【DJ】Pioneer DJが撤退って本当?今後はどうなるの?

Pioneer DJは日本初め、世界のクラブシーンにおけるDJ機材のトップシェアを誇るメーカーです。
そんなPioneer DJに「撤退」の2文字が報道されました。
今回は、Pioneer DJ撤退の話は本当なのかをお伝えします。

記事の目次

  1. 1.世界のクラブシーンを支えるPioneer DJ
  2. 2.Pioneer DJの機材を紹介【初心者向け】
  3. 3.Pioneer DJの機材を紹介【上級者向け】
  4. 4.パイオニア株式会社がPioneer DJを売却するって本当?
  5. 5.Pioneer DJ売却の背景。今後はどうなる?
  6. 6.まとめ

プロ用機材といえばこちら!

プロ向け、クラブで使用されている最高峰の機種といえば、この2機種でしょう。

CDJ-2000NXS2(Pioneer DJ)

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クラブや各プロ現場で設置されているのはほとんどがこの機種ではないでしょうか。

先代機種からさらに音質向上し、アナログ入力やハイレゾにも対応しています。
この機種の使い方をマスターすれば、どのような現場でもDJが行えるといわれています。

USB端子も2つあるため、PCが2台接続できるようになりました。
このため、DJ通しで使用ソフトが異なってもスムーズに引き継げます。
まさにプロ現場を熟知した設計思想だと思います。

トラックメイクやビートメイクの機材はこちら!

近頃のDJは既存の音源をミックスするだけではなく、オリジナルでビートを出したり音楽そのものをオリジナルで作るトラックメイクをやる方も増えています。
トラックメイクやビートメイク用機材といえば「MASCHINE」が有名ですが、Pioneer DJもトラックメイク業界に参入しています。

TORAIZ SQUID(Pioneer DJ)

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このSQUIDが新製品として発表された際には、ついにPioneer DJがトラックメイク業界に殴り込みか?と言われました。

曲作りといえば、PCとDAWで打ち込みが連想されますが、トラックメイクでは直感的にパッドをたたきながらフレーズを完成させていく形が主流です。

Pioneer DJのSQUIDではまさに直感的な使い方で曲作りができる機能が用意されています。

右半分にあるメインとなるパッドはフルカラーLEDが採用されています。
ステップ入力のモードに加え、スケールモードでは鍵盤としての入力も可能です。

また、指定の箇所でピッチなどの補間を行うインターポレーション機能や移調のトランスポーズのほかに各パラメータをランダムに変化させて遊び心が出せる機能も搭載しています。

さらに、専用ソフトの「SQUID MANAGER」を使えば、本体に打ち込んだデータをPC上のDAWで加工可能。
まずはイメージのままSQUIDで打ち込んで、PCで練り上げるといった使い方も可能です。
 

パイオニア株式会社がPioneer DJを売却するって本当?

DJシーンを支えているPioneer DJに衝撃が走ったのは、2019年4月に報道された記事です。

スクープ パイオニア、DJ機器事業から完全撤退へ

米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)とパイオニアが、傘下でDJ機器世界最大手のパイオニアDJの売却交渉に入ったことが日経ビジネスの取材で4月30日、明らかになった。現在はKKRが85%、パイオニアが15%の株式を保有しているが、ともに株を手放す方針とみられる。経営危機に陥ったパイオニアはファンド傘下で再建中。売却が実現すれば、DJ機器事業から完全撤退することになる。

結論から言うと、Pioneer DJのブランドがなくなるという話ではありません
実は、Pioneer DJブランドは「Pioneer DJ株式会社」が手がけており、すでに本家Pioneerとは別の会社法人です。
Pioneer DJ株式会社は、パイオニアのDJ機材を展開していた「プロSV事業部」が独立し、アメリカの投資ファンドKKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)とパイオニアが2015年に設立した会社です。

今回の報道は、親会社のパイオニアとKKRが持つPioneer DJの株式が売却されるとの話です。
タイトルに「パイオニア、DJ・・・」とあるように、パイオニアとDJの間に「、」があります。
今後、パイオニア本体がDJ部門と完全に縁が切れ、パイオニア本体はDJ事業から撤退となるわけです。

Pioneer DJ売却の背景。今後はどうなる?

パイオニアがPioneer DJ株を売却

パイオニアは現在、光学ドライブの生産やカーナビゲーションを中心に事業を展開していますが、スマートフォンやタブレットなどの通信機器の普及により、カーナビ事業自体が不振になっています。
このため、2018年から香港のファンド傘下に入り、経営再建を進めています。

2019年に入り、株式上場を廃止など苦しい経営状況が続いているようです。

そんな中、Pioneer DJ株を売却して上記の事業に経営資源を集中する選択をしたようです。

古くからオーディオのパイオニアを知っている世代の人はまた一つさびしいニュースを受け取ることになったわけです。

売却後のPioneer DJはどうなる?

Pioneer DJはDJミキサーやターンテーブルなどの販売により、年間売上高250億円という優良企業です。
DJ機材の世界シェア70%とも言われています。

現在、大手ファンドなどが興味を示しているといわれており、今後株式が売却されたとしてもドル箱事業を停止することは考えられません。
従って、これからもPioneer DJブランドがDJ業界のけん引役になっていくことでしょう。

Pioneer DJが社名変更へ

2019年12月27日にPioneer DJは社名が「AlphaTheta株式会社」(アルファシータ)になるとの発表がありました。

社名変更のお知らせ

謹啓、時下ますますご清栄のことお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、誠に有難うございます。

さて、このたび弊社では、来る2020年1月1日付で社名を「AlphaTheta株式会社」(アルファシータ)に変更させていただく運びとなりました。

私どもは、音楽に携わる者としての誇りをもって、今後新たな分野でも更なる成長を目指していく想いを社名にこめました。これを機会とし社員一同新たな気持ちで、より一層業務に邁進いたす所存でございます。

なお、今後も引き続き「Pioneer DJ」をはじめとする各ブランドでお客様に新しい価値を提案して参ります。変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。

日頃の皆さまのお引き立てに心から感謝申し上げますとともに、何卒倍旧のご支援、お引き立てを賜りますようお願い申し上げます。

謹白

このアナウンスからもわかるとおり、これからも成長を目指すとありますので、Pioneer DJ自体は事業の存続に影響はなくさらにPioneer DJブランドも存続するようです。

先に述べたDJコンペティションの最高峰である「Red Bull 3Style 2019-2020 World DJ Championships X」の公式パートナーも引き続き継続するようですので、Pioneer DJファンの方も一安心ではないでしょうか。

世界中でDJ機材トップシェアを誇るPioneer DJブランドですが、まだまだ目を離せないようです。

もしかすると、Pionner DJ以外にも音楽業界に新たな1ページを刻んでくれるのかもしれません。
 

Photo by Human Interest (Instagram: ivanfebri)

まとめ

Photo by C.楊

Pioneer DJ売却の報道から約1年が経ちましたが、新社名に変更しつつもPioneer DJブランドは継承されていくようですので、まずは一安心ですね。

新会社になって心機一転、あらたなDJシーンが掘り起こされ、これからも盛り上がりを見せてくれることを期待したいと思います。

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