【映画】「世界の中心で愛を叫ぶ」主題歌って平井堅だったの?!『瞳を閉じて』について徹底考察

平井堅の代表曲とも言える『瞳をとじて』。映画『世界の中心で、愛をさけぶ』の主題歌としても話題となったこの名曲の歌詞にはどんな思いが込められているのでしょうか。今回は、『瞳をとじて』の歌詞の意味について独自に考察してみました。

記事の目次

  1. 1.社会的名作とも呼べるほどの大ヒットを残した「世界の中心で愛を叫ぶ」
  2. 2.主題歌を歌い上げたのは平井堅
  3. 3.『瞳を閉じて』に込められた意味を徹底考察
  4. 4.まとめ
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『瞳をとじて』の歌詞には、いったいどのような想いが込められているのでしょうか。

『世界の中心で、愛をさけぶ』の登場人物や物語と重ねながら、独自に考察してみましたので解説していきたいと思います。

朝目覚める度に 君の抜け殻が横にいる
ぬくもりを感じた いつもの背中が冷たい

「君の抜け殻」とは、物語の主人公である朔太郎が忘れられずにいる亜紀の存在ではないでしょうか。

この歌で描かれている日々にはもう亜紀はいなくて、現実ではないから過去には感じていた体温も実際には感じることができません。

「朝目覚める度に」という表現から、どれだけの日々を過ごしても愛する人を失った朔太郎の傷が癒えることはなく、別れの悲しみに打ちひしがれる日々からまだまだ抜け出せない様子を想像することができます。

あの日 見せた泣き顔
涙照らす夕陽 肩のぬくもり
消し去ろうと願う度に
心が 体が 君を覚えている

強がりで凛とした亜紀が、主人公にだけ見せた泣き顔や弱い部分。

彼女の弱音を聞くたびに、朔太郎は亜紀のことをどれだけ守りたいと思ったか。

その強すぎる想いの中から、朔太郎はずっと抜け出せずにいるのです。

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Your love forever
瞳を閉じて 君を描くよ それだけでいい
たとえ季節が 僕の心を 置き去りにしても

映画の中でも、大人になった朔太郎が目を閉じて亜紀との思い出を振り返るシーンがあります。

少し瞳を閉じるだけでも、朔太郎はすぐに亜紀に会いに行ける。

それだけ朔太郎にとって亜紀はまだ過去の存在ではなく、今もずっと忘れられず心の中に居続ける存在なのです。

しかし、亜紀との想いでというのは紛れもなく過去のもの。

いまだに2人で過ごした時間から踏み出せない主人公は、過ぎていく現実に置き去りにされてしまいますが、それでも亜紀と共にいられるのならいいという歌詞は、朔太郎の想いの強さが絶妙に表現されています。

いつかは君のこと なにも感じなくなるのかな
今の痛み抱いて 眠る方がまだ いいかな

物語の中で、亜紀が「忘れられるのが怖い」と小さくつぶやくシーンがあるのですが、ここの歌詞がその場面や亜紀のその言葉を思い起こさせます。

「忘れられる」ことを怯えていた亜紀と、いつかいなくなってしまう亜紀を「忘れる」ことを怯える朔太郎。

それは言い換えれば、朔太郎にとって亜紀の存在は絶対に忘れずに大切に持っておきたいものでもあるということではないでしょうか。

2人を繋ぐ感情は切なく悲しいものですが、ここまで深く心から愛せる人に出会えたことの尊さも感じさせてくれます。

あの日 見てた星空
願いかけて 二人探した光は
瞬く間に消えてくのに
心は 体は 君で輝いてる

一瞬で消えてしまう儚い光にも縋り、ずっと一緒にいられることを願う2人の純粋さを思うと胸が締め付けられます。

そして、そんな儚い光に願っただけの瞬間でさえ、朔太郎にとっては一生心に残る大切で温かい思い出なのです。

記憶の中に君を探すよ それだけでいい
なくしたものを 越える強さを 君がくれたから
君がくれたから

これまでは、「瞳をとじる」ことによって君を探していた主人公。

それは、まだ過去にできていない君という存在をまるで今も目の前にいるように思い描こうとしているように思えます。

それが、最後では「記憶の中に君を探す」という言葉に変わります。

この変化から、主人公が痛みを乗り越えて一歩踏み出すことで、やっと君との思い出を過去のものにできたように感じられるのです。

お互いの気持ちが離れたことで別れたのであれば、自分の中で折り合いをつけられることもあります。

しかし、この物語の2人はお互いに強く思い合いながらも、逃れられない「死」という悲劇によって離れ離れにされてしまった。

だから、自分の中で折り合いをつけて愛する人のことを過去にすることはとても難しいのです。

『瞳をとじて』の歌詞には、その複雑で苦しい感情とそこから一歩踏み出して乗り越えていく姿が描かれているように私は感じました。

まとめ

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今目の前にいる愛する人を、できる限りを尽くして大切にしたい。

大切な感情に気づかせてくれるこの映画は、いつの時代を生きる人が見ても心に深く刺さるものだと思います。

死別の悲しみを乗り越えられず、ずっと過去に捉われている朔太郎。

もちろんその苦しみは計り知れないものだと思いますが、それと同時にそこまで深く愛せる人と出会えたことの幸せについても考えさせてくれます。

そして、この映画を観ると主題歌『瞳をとじて』の歌詞の意味がより強く心に響きます。

映画『世界の中心で、愛をさけぶ』は時代を超えて受け継がれるべき名作と主題歌がタッグを組んだ、最強の名作なのです。

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