【映画】「ちはやふる」主題歌、Perfume『FLASH』で純度100%の青春を感じる?!

大人気作品「ちはやふる」の実写映画では、Perfumeの『FLASH』が作品の世界観に大変ぴったりだと話題になりました。こちらでは作品の内容に触れながらPerfumeの『FLASH』の歌詞を徹底考察!競技かるたの魅力にも触れてみて下さい!

記事の目次

  1. 1.超大作「ちはやふる」は全世代から賞賛の嵐
  2. 2.「上の句」「下の句」主題歌『FLASH』を歌うのはPerfume
  3. 3.舞台は高校のかるた部
  4. 4.主題歌、Perfume『FLASH』が爽やかな青春を後押ししている
  5. 5.「ちはやふる」主題歌、Perfumeの『FLASH』まとめ

それでは『FLASH』の歌詞、意味を読み解いていきましょう。

花の色が 変われるほどの
永い時の密度に近くて
フレームは一瞬 スローモーションで
一直線 光裂くように

かるたは百人一首を扱います。「ちはやふる」が人気となってから、競技かるた、だけじゃなく、百人一首への注目度もかなりアップしたそうですね。古き良き、日本の伝統、「遊び」が今この時代に注目され、親しまれていくことは大変良いことです。

さて、『FLASH』の歌詞にも、冒頭から百人一首から引用されており、百人一首に詳しい方は思わずにやりとしてしまうのではないでしょうか。

「花の色が変われるほどの」

この部分はかの有名な小野小町の句、
「花の色はうつりにけりないたづらに わが身世にふるながめせしまに」
ここから引用されているのではないかと推測します。
この句の意味は「わたしが恋や世間のことで思い悩んでいる間に、美しかった花の色は色あせてしまった」となります。
花の色、の花は桜の花をさします。また、女性の美しさ、若々しさ、という意味もあります。
「あなたのことを想い悩んでいる間に、私の美しさも失われてしまった(長い時がたってしまった)」というのが分かりやすいでしょうか。

しかしこの小野小町の句が、どちらかといえば自分の美しさが長い時の間で失われてしまった哀しみを歌っているのに対し、『FLASH』「花の色が変われるほどの 永い時の密度に近くて」は、時の流れを嘆いているのではなく、むしろ前向きにとらえているような感じがします。

「フレームは一瞬 スローモーションで 一直線 光裂くように」
「一瞬」という言葉はその前の「永い時の」との対比です。さらに「一瞬」と言いながら「スローモーションで」という言葉を使っています。
永遠に思えるほどの長い時間、しかし勝負は一瞬…この部分から想像できるのは、かるたの上の句が読まれる直前の、選手たちの集中した様子、そして読まれた瞬間にバッと手が伸び、取り札をはじく、そんな様子ではないでしょうか。
「一直線、光裂くように」はまさに、目にもとまらぬ腕の動きを表しているように感じます。実際、映画をご覧になると分かると思いますが、この描写が非常に秀逸なんですよね。それを言葉に表すとなるほど、こうなるんだ…!となります。言葉選び、運びがとても巧みですよね。


 

空気を揺らせ 鼓動を鳴らせ
静かな夜に今 火をつけるの
恋ともぜんぜん 違うエモーション
ホントに それだけなの

「空気を揺らせ 鼓動を鳴らせ」の部分は、まさに、読み手が読んでいる時の、シンと静まり返った空気、止まった時間をまさに「揺らせ、鳴らせ」と動かす様子を表しています。
「静かな夜に今 火をつけるの」はかるたへの情熱の火でしょうか、そしてそれは「恋とも全然違うエモーション」としています。

「ちはやふる」は恋愛事情ももちろん盛り込まれているのですが、メインはやはり競技かるたと、そこに情熱を注ぎこむ高校生たちのお話です。敢えて「恋とも全然違う」と入れることで、この曲は恋愛の歌ではなく、何かに取り組む人たちの集中する様、緊張感を伝えている曲だと感じさせてくれるように思います。

湧き上がる情熱、熱い想いは恋をしている時にも感じるもの。しかし今感じている感情は「恋とは違う」と言い切っています。ただ、恋ではなければなんなのか、それについては「ホントにそれだけなの」とうまく説明できないような、もどかしいような気持ちを表しています。

