【劇場版ポケットモンスター】ミュウツーの逆襲の主題歌は名曲だった!
大人気ポケモン映画「ミュウツーの逆襲」のエンディングテーマ、『風といっしょに』を歌うのは演歌界の大御所、小林幸子でした。ポケモン映画と小林幸子とのコラボは一体どうだったのでしょうか?『風といっしょに』の歌詞など考察します!
素晴らしい作品、そして音楽というのは年月を経ても色あせないものです。名作、名曲と言われるものはそういうことでしょう。
小林幸子の歌う『風といっしょに』はそういったタイプの曲ですし、「ミュウツーの逆襲」も間違いなくそのタイプの作品でしょう。
事実、『風といっしょに』は公開から21年たっても未だに人気が高く、コンサートで歌うと号泣する人がいたりと盛り上がるそう。明らかに演歌ファンではない層も訪れてくれるようになった、と小林は語っており、名作、名曲というのは時もファン層も越えてくるのだと分かりますね。
中川翔子にしても、自分が幼い時に聞き、勇気づけられたきた曲を21年後、大人になった自分が一緒に歌うことになるとは思ってもいなかったでしょう。
「ミュウツーの逆襲」「ミュウツーの逆襲 EVOLUTION」のエンディングテーマ、『風といっしょに』とはまさに奇跡の固まりのような名曲、といっても過言ではありません。
それでは次からは、『風といっしょに』の歌詞を、意味を考えながら考察していきたいと思います。
21年たってもファンを魅了し続ける『風といっしょに』とはどんな曲なのでしょうか。
ポケモン映画主題歌、小林幸子の『風といっしょに』に込められた意味を考察
感動的なPVも魅力
小林幸子と中川翔子による『風といっしょに』のPVは、その内容も感動的だと話題になりました。
コンセプトとしては、中川翔子が執筆、「コロコロアニキ」に掲載したポケモンとの出会いの漫画が元に作られているストーリー。
生まれたところから始まり、その後は子供目線でカメラワークがされ、ゲームボーイを買うところや、最初は他の友達と馴染めなかったのが次第にポケモンを通じて友達と遊べるようになっていきます。お店の店員役に小林幸子がいたりしてかなり豪華ですね。また、中川自身が、ゲームボーイの赤か緑か悩んだ覚えがある、とも言っており、その部分も再現されています(ゲームボーイを見て懐かしい!と思った方は多いのではないでしょうか)。
そして終盤には大人の目線で、同じ通りを歩く様子が描かれます。お父さんと子供が楽し気にポケモンの映画を見に行く様子はとても微笑ましく、じわりと涙腺が緩んでしまいます。
まさにこのPVも、21年という年月がたってもポケモンが子どもたちを中心に人気で、そしてあの頃子供だった今の大人にも受け入れられている様子を描いてるんですよね。
『風といっしょに』歌詞の意味を掘り下げ
それでは、『風といっしょに』の歌詞を掘り下げていきましょう。
歩きつづけて どこまで ゆくの?
