパーカッションになっていてインパクトがあります。

爽やかで疾走感のあるサウンドと少しねちっこい達郎節が相まって、これぞ夏!って感じがします。

「悲しみのJODY(She Was Crying)」

1983年リリースの7作目のアルバム『MELODIES』に収録。
後に日産自動車のCMソングに起用されています。

夏の定番ドライブミュージック!夏のロストラブを回想した哀愁ポップスです。
全体的にコーラスワークがすばらしく、達郎のファルセットボーカルが印象的な作品です。

「さよなら夏の日」

第一生命の企業イメージCMに使用された1991年5月10日に発売された21作目のシングル。
1991年6月18日に発売された10作目のアルバム『ARTISAN』、後にベスト・アルバムである『TREASURES』と『OPUS 〜ALL TIME BEST 1975-2012〜』にそれぞれ収録されています。
アルバム『ARTISAN(職人)』は、第33回日本レコード大賞のアルバム大賞(ポップス・ロック部門)を受賞しています。

全ての演奏を自分一人で行った初めてのシングルで、本人にとっても思入れの強い作品。
夏真っ盛りの爽やかな曲とは異なり、こちらは夏の終わりの少し物悲しさを感じるバラードです。
 

「CHEER UP! THE SUMMER」

2016年9月14日にリリースされた49作目のシングルです。
同年7月21日スタートの松嶋菜々子主演ドラマ『営業部長 吉良奈津子』の主題歌として書き下ろされた作品。
ドラマの主人公は40代。そんなアラフォー、アラフィフ世代の背中を押してくれる応援歌になっています。

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映画「サマーウォーズ」の主題歌「僕らの夏の夢」に込められた意味を徹底考察

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