火花のように FLASH 光る
最高のLightning Game
鳴らした音も置き去りにして
FLASH 超える
最高のLightning Speed
速い時の中で ちはやぶる
FLASH 光る
最高のLightning Game
かざした手を弓矢に変えて
FLASH 超える
最高のLightning Game
願う 真空の間で 届きそうだ FLASH

歌はサビの部分へ入ります。

さて、そもそもflashとはどういう意味でしょうか。flashには色々意味があるのです。一番真っ先に浮かぶのがカメラのシャッターを切るときに光るフラッシュ、でしょうか。日本語に訳すなら「光、閃光」というような意味になるかもしれません。
また、他には「ひらめき」「稲光」といった意味もあります。しかしこの歌詞に歌われる「FLASH」はイメージとしてはカメラのフラッシュに近い意味かなと思います。

「最高のLightning Game」は競技かるたのことをさすのでしょう。閃光のように速い展開、それは音すらも後ろに置いて光のスピードで、選手たちの勝負が繰り広げられていきます。
しかしその速さではまだまだ満足できず、「超える」と歌っています。光の速さよりも速く、ということでしょう。競技かるたの世界はまさにそんな風景なんですよね。
そしてタイトルでもある「ちはやぶる」が出てきます。ちはやぶる、の言葉そのものは枕詞なのであまり意味はないとされますが、色々さかのぼってみると「荒々しい」という意味を持つそうです。
シンとした静寂と一瞬のフラッシュ、心は集中しつつも荒ぶり、次の瞬間を待っている、そんなイメージがわきます。

「かざした手を弓矢に」これも、札をとりに行く手のことを形容しているのでしょう。まるで弓矢が的を射貫くように、狙った取り札を外さない、そういう感じが伝わってきます。

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舞う落ち葉が 地に着くまでの
刹那的な速度に近くて
フレームは一瞬 ハイスピードで
一直線 光裂くように

「舞う落ち葉が 地に着くまでの 刹那的な速度に近くて」
落ち葉がひらひらと舞い落ちる様は決して速くはなく、ふわふわとしています。取り札に伸びる手のスピードをそれに喩え、まるでカメラのストップモーションかのように、フレームで切り取ったように見る、その様を表現しています。

取り札に選手が手を伸ばすそのスピ―ドすらもストップモーションに見える世界、選手たちの集中した様子が伝わってくるようですね。

この曲の歌詞の素晴らしいところは、言葉を途切れ途切れにして一文を長くしないことによってまるでそれがフラッシュかのような、そんなイメージを持たせているところにあると思います。

そして競技かるたの緊張感、そして呼吸をするのももったいないような気持ち、目にもとまらぬスピード、というものをなんとかして切り取って収めたい、そんな思いが伝わってくるような歌だと感じました。

「ちはやふる」の監督をつとめた小泉徳宏さんは、この曲をリクエストする際に「とある少女の、一瞬の命の輝きを切り取った曲」とオーダーしたそうです。まさにそれがそのまま表されたような歌詞が、作詞をした中田ヤスタカさんによって作られたのですね。
 

「ちはやふる」主題歌、Perfumeの『FLASH』まとめ

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こちらでは、実写映画「ちはやふる」の主題歌となったPerfumeの『FLASH』について、歌詞の意味や作品とどう関わっているか、考察などをまとめました。あわせて、映画、作品の内容などにも触れています。

映画にはそれぞれ主題歌やテーマ曲が決まっていて、作品と共にそれらも話題になります。しかしこの『FLASH』は映画と一緒に聴くことで意味が伝わり、臨場感を感じられる曲ではないかと思います。

もちろん、歌詞からだけでも、かるたをする選手たちの緊張感やピシっと張り詰めたような空気、というのは伝わるのですが、作品を見た(あるいは原作を読んだ)あとでは全く違う景色としてイメージが沸くと思います。

また、あまりPVの内容には触れていませんが、Perfumeの3人のパフォーマンスも大変素晴らしいのでPVも是非じっくりご覧ください。カンフーの動きを取り入れたキレのあるダンスが大変かっこいいです。

ぜひ、『FLASH』は「ちはやふる」という作品とセットで楽しんでいただきたいと思います。

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