自宅でボイトレ!上達必至の練習方法のご紹介完全版!
声に自信がありますか?自分らしい声で歌えていますか?今回はボイストレーニング未経験の方に知ってほしいボイストレーニングの意義と魅力について、併せて自宅でも簡単にできる練習方法をご紹介。自宅で大きな声は出せない?ご安心あれ!声を出すだけがボイトレではありません。
ボイストレーニングって何するの?
ボイストレーニングと聞いて、最初に思い浮かべるのは発声練習でしょう。
先生がピアノを弾き、その隣で指示された音階に合わせ「ア~エ~イ~…」などと声を出す練習。
確かにこれもベーシックなボイストレーニングの一つです。
ですが、発声練習のような声を出す練習だけがボイストレーニングでありません。
ボイトレには、歌のためのボイトレ、話すためのボイトレ、健康増進のためのボイトレなどがあり、具体的な内容は講師の専門性や対象者の目的により異なります。
歌うことをメインにしているレッスンは音楽(ボーカル)の講師が、話し方なら元アナウンサーや司会業などをされている方、健康増進が目的の場合は医療関係者の方が講師をされていることもあります。また演劇系であれば、役者や演出家の方が指導しています。
同じ声を扱うプロでもさまざまな分野の講師がいるわけですが、共通しているのは、“呼吸がしやすく、より声を響かせやすい身体”を作るための指導を行うということです。
その上で、各専門性によって、調音(発音)練習、声量や音域を向上させるトレーニング、歌であれば音程やリズムの強化、歌唱に必要な技術の習得などを図るトレーニングが加わります。
指導できる内容と範囲は講師によってかなり差があるため、ある程度目的がはっきりしている場合は、やはりその分野の専門家に師事するのが良いでしょう。
声を鍛えるのがボイストレーニング?
「気持ち良く声を出したい」
「若々しい声を維持したい」
「もっと歌が上手くなりたい」
ボイトレを行うきっかけや目的は人それぞれだと思います。
ですが、どんな声を出すにしても、まずは呼吸です。
上手く息も吐けない状態で、気持ち良く声が出せるはずがありません。
たとえ大きな声を出せても、乱暴な呼吸はやはり乱暴な声になるだけです。
声を出しやすくするためには、呼吸のしやすい身体をつくることが先決!
もちろんブレストレーニングだけで“いい声”になるわけでも、“歌が上手くなる”わけでもありません。
声帯の閉鎖力を上げるトレーニングや共鳴を増やすトレーニング、的確な音声(音程や音質など)を生成するためのトレーニングなど、ボイトレでやることは盛りだくさんです。
一言で言えば、声をコントロールするためのトレーニングがボイストレーニングということになります。
そして、声をコントロールするための土台として、やはり呼吸のコントロールが必須になります。
たくさん声を出すだけで声が鍛えられるわけではありません。
声帯に負担がかかるような声を出し続ければ、喉を傷つけ、声は劣化する一方です。
ボイトレは、声を鍛えるためだけでなく、声を守るためのトレーニングでもあります。
ボイストレーニングで大事なのは呼吸!
普段、呼吸は無意識下で行われています。
そんなの当たり前?そうですよね。
うっかり呼吸するのを忘れてそのまま…なんてことがあったら大変です。
私たちの身体は、常に生命を維持するために働き続けています。呼吸もその一つです。
呼吸は生命と直結しています。
心臓が動き続けるように、呼吸も維持されているからこそ生きることができます。
でも呼吸は、命に係わる重要な機能でありながら、唯一意識的な働きかけが許されています。
言うまでもないことですが、心臓の動きや血流、体温などを自由にコントロールすることはできません。
体調や生活習慣の影響で変化することはあっても、自発的に変化させることはかないません。
では呼吸はどうでしょう?
一時的に止めることもできれば、速く吐くことも、ゆっくり長く吐くこともできます。
少し大袈裟な言い方をすれば、呼吸を介して生命への働きかけが可能だということです。
自宅でのボイストレーニングの意義
一般的に、ボイストレーニングは歌や演劇のレッスンを受けている人、声を使う職業の人が行うトレーニングというイメージがあると思います。
でも本来ボイトレは、呼吸や声を鍛え、守り、コントロールするためのトレーニングです。
すべての人が呼吸し、健康であれば誰もが日々声を使って表現しています。
ですから、ボイトレは決して一部の人にだけ必要なトレーニングではありません。
人は他者と関わる時、その人の服装や姿勢、しぐさや表情、声などから多くの情報を得ています。その情報は他者と円滑なコミュニケーションを図る上で欠かせません。
相手の声から、年齢、職業、出身地、性格、その時の体調や気分、自分に対して好意的かどうかなどを感じ取った経験がありますよね?
とくに初対面であれば、その人とどのように接するべきかを瞬時に判断しなくてはならず、その印象形成に“声”は大きな割合を占めています。
私という個人を形作っている重要な要素。
そんな“声”を生み出しているのが、“呼吸”であり、私たちの“身体”です。
ボーカリストでなくても、この身は唯一無二の大切な楽器です。
呼吸や姿勢などはそれぞれの生活環境や毎日の習慣で癖がついてしまいます。
週に5日レッスンに通ったり、毎日スタジオやカラオケで声を出すことは現実的に難しいでしょう。
ならば、自宅で毎日できる練習が必要です。楽器をチューンナップするトレーニングがそれに当たります。
呼吸法や筋トレのような地味な練習ほど、継続して行うことが大事!
