ショパン「雨だれの前奏曲」の難易度は?弾き方のコツを紹介!

ピアノの詩人と名高いショパン。ショパンの「雨だれの前奏曲」は美しいメロディでとても人気の曲です。今回は雨だれの前奏曲の難易度はどれくらいなのか?初心者にも出来るくらいの難しさ?という事や、上手く聴こえる弾き方のコツをご紹介致します。

記事の目次

  1. 1.ショパンの「雨だれの前奏曲」の難易度
  2. 2.ショパンの「雨だれの前奏曲」の弾き方のコツ
  3. 3.まとめ

ショパンの「雨だれの前奏曲」の難易度

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雨だれはショパンが作曲をした「24の前奏曲作品28」という作品のひとつです。

前奏曲という言葉はよくプレリュードという読み方をされていますね。
プレリュードというのは主に曲の導入や数曲から成り立つ曲の冒頭に位置される曲です。

そして今回のテーマである雨だれの前奏曲。この曲は雨だれという題名が付けられていますが、これはショパンが名付けたものではありません。ショパンと恋人関係にあったフランスの女流作家のジョルジュサンドという方が題名を付けました。

雨だれの難易度

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それでは、雨だれの難易度についてご紹介致します。
楽譜を見るとフラットやシャープが沢山付いているし難しそう…と思う方も多いかもしれません。

雨だれの前奏曲は普通にピアノを勉強しているという方を対象にすると中級程度の難易度です。

フラットが5つ付いている変ニ長調という調ですが、この調の曲自体が初心~中級ではあまり無いので慣れない方だと大変かもしれません。

少し譜読みが難しいところもありますが基本的に同じ動きやメロディが続き、音数も多くはないので覚えてしまえばスラスラと出来るようになるかと思います。

雨だれの前奏曲はピアノを弾くことにも慣れてきて色んな曲を弾いてみようという方におすすめの曲です。この曲を知っている人も多いので発表会用の曲に選ぶのもおすすめですね。

ショパンの「雨だれの前奏曲」の弾き方のコツ

ここからは雨だれの前奏曲を弾いてみたいという方に向けて、どのように弾いたら上手に聞こえるかという弾き方のコツを解説していきたいと思います。

ご紹介した動画を参考に、雨だれの前奏曲のイメージを膨らませながら弾いてみてくださいね。

序盤8分音符を優しく弾く

雨だれは最初から最後まで連続した8分音符の伴奏が続きます。
この8分音符の動きは、音楽家やピアノを弾く人たちから雨がポツポツと降る様子を表しているようだと言われています。

序盤では左手の伴奏で8分音符を弾きますので、伴奏が主張しすぎないように優しく静かに弾いてみてください。ポイントは、左手の動きというのは気を緩めると少し雑に聞こえやすいので、柔らかい音で弾いてみようと意識することです。

和音が入っていたり複雑な動きも多い箇所ですが、右手のメロディと合わせて弾くと自然と静かに弾けるようになります。

中盤からの左手は力強く弾く、右手は少し抑えめに弾く

中盤は雰囲気がガラッと変わり、変ニ長調からシャープが4つ付いた嬰ハ短調に転調します。

ここからは基本的に右手が伴奏で左手がメロディという形になります。ここの所は雨だれを一曲通して演奏する上で、緩急をつけるための大事な箇所となります。

ここでのポイントは右手の伴奏は強くしすぎない事と、ピアノ(弱く)からのクレッシェンドで曲の盛り上がりを表現し、フォルティッシモで左手のオクターブを力強く弾く事です。

右手は聞き手だという方も多いのでどうしてもバランス的に強くなりがちになってしまいますが、ここでは連続している8分音符の動きなので強く弾いてしまうと右手の音がうるさく聞こえてしまいます。ですので、右手の伴奏は気持ち弱めで弾く事を意識してみてください。

左手はこの場面ではメロディとなり主役です。和音の展開がどんどん広がっていくように徐々にクレッシェンドをします。そして下図のフォルティッシモでオクターブを弾く所はしっかりと強く、重々しく弾いてみてください。

序盤の雨が降り始めた時のようなしっとりとした雰囲気を変えて、雲行きが怪しくなり雨や風が荒くなっていく様子をよく表現してみてください。

終盤は和音の響きを聞かせて、右手のメロディを歌いながら終わる

終盤は右手が和音を弾きながら8分音符の伴奏も同時に弾くという、少し難易度が高い形となっています。

ここの譜読みの仕方は、まず指番号をしっかり確認しながら和音の弾き方を覚えます。

和音を弾きながらの8分音符なので手が小さい方は難しいかもしれませんが、ペダルを上手に使いながらゆっくりと弾けるように練習してみてください。

和音の形も変化していくのでその響きを大切に感じながら、終わりに向かっていきます。

最後は始めの調に戻り、最初と似たメロディを弾いていきます。このメロディは最初よりもたっぷりと歌いながら穏やかな気持ちで弾いてみてください。

そして最後まで続いた8分音符もritenuto(急に速度を緩める)をして雨だれの前奏曲が終わります。

雨が降る様子や全体的な曲のイメージを作りながら弾く

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雨だれの前奏曲で一曲を通して意識するのは、題名の「雨」をイメージしながら弾いてみる事です。

曲の始めはしっとりと雨が降っている様子、中盤は激しい雨の様子、終盤は雨が上がっていくというイメージを持ちながら演奏してみてください。

ショパンは情景が浮かぶような曲が多いので、雨を表現をしながら弾いてみるととても上手く聞こえるのではと思います。

イメージをして弾くのも大事ですが、この曲はテンポをきっちり守りながら演奏しなくても大丈夫です。
テンポがバラバラにならない程度にところどころ抑揚をつけて弾いてみると良い演奏に繋がります。

まとめ

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ショパンの雨だれの前奏曲の難易度や上手く聞こえるための演奏のコツをご紹介致しました。こちらの記事で弾いてみたいと感じてもらえたら嬉しいです。

雨だれはそこまで難しくはありませんが、イメージを膨らませたり表現することを意識すると、曲を完成させるまでに時間がかかるような奥深い曲ですね。

弾いていても聞いていても癒されるような曲なので、ぜひレパートリーに加えてみてはいかがでしょうか。

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