クラムボン・原田郁子の『やわらかくて きもちいい風』が映画「百万円と苦虫女」で脚光を浴びる!
心がほっこりする映画として評判の『百万円と苦虫女』。主題歌に起用されたのは原田郁子の『やわらかくて きもちいい風』で、柔らかい歌声と流れるようなメロディーは映画『百万円と苦虫』の世界観にもぴったりの主題歌となっています。
いつのまにか
遠くまできたんだね
流れゆく空
ゆらめく光
行く先々で、新しい生き方を見つけていく鈴子。
「いつのまにか遠くまできたんだね」という歌詞は、ふらりと少し旅をするだけでも、故郷とはまったく違った生活があることを体験していく鈴子の言葉のように感じられます。
胸のおくに
しまいこんでいたこと
もうぜんぶ
おいてゆこう
物語の中で、鈴子が”自分を見つけたくない”という自分の気持ちを明かすシーンがあります。
この映画を観た人の中には、自分は”探さなくたって、嫌でもここにいますから”という鈴子の名言が深く印象に残っているという方も多いと思います。
自分を見つけたくない。
だから、自分の本当の思いなどは「胸のおくにしまいこんで」「ぜんぶおいて」、いろんな場所を旅して行くのです。
目をとじれば うかんでくる
海と 山と ちいさなふるさと
ごめんね まだ 帰れないや
旅を つづけなくちゃ
自分を見つけたくない鈴子にとっては、故郷とは一番自分が染み付いている場所。
だから、自分を見つけたくなるまではまだまだきっと帰れないのです。
ほんとは
話したいことが 山ほどあるの
あれからずいぶん いろいろあって
手紙の返事も だせないまま
映画では、鈴子と弟が手紙のやりとりをする場面があります。
旅先でのことを報告し続ける鈴子と、鈴子が前科者になってしまったせいでクラスメイトからいじめを受けるようになってしまった弟。
もともと鈴子は、故郷の友人や弟、両親ともどこか距離感を保ちながら生きているように見えました。
しかし、離れ離れになった弟との手紙のやりとりの中では、最初は姉のことを嫌っていた弟も実は鈴子の生き方を支えにしていたり、弟からの手紙のおかげで鈴子が前を向けるようになったりもします。
たとえ辛い別れがあっても、また次の旅先で新しい人と出会って、少しずつ成長しながら生きていく。
「手紙の返事もだせないまま」ということは、いろいろな経験をしながら一生懸命毎日を生きている鈴子の姿も想像できます。
そんな彼女の内側にあるたくまさしが、ここの歌詞から感じられる気がするのです。
まとめ
鈴子が各地を転々としていくためにこの映画は国内のさまざまな場所で撮影されており、映画『百万円と苦虫女』のファンの中にはロケ地めぐりをして楽しむ人も少なくありません。
いろいろなロケ地をめぐることができることも、ロードムービーの味わい方の一つかもしれませんね。
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