自宅でボイトレ!上達必至の練習方法のご紹介完全版!
声に自信がありますか?自分らしい声で歌えていますか?今回はボイストレーニング未経験の方に知ってほしいボイストレーニングの意義と魅力について、併せて自宅でも簡単にできる練習方法をご紹介。自宅で大きな声は出せない?ご安心あれ!声を出すだけがボイトレではありません。
姿勢を整える「壁立ち」
ボイストレーニングにおいて、最初に指導を受けるのは姿勢です。
姿勢は、生活習慣の中で癖がつきやすく、意識的に改善しないとどんどん酷くなります。
自分にとって楽な姿勢が、必ずしも呼吸しやすい、声が出しやすい姿勢とは限りません。慣れてしまっただけで、実は体に負担が掛かっていることも多々あります。
日常的に疲れやすいという方は、姿勢に原因があるかもしれません。
今すぐ簡単にできるエクササイズ!筋肉の癖を取る“壁立ち”をおすすめします。
「頭(後頭部)・肩(肩甲骨)・お尻・かかと」を壁に付けて立ちます。ただそれだけでOK!
最初は3分~5分、時間があればもう少し続けてもいいです。疲れてくるとお腹が前に突き出て、顎が上がってくるので注意。ゆっくり呼吸しましょう。
無理に良い姿勢を取ろうとせず、肩や背中の力を抜き、背骨が自然なS字になるようにします。
つま先だけで踏ん張っている感じがする人は、できるだけ足裏全体で床を踏み、首からかかとまでが一直線になるように意識します。
姿勢が崩れていると、どこかしらが辛くなります。
全身に力が入らないよう、できるだけ無駄な力を抜きリラックスしてください。
続けていくうちに痛みやだるさが軽減していき、とても身体がスッキリするのが実感できるでしょう。
腰痛や肩こり、胃腸の不調などの改善にも効果ありです。一日一回の習慣にしてみては?
この練習で期待できる効果
- 重心が整い、身体が力みにくくなる
- 胸郭が広がり呼吸しやすくなる
- 頭、肩、首の位置が正常になり声が出しやすくなる
声帯閉鎖の感覚をつかむ「エッジボイス」
エッジボイスは、よく歌の上手い人が歌い出しなどで出す歪んだ音で、「あ゛あ゛ あ゛…」という少しガラガラした声の出し方のことです。
歌唱テクニックとしても用いられる声でもあり、また声帯の閉鎖力を鍛えたり、調整したりする発声練習でもあります。
エッジボイスを出すためには、声帯を閉め過ぎず、緩め過ぎず、適度な閉鎖を維持しなくてはなりません。
閉鎖が強いと息が流せず声が出せません。逆に弱すぎると息の音しかしません。
また、呼吸が浅かったり不安定な人も、この声は上手く出せないはずです。
力を入れないと上手く声を出せない人、すぐに喉が痛くなり声が枯れてしまう人、息もれが強い人などは、このエッジボイスで声帯閉鎖の感覚をつかみましょう。
すぐにエッジボイスが出せる人は、長く、また音程を少しずつ上げ高めの音でも出せるように練習します。
短くしか出せない人は、しばらく出しやすい低い声で練習。30秒以上続けれるようであれば高い音にチャレンジしてください。
エッジボイスの出し方がよく分からない人は、“うがい”を想像してみましょう。
水が気管に流れ込まないように声帯を閉じます。
でも「ガラガラガラ…」としたので、少しだけ声帯を緩め、透かさず息を吐きます。
声帯を強く閉鎖したままでは息が吐けず、緩め過ぎたり、息を流し損ねたらむせかえってしまいます。
イメージは伝わりましたか?ひとまず“エアうがい”でコツをつかんでください。
この練習で期待できる効果
- 無駄な力が抜け声帯への負担が軽減する
- 喉を傷めずに強い声が出せる
- 声帯の閉鎖力が鍛えられ高音が出しやすくなる
- 地声から裏声に切り替わる換声点がスムーズになる
振動と共鳴を感じる「ハミング唱法」
少しくらい歌も歌いたいですよね。そんな時はハミングで歌う練習をしてみましょう。
ここでのハミングは、軽い鼻歌のことではなく、口を閉じた状態で歌うという意味です。普通に歌っている時と同じように、声帯をしっかり閉鎖してハミングします。
口から息を吐かない分、息が少量で済むと思ったら大間違いです。口腔内で調音しないため阻害が少なくなり、むしろ息が足りなくなります。
また、呼吸をしっかり流すことが出来ないと、極端に喉で音程を取ってしまうのが分かるでしょう。
自宅では近所迷惑になるため、声を抑えて歌う練習をしていませんか?
残念ですが、十分な発声力がない人が小さな声で歌ってもほとんど練習になりません。ちゃんと歌おうとしたとき、体感が想像できず力んでしまうだけです。音程も取りにくくなります。
ハミングであれば、それほど大きな音量にはならないのでギリギリ自宅でも歌えるのでは?