レッスンを受けている人もそうでない人も、自宅ボイトレで、歌うための身体、楽器そのものを磨いていきましょう。
自宅でも効果的なボイストレーニングはできる!
先程もお話ししたように、ボイストレーニングは声を出すトレーニングだけではなく、自宅でできる練習もたくさんあります。
どんなこともコツコツ積み重ねていくしかありませんから、むしろ自宅で行うトレーニングはとても重要です。
大きな声での発声練習は自宅向きではないので、呼吸のコントロールを中心にしたトレーニング方法を最初にご紹介したいと思います。
これらは初心者から上級者までが行う基礎練習です。
ちなみに基礎練習というのは、ウォームアップや最初の頃にだけやる初心者向けの練習という意味ではありません。
長期に亘ってやり続ける練習のことです。
なぜなら、心も、体も、声も、歌も、日々変化し続けるからです。変化し続ける生身の楽器は、面倒ですが常にメンテナンスやチューニングなど微調整が必要なのです。
とくに歌の場合、指導者による適切なサポートがないと行えない練習も多いため、今回は一人で行っても支障のない簡単なトレーニング方法を紹介します。ですが、どれも大切な基礎練習であることを忘れないでください。
自宅でボイトレ基礎練習!簡単ストレッチ&ブレストレーニング
声をコントロールしたいなら、その前に呼吸のコントロールから!
まずは一人でできる、声を出しやすくする(呼吸しやすくする)簡単なストレッチとブレストレーニングから始めましょう。
横隔膜ストレッチ
横隔膜の上下運動による横隔膜呼吸のことを一般的に“腹式呼吸”と呼んでいます。
手始めに呼吸筋の中でも、最も重要な“横隔膜”のストレッチから始めましょう。
肺はゴム風船のようなもので、肺そのものは呼吸運動しません。肺を動かし、呼吸させているのは呼吸筋になります。
横隔膜は胸郭の下部にあるドーム型の筋肉で、収縮すると胸腔を広げて空気を取り込み、弛緩すると胸腔が狭まり、空気が排出されます。
横隔膜が硬くなると、背中や肩が凝り、呼吸が浅くなってしまいます。この後に紹介するブレストレーニングの前に行うと効果的ですね。
横隔膜がどこにあるのかチェックして、直接マッサージするのも良いです。これはどこででもできて簡単です。
横隔膜がほぐれたところで上体をひねったり、伸ばしたりします。とても気持ちの良いストレッチになります。詳細は動画をご覧ください。
体幹トレーニング~腹筋~
次は体感を強化するためのトレーニングです。
無駄に体を力ませず、しっかり声を支えるためには強い体感が必要です。
体幹を鍛えるトレーニングはさまざまありますが、最もベーシックな腹筋のトレーニングから!
腹筋は苦手…という人もいると思いますので、筋力のない方でもできる方法をご紹介します。
こちらは、ボディーコントロールの基礎練習にもなります。楽々できる方は回数を増やして強度を上げてください。
自宅でテレビを見ながらなど、座ったついで、寝転がったついでにやってみましょう。
どんなストレッチや筋トレをする場合でも、息を止めることのないよう、呼吸と連動させて行ってください。
ブランコ呼吸法
デスクワークなどが中心の方は、気付けば呼吸が浅くなりがちです。本を読んでいる時やゲームに夢中になっている時も呼吸は浅くなります。
よく溜め息をつく人も要注意。そんな方は、次の呼吸法で深い呼吸を練習しましょう。
- 仰向けになり楽な姿勢をとります
- 自然な呼吸をしばらく続け、呼吸に意識を集中させます
- 「フ~~」と長めに息を吐き、吐き切ったと思った時にもう一息吐きます
- 力を緩め自然に鼻から息を吸い込みます
- 吸い切ったところでもう一息吸います
- 連続でなくても良いので、これを何度か繰り返します
吐き切ったと感じたところでもう一息吐き、吸い切ったと感じたらもう一息吸う。ブラコンを漕ぐ要領です。
横隔膜をしっかり使うので、しばらくするとお腹周りが温かくなってきます。リラックス効果も高いので就寝前がおすすめです。
4.・4・8呼吸法
こちらも、深く呼吸するためのブレストレーニングの一つですが、より呼吸のコントロールを意識しながら練習してください。
椅子に座ったまま行うので、職場や学校の休憩時間にも手軽にできます。
- 椅子に浅く腰かけ、全身の力を抜き前屈します
- 胸が膨らまないように、ゆっくり深く呼吸します
- 脇から腰辺りが膨らむように、4拍かけて吸います
- 腰回りを膨らませたまま、4拍息を止めます
- 「ス~」と軽く音立てながら、8拍かけて吐き切ります
- “4・4・8”を1セットとして4,5回繰り返します
椅子に座っていることでお腹が圧迫されているため、呼吸量が少ない人でも腹式呼吸を練習しやすいと思います。
胸が膨らまないよう、横隔膜をしっかり押し下げ、背中に息を吸うイメージで呼吸してください。
慣れてきたら、4拍かけて吸っていたのを2拍(2・4・8)や1拍(1・4・8)にして同様に練習してください。短い拍で吸った時に浅い呼吸にならないように呼吸をコントロールしましょう。
自宅でもできる!歌のためのボイストレーニング
それでは、もう少し“歌”に軸足を置いたボイストレーニングに入りましょう。
どちらにしても、発声練習の類は自宅では難しいと思うので、目的を絞った練習方法をご紹介します。
もちろん歌以外でも、声を鍛えるのに役立つ練習になると思います。