【映画】「ちはやふる」主題歌、Perfume『FLASH』で純度100%の青春を感じる？！

「ちはやふる」は競技かるたを題材とした作品です。ヒロイン綾瀬千早は高校生、かるたクイーンを目指してかるたに打ち込んでおり、元々なかった「かるた部」を熱意で創りあげてしまうほどののめり込みぶり。そののめり込みぶりは「かるたバカ」と友人たちからいわれてしまうほどで、「残念美人」というキャラです。

物語は千早がクイーン戦を戦うところから始まり、その回想、という形でつづられていきます。高校生、青春ラブストーリーらしく真島太一、そして綿谷新という2人の男の子との恋のあれそれも絡んでいきますが、なんといってもこの作品のすばらしさ、見どころは「競技かるたのリアリティ、そして迫力」ここに尽きると思います。

そして映画でもその「リアリティ」は受け継がれ、表現されていました。この作品に触れるまで、「かるた」で汗をかくなんて想像もしていなかったですが、作品に触れてみると「なるほど、かるたはスポーツだ」と感じます。

読み札が読み上げられる瞬間の静寂、そして集中力。札を取りに行く瞬間の迫力…映像でも見事に表現され、こちらに伝わってきます。物語にも注目なんですがかるたの試合の様子からも目が離せません。

また、ストーリーの中でたくさんの名言も生まれました。名言が生まれ、それが話題となるほどに、「熱い」物語である、と言えるのではないでしょうか。

「ちはやふる」は競技かるたを中心にさまざまな人間模様が描かれていきますが、やはりその人間模様の中でも皆の注目は千早、太一、新、この3人による恋の三角関係でしょう。太一、そして新2人ともが千早に告白をし、千早はそのどちらにもはっきりと答えていません。

太一なのそれとも新なのとファンの間でも千早がどちらを選ぶのか、はたまたどちらともくっつかないのか、揺れている状況です。原作でもまだこの3人は決着がついていないようなのでこの先原作からも目が離せませんね。

筆者個人的には、主要キャラ3人の影に隠れるようにして描かれている大江さんと机くんの2人にも注目してほしいと思います。

3作にも及んだ「ちはやふる」、その「上の句」「下の句」をより一層、後押しする形で盛り上げたのが、Perfumeによる主題歌である『FLASH』でしょう。Perfumeの3人ともが原作、アニメのファン、というところに、偶然にも映画プロデューサーのほうから是非Perfumeに、とお話があったそうで、Perfumeのメンバーも本当に嬉しかったと語っていました。

聴きどころは、なんといっても『FLASH』の曲の雰囲気、そして歌詞が「ちはやふる」の世界観に完全にマッチしていること。実際、歌詞の中には「ちはやぶる」という言葉が何度か登場します。

「ちはやふる」とは在原業平による句、「千早ぶる神代もきかず龍田川からくれなゐに水くくるとは」の上の句の最初の部分からとっています。

「ちはやふる」は「神」にかかる枕詞であり、意味は「いち早い動きで敏捷に振舞う」となります。なんとなくですが、かるたの上の句が読まれる直前の、今にも腕が動きだしそうな、そんな瞬間を表したかのような言葉にも見えてきますね。