風にたずねられて たちどまる
ひとつめのたいこ
トクンとなって
たったひとつの
いのち はじまった
やがて なにかを もとめて
小さな 手のひらを ひろげ
きみは すぐに みつけたね
きみじゃない だれかを
最初の、「歩きつづけて~たちどまる」までは子供の声で歌われています。PVではおそらくこのPVの主人公である人が生まれたところでしょうか、お父さんとお母さんが嬉しそうに覗き込んでいますよね。
「ひとつめのたいこ」、はまさに生まれたところ、人生が始まったことを意味するのでしょう。「やがてなにかをもとめて~」からの部分は生まれたばかりの赤ん坊が自分以外の人の存在、つまりお父さん、お母さんを認識する、という現実的な捉え方もできますし、恋人など、家族以外に大切な人を見つけた、という捉え方もできるかと思います。
次の歌詞で「ふるさと旅立った」というフレーズがあるので、両親の元から旅立っていく子供、というふうに考察することもできそうです。そう考えるとちょっとうるっときてしまいますね。
誕生日いわう ローソクふえたけど
たったひとつの
ふるさと 旅立った
いまも なにかを もとめて
大きな ひとみ かがやいて
きみの ポケットの なかには
きみじゃない だれかとの……
「誕生日いわうローソクふえたけど」の部分はPVでも再現されていますが、歌の主人公が年齢を重ねて次第に大きくなっていく様を表現しているのでしょう。
「たったひとつのふるさと旅立った」は、学校に行ったりして親元を離れる時間が増えていくこと、とも受け取れますし、ポケモンに登場するキャラたちが皆、10歳かそこらで故郷から離れ、ポケモントレーナーになる夢を叶えるために旅立っていく、ということにも合わせているかもしれないですね。
「いまもなにかをもとめて 大きなひとみかがやいて」は、子供らしい好奇心の表れ、未知の世界へと歩み始める子の様子でしょうか。
「きみのポケットのなかには きみじゃないだれかとの…」の部分、ここはこの曲の中で最も考えさせられる箇所の一つだと思います。ポケットのなかには何が入っているんでしょうか?
これは色々考えられると思います。「約束」「希望」「夢」…、明確なアンサーはないですが、ここの部分を自分なりに考えてみるのも楽しいですよね。筆者は「約束」ではないか、だといいなと考えています。
もう少し大人な設定であるとすると、恋人との何か誓いのもの、とも考えることもできそうですね。というのもこの曲は子供はもちろん大人になったみなさんへの曲でもあると思っています。大人になり、旅立ってゆく姿である、と考えてもおかしくはないでしょう。
いくつもの であい
いくつもの わかれ
まぼろしのような 思い出もすこし
歩きつづけて どこまでゆくの?
風に たずねられて 空をみる
歩きつづけて どこへゆこうか
風と いっしょに また歩きだそう
大地ふみしめ どこまでもゆこう
めざした あの夢を つかむまで
大地ふみしめ どこまでもゆこう
めざした あの夢を つかむまで
そして曲はクライマックスへ向かいます。
「いくつものであい いくつものわかれ まぼろしのような思い出もすこし」…まさにこの曲が一番伝えたいことなのではないかと思います。
人は成長していき、大人になるまでに、そして大人になってからも、出会いと別れの連続です。そのほとんどは自分にとって一瞬の関わりの人ですが、中には自分の人生にとってかけがえのない存在になる人も現れます。
この歌詞を見て、大人になった自分が今までどんな人と出会い、そして別れを経てきたのか改めて考えてみると感慨深くなりますね。その一つ一つ、一人一人は自分にとって決してマイナスではなく、全てが今の自分を作り上げてきたものなのだと思えば、楽しかった思い出もほろ苦い思い出も全てが愛おしくなります。
「歩きつづけてどこまでゆくの? 風にたずねられて空を見る」
「歩きつづけてどこへゆこうか 風といっしょにまた歩きだそう」
「大地ふみしめどこまでもゆこう めざしたあの夢をつかむまで」
この部分は大人になったわたしたちへ語り掛けるような歌詞ですね。とまることなく流れに流されて歩き続けてきたわたしたちはいつのまにか大人になりました。しかしふと風の声に耳を傾けて、立ち止まってみるのもいいでしょう。立ち止まり、子供心に返るのもいいですよね。
そして「どこへゆこうか」と尋ねる風とともに、子供のころもっていた夢に向かって歩き始める姿…この曲はそんなふうに締めくくられています。
余談かもしれませんがこの曲は結婚式の曲としても人気です。結婚式で使われるタイプの曲だろうか、とも思うのですが、やはり歌詞全体に「旅立ち」や「人の人生」のようなものが感じ取れることから、新郎新婦お2人の門出をお祝いする、という意味で使われるのかもしれません。
あるいはご夫婦でポケモンがお好きであれば、この曲を流したくなるのもわかりますよね。