ショパンの「幻想即興曲」の弾き方とコツと練習方法を解説！

ポイント③は曲の緩急をつける事です。
序盤は流れるように速く、中盤は雰囲気を変えてゆったりと歌うように弾き、そして終盤にむかう…という風に一曲を通しての仕上がりに緩急をつけてみると、曲としてとても素晴らしいものになると思います。

特に中盤はショパンらしいメロディの綺麗さが際立っているところなので、美しさを感じながら優しく弾いてみてください。

サラッと弾く所、アクセントをつけたり低音を響かせる所、歌いながら弾く所、…とあると聞いていても上手く聴こえて、飽きが来ない演奏となるのでおすすめです。

幻想即興曲は右手だけ、左手だけをすごく速く弾けたから両手も上手くいくという事は無いです。

この曲は序奏-A-B-A-codaという構成になっていて、Aの速いパッセージの箇所、Bのメロディアスでゆったりの箇所どちらも右手と左手のリズムが違います。

幻想即興曲は両手を合わせた時の音の混ざり方が1番の難所なのではと思います。
もちろん片手でスラスラ弾けるようにするという事は大事ですが、どちらかのリズムが染み付いてしまうと両手にした時に「弾きづらいな」となりやすいです。

初めに片手で練習をする時に、もう片方のリズムを意識して心の中で刻みながら弾いてみると両手にした時にやりやすいと思います。

両手で演奏する時にごちゃごちゃにならないように少しずつゆっくりで大丈夫なので、片手のリズムを感じながら両手で弾く事にも慣れてみてください。

上記では両手の演奏に慣れていくようにと書きましたが、具体的にどのように合わせたら良いか迷う方も多いと思います。

特に左手のリズムにつられて演奏をしてしまい、なかなかコツが掴めない方もいると思います。この左手のリズムに惑わされないように、弾けるようにしていきましょう！

構成Aの部分で右手と左手のリズムがどうなっているか分解していきましょう。

一小節の中で右手は全て16分音符(休符)、左手は6連符が2つ続いています。
これは両手をバラバラのリズムで弾くというわけではなく、ちゃんと合わせるところは合うようになっています。

この赤い線で分かれているように、右手の16分音符を4つ弾いている時に左手は6連符のうちの3つを弾きます。

おそらくですが、幻想即興曲を弾くまでに左手は3連符で右手は16分音符4つなど、右手と左手の拍が違う曲を何曲か経験しているのではと思います。
その感覚を思い出しながら1、2、3、4拍目の頭を合わせるように意識して、ゆっくりから弾いてみてください。

右手16分音符と左手6連符を合わせるとこの上の図のような考え方になります。
この弾き方をたくさん練習すると、段々と両手のリズムが違う弾き方に慣れてくるのではないかと思います。

幻想即興曲は両手のリズムが合わないという所が1番の難点で、1回つまずくと苦手意識がついてしまい、難しくて弾けないなとなりやすいです。

でも、しっかりとリズムを考えて少しずつ出来るようにしていくと、幻想即興曲らしい不揃いで美しいメロディを弾けるようになるので、沢山練習してみてください。
 

練習方法としておすすめなのが、今日練習するところはここまでと決めて、それ以上はやらないという方法です。

自主練習に慣れていない方にありがちなのが、あまりに弾きたいがために出来ていないのに次へ次へと弾いてしまうというやり方です。

このやり方だと出来ないところばかりが増えてしまい、一曲通して弾く事が出来ないとなってしまいます。「自分ってあんまり弾けないのかも？」と思いやすくもなってしまうので、ゆっくりと練習していきましょう。

幻想即興曲は特にリズムだったり速い弾き方が難しいので、そこがちゃんと出来るようになってから次へ進むというのがおすすめです。

逆に言うと難しいリズムや速い弾き方に慣れれば、次の小節も同じリズム、速さなので、どんどん次に取り掛かることができます。

初めに確認しておきたいのは
譜読みをする音に間違いが無いか
指番号は正しいか(弾きやすい指番号か)
の2つです。

幻想即興曲は速いパッセージが続くので、音に間違いがあったり指番号が変だとだんだんと速くしていく時に弾けないとなりやすいです。譜読みの時にこの2つは必ず確認してみてください。

そして1小節できたら次へ…と少しずつ進んでいくと身に付いていきやすいです。

この練習方法は幻想即興曲以外の曲でもおすすめで、初心者の方にもやりやすい方法なので、ぜひ取り入れてほしいと思います！

幻想即興曲の難易度、上手く聞こえる弾き方や練習方法のまとめでした。
幻想即興曲はたくさん考えだすと難しく思える曲ですが、弾けるようになると易しく感じる曲だと思います。
この曲はピアニストからの解釈も人それぞれで、情感たっぷりに弾く方もいれば、とても速く弾く方もいます。どんな風に弾いていきたいか、色んなピアニストの演奏を聴いて参考にすることもおすすめです。
幻想即興曲をマスターしてカッコよく演奏出来ることを目指せるように、少しずつコツコツと練習していきましょう！