何より、呼吸の流れや振動そのものを感じることができ、体を“響かせる”という練習ができます。
呼吸が浅く十分に息を流せない人、振動や共鳴が弱く幼い声になってしまう、歌に立体感が出せない、喉で音程を取り音がブツブツと途切れてしまう。そのような人に実践してほしい自主練習の一つです。
この練習で期待できる効果
- 深い呼吸で呼吸をコントロールする感覚がつかめる
- 声帯の閉鎖力を上げ、息もれを抑えることができる
- 鼻腔共鳴を強めるため、声の響きが良くなる
声帯筋を鍛える「ファルセット練習」
裏声には、主にファルセット、ミックスボイス、ヘッドボイスの3種類があります。
その中で最も息もれが強い柔らかい裏声がファルセットです。
高音を出すため、とかくミックスボイスを出したがる日本人が多いですが、先に声帯周りの筋肉を鍛えるためファルセットの練習をすることをおすすめします。
ファルセットを出すことにより、声帯を伸縮させる筋肉である“輪状甲状筋”を鍛えることができます。
声帯をしっかり引っ張れないと裏声を含む高音域は出せません。
喉を傷めないファルセットでしなやかな声帯筋を手に入れましょう。
息をたっぷり吐いたファルセットを出していても、当然声帯は振動しています。
あまりにも息もれが酷いようなら、喉を触って、もう少し振動を強めてみましょう。
また、振動を最大まで上げ、息の音がしなくなったものがミックスボイスになります。ミックスボイスの練習がしたい人も、事前にファルセットを十分に練習してから行ってください。
通常地声で歌っている曲をファルセットで歌ってみたり、何かの文章をファルセットで読む練習をします。
大きな声にならなくてもいいので、安定したファルセットボイスを維持できるようにしてください。
この練習で期待できる効果
- 声帯コントロールが上達しピッチが改善される
- 声帯を引っ張る力が強まり高音が出しやすくなる
- 歌唱技術としてファルセットやミックスボイスが使えるようになる
自宅ボイストレーニングで上達を早めるコツ
歌う練習はしっかり声を出せる環境で行うべきです。
ですから、自宅で行うのは歌うための準備、または歌った後のコンディショニングと考えてください。
声は、一人に一つ与えられた特別な楽器であり音色です。この繊細な楽器は、もし壊れても買い替えることができません。
ですから、ぜひ専門家のサポートを受けていただきたいとは思うのですが、たとえレッスンに通ったとしても、やはり日々のトレーニングは欠かせません。
何はともあれ、コツコツ積み重ねていく練習こそが、いずれ大きな成果につながるのです。
レッスンでしか行えない練習、しっかり声を出してやるべき練習があります。同じように自宅でできる練習もあります。
環境や条件に合わせ、適宜にトレーニングを選択してください。
毎日歌っても、必ず歌が上手くなるとは限りませんが、毎日のストレッチや筋トレで体は確実に変化していきます。
また、継続して行う練習の中でこそ、上達や成長のカギとなる“気付き”があります。
継続して行うトレーニングでのポイントは、“目的を明確にしておくこと”と“経過の観察と分析をする”ことです。
簡単な筋トレであっても、「〇〇のために××を鍛えている」と自覚して行う。
その他の練習でも、「前回よりも〇〇が感じられるようになった」とか「以前に比べ××が変わってきた」などと、自分なりに分析してみましょう。
呼吸や姿勢などは、日常の中で改善していくことが大切です。ボイトレは、少し意識すればいつでもどこでもできます。
特別なトレーニングができなくても、少しだけ歩く時間を増やしてみたり、一日に数回深呼吸してみたり…これらも立派なボイトレの一部と考えましょう。
自宅でボイトレのまとめ
ボイトレは、普段ほとんど意識することのない呼吸にアプローチするトレーニングです。
具体的なメソッドは、目的に応じて異なりますが、共通しているのは、呼吸を含めた心身のコントロール!
年齢や職業に関係なく、すべての人に有益なトレーニングなのです。
いくら専門性の高い知識や技術を学んでも、それを活かした訓練をしなくては身に付きません。
何を身に付けるにしても、頻度が低ければ学習や練習の強度は下がります。生身の体であれば、なおさら時間を掛けて落とし込まなくてはなりません。
そのためにも、手軽に、だけど実直に行う“自宅ボイトレ”は有益です。
ほとんどの人が毎日声を使います。
そして、少しずつその声は変化しています。
その変化を受動的ではなく、能動的に起こしていくのがボイストレーニングです。
“声は心を映す鏡”とも言われています。
心と体、その両方と深く結びついている呼吸をコントロールすることで、あなたの声にあなた自身が映し出されます。
声を鍛えて損はありません。
生命力を感じる声、あなたの個性あふれる声をボイトレで磨いてください。
- 1
- 2