【ドラマ】伝説的ヒット作、電車男の主題歌が作品にぴったりすぎる!
一世を風靡したドラマ『電車男』。オタクな主人公の純愛を描いた物語で、キャストや物語だけでなく主題歌『世界はそれを愛と呼ぶんだぜ』も注目を集めました。今回は、ドラマ『電車男』について主題歌も合わせて改めてご紹介していきたいと思います。
オタクのイメージにも大きな影響を与えたであろう、伝説的ヒット作「電車男」
2005年に放送されたフジテレビ系のドラマ『電車男』。
主役の”電車男”役を伊藤淳史、ヒロインの”エルメス”役を伊東美咲が務めました。平均視聴率は21.2%で、社会現象となる大ヒットを記録したドラマです。
「電車男」とはどんな作品だったのか
『電車男』はインターネット掲示板「2ちゃんねる」への書き込みを基にして生まれた物語で、2004年に書籍化、2005年に映画化とドラマ化がされました。
書籍は発売前から話題となり、マンガ化、ドラマ化、映画化などでさらに注目を集めたこともあって発行部数は100万部を突破。
内容は書き込まれた内容を小説風にしたものではなく、2ちゃんねるのスレをそのまま掲載した書き方となっており、普段から2ちゃんねるに親しみがない人も掲示板のやり取りの世界や表現方法を知るきっかけとなる面もありました。
実際にこの作品をきっかけに"2ちゃん用語"なるものが一気に世間に広く知られることとなり、オタク文化の大きな転機ともなったのです。
今でもオタクと言えば『電車男』が思い浮かぶという方も多いのではないでしょうか。
物語の主人公の山田剛司(電車男)は営業マンとして働くオタクで、気が弱い性格の持ち主。一方、ヒロインの青山沙織(エルメス)はお嬢様で育ちもよく、外資系の会社に勤めるOL。
ある日、沙織が電車で酔っ払いに絡まれているところを山田が助けたことから2人の関係は始まります。
助けてくれたお礼として沙織は「エルメス」のティーカップを山田に贈り、そこからネットの住人たちとのやり取りの間で沙織はエルメスと呼ばれ、彼らからアドバイスを受けながら電車男は恋を成就させるために成長していきます。
恋愛に縁のない電車男と過去のトラウマから嘘が苦手なエルメスの、不器用でもどかしくも純粋で一生懸命な恋愛に心を打たれ、笑って泣ける男性目線のシンデレラストーリーです。
掲示板でのやり取りを主軸にしたシーンなどは新鮮でおもしろく、またネットの住人には小栗旬や六角精児、温水洋一、我修院達也、なすびなど、話題のキャストが勢ぞろいしています。
他にも、山田のオタク友達を劇団ひとりが、山田の職場の上司を佐藤二朗が務めたりと、改めて見ると非常に豪華なキャストで作られたドラマなのです。
ドラマ版のオープニングのアニメーションはこのドラマのためだけに作成されたもので、そちらも注目を集めました。
サンボマスターも登場するエンディングのシーンは、終電後の秋葉原駅を貸し切って撮影が行われました。エキストラなど200人が集まり、秋葉原駅を貸し切った撮影というのは史上初だったそうです。
他にも、山田が「ケロロ軍曹」のバンダナを頭に巻いているシーンがあったり、部屋にたくさんのフィギュアが飾られていたり、小道具にもこだわられていました。中には40万円もするフィギュアが実際に置かれていたりしたようです。
内容はもちろんのこと、オープニングの演出からエンディングまで細部にこだわられた映像に込められた意味は、やはり放送から15年近く経った今でも記憶に残っています。
顔も名前も、本当の姿をお互い何も知らないネットの住人同士のやり取りと言うと温度のないやり取りといったイメージを持っている人もいるかもしれません。
もちろんネットのやり取りではそうしたやり取りもありますし、危険を伴ったりすることあります。
しかしこの『電車男』では、ネットの世界が決してそうしたネガティブな要素しか持たないものではなく、その向こうにいるのも人間であり、彼らの声を届けてくれていることもあるのだというポジティブな面をドラマの演出からとても感じることができます。
また、この話が果たして本当にノンフィクションなのかどうかについての議論もあり、不自然であまりにも出来すぎている部分が多いとの指摘もありました。
ただ、このドラマはオタク文化やネットの世界に対する肯定的な意味をうまく伝えてくれ、世間に対する影響を考えると非常に意義のある作品であったと思います。
映画版では主人公の電車男を山田孝之、エルメスを中谷美紀が務め、ネットの住人を瑛太や国仲涼子、佐々木蔵之介など豪華なキャストが演じました。
ドラマ版が放送されたのは2005年7月7日からで、映画が公開されたのは2005年6月4日。
ドラマ版の反響に伴い映画版もヒットを記録し、興行収入は37億円を突破しました。
さらに、『電車男』は舞台化もされており、電車男役を武田真治、エルメス役を声のみの出演で優香が務めました。脚本と演出を手掛けたのは堤幸彦。
2ちゃんねるから始まり書籍化、ドラマ化、映画化、舞台化までされた『電車男』は2005年を代表する作品となりました。