【映画】主題歌とストーリーが密接関係にある「ソラニン」とは?曲について徹底考察

OLを勤めていた芽衣子と、バイトとバンド活動を両立していた種田という男。二人は付き合っていましたが、やがて別れることになってしまいます。そんな二人がおりなす恋愛映画。劇中でも歌われている「ソラニン」。その歌詞の意味に隠された深い意味とは何なのでしょうか。

記事の目次

  1. 1.人気漫画家、浅野いにお原作の大ヒット漫画が映画化した
  2. 2.ソラニンを盛り上げるキャストたち
  3. 3.ASIAN KUNG-FU GENERATIONが映画「ソラニン」のために、『ソラニン』を作った
  4. 4.『ソラニン』の歌詞から見る、曲に込められた意味を徹底考察
  5. 5.まとめ
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さて、ソラニンを歌ったアジカンですが、その歌詞にはどんな意味が込められているのでしょうか。

ソラニン」とは元々、ジャガイモの芽の中に含まれる毒を指した言葉です。映画のキャラクターである主人公の芽衣子と、その恋人役の種田。ジャガイモに関するキャラクター名から、何か意図するところがあるのかもしれません。
ソラニンと、歌詞の内容はどのようにリンクしているのかみていきましょう。

実はこの曲の歌詞は、アジカン本人が手掛けたものではなく原作を描いた浅野いにおさんが描いています。

1番の歌詞の中にある

「思い違いは空のかなた
さよならだけの人生か
ほんの少しの未来は見えたのに
さよならなんだ」

映画の中で、主人公には恋人がいました。その恋人とは、「思い違い」で別れてしまうことになります。関係はずっと続くと誰もが思うもの。しかし、それは思い違いに過ぎませんでした。少し明るい未来が見えたのに、さよならを告げる場面がおとづれてしまったのです。主人公の、孤独や喪失感が伺えます。

「昔住んでた小さな部屋は
今は他人が住んでんだ
君に言われた酷い言葉も
無駄な気がした毎日も

あの時こうしてれば あの日に戻れれば
あの頃の僕にはもう戻れないよ」

この歌詞が意味するものは、時間は儚いということ。環境や、恋人と交わした会話、日々過ごす変わらない毎日。これらは今にしか存在しなく、未来には存在し得ないものです。戻ることのない時間を受け止めながらも、どうすることもできない感情に支配されています。

1番のサビであるこの部分

「たとえばゆるい幸せがだらっと続いたとする
きっと悪い種が芽を出して
もう さよならなんだ」

この歌詞は、主人公が「もしも」今恋人と別れずに一緒にいても、平穏な日常の中でいつの日かじゃがいものの芽のように悪い種が出てしまって、別れが来ることを予期している歌詞です。

毒に蝕まれてしまった二人はどうすることもできず、「さよなら」を告げるしかなくなります。

ここで、ソラニンを見ると、マイナスに捉えてしまいます。しかし、じゃがいもが成長するためには必ず「ソラニン」が必要なのです。恋人に例えてもとてもわかりやすいと思います。別れや、思い出したくない経験、過去の自分や、未来の失望に対して人間は成長していきます。そのためにも、ソラニンという悪者は必要になってくるのです。

ソラニンは悪いものという見方から、ソラニンはこれまでの自分との別れを指しているのではないかと捉えることができます。私たちも、ソラニンと同じようなものがないと成長することはできませんよね。

「寒い冬の冷えた缶コーヒー
虹色の長いマフラーと
小走りで路地裏ぬけて
思い出してみる」

ここで再び、恋人を思い出してしまう主人公が描かれます。寒い季節でも、お互いを温め励まし合いながら生きてきた二人。そんな二人も、今ではお別れをしてしまっています。

恋人のことを思い出してはいるものの、決して後悔はしていません。「小走りで路地裏抜けて」という歌詞から考察できるのは、前を向いて進んでいくしかないという主人公の決意ではないでしょうか。

「さよなら それもいいさ
さよなら どこかで元気でやれよ
さよなら 僕もどーにか
さよなら そうするよ」

さよならという言葉に未来へ希望を見出している主人公の様子が伺えます。


アジカンの代表曲「ソラニン」の考察をしてみました。主人公の切ない感情と、未来への前向きな姿勢が歌われていると考えられます。劇中では、宮崎あおい演じる元OLの芽衣子が、なんとも言えない表情でソラニンを歌い上げるシーンがあります。

変えられない過去に決別したという複雑な感情と、前を向いて生きていくというポジティブな感情が混ざったような大きな感情を芽衣子が感じているように見受けられました。恋人の種田との別れ。しかし、これを見事に最後まで歌い切ります。主人公の葛藤を見事に表した素晴らしい曲ですね。

 

まとめ

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さて、これまでソラニンの劇中歌であるASIAN KUNG-FU GENERATIONの「ソラニン」と、種田と芽衣子が見せる人間らしい純愛ラブストーリーがどのように結びついてきたのかをお伝えしました。

ソラニンは、原作漫画を執筆担当した浅野いにおが書いたということは驚きですね。また、アジカンは原作のファンということで、エンディングのムスタングも担当しています。劇中では、芽衣子と種田がソラニンを披露し強烈な印象を残しました。

アジカンの歌うソラニンには、本人たちが抱える葛藤や、人間味を如実に表現したからこそ生まれた曲だということがお分かりいただけたのでは無いでしょうか。歌詞の意味を知ることで、より映画ソラニンや、アジカンの歌うソラニンを深く味わうことができるのでは無いでしょうか。

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