【サカナクション】東進全国統一テストのCMソング!中高生から特に支持される『さよならはエモーション』とは?
さよならはエモーションは東進のCMにも起用されました。CMとCDでは歌詞は同じであるものの、雰囲気や曲調は大きく異なります。それは山口一郎が考えるエモさが関係していました。今回はさよならはエモーションが完成した経緯や歌詞についた考察していきます。
『さよならはエモーション』の歌詞に込められたものとは?
こちらがリリースされた『さよならはエモーション』ですが、サビ(1分15秒頃から)を聴いてみましょう。
CMとはだいぶアレンジが異なりますね。ボーカルのキーもCDの方が半音高いです。
この曲をリリースする際は、実はサビしか出来ていませんでした。音源として制作するにあたり、別れをテーマにした曲として再構築したのが、新たな『さよならはエモーション』でした。
彼らはこのアレンジでMステにも出演しています。
『さよならはエモーション』の歌詞にも出てくるエモーションって何?
最近では『この曲凄くエモい』等、楽曲を褒める意味で多様されていますが、意味を知らずに使っている人も実は多いのです。
この楽曲を考察する前に、『エモーション』『えもい』の意味を振り返っておきましょう。
エモいは、英語の「emotional(エモーショナル)」を由来とした、「感情が動かされた状態」、「感情が高まって強く訴えかける心の動き」などを意味する日本のスラング(俗語)、および若者言葉である。
要するに感情の高ぶりを示す意味で使われています。2007年頃から使われ始めたものの、「今年の新語 2016」の2位にランクインした事で幅広い層にも知られるようになりました。
ランクインした事で最近はヤバい等の意味でも使われていますが…
ちなみに個人的に思うエモい曲はこちら
故人である志村正彦が制作した楽曲。2007年の楽曲です。
若者から大人へと成長していく焦燥感と、風景描写をイメージさせる歌詞、そして切なさを感じるイントロ等…エモさを感じる要因が詰め込まれています。
山口一郎は『さよならはエモーション』のテーマは東京に住んでいる自分の事と、別れの重みだとラジオで述べていました。
80年生まれの人たちって、多分、誰かが転校すると、それは今生の別れだと思ってお別れ会をして、泣きながら見送ったりしていた。転校して行ってもう二度と会っていない友達の顔とか、今でも覚えていたりするけど、もう、二度と会えなかったんですね。
今はLINEやSNSの発達により、卒業しても転向しても友達と繋がり続ける事が出来ます。
しかし山口一郎が学生だった頃は携帯電話は普及しておらず、もう逢えない人達が沢山いました。今以上に『さよなら』に重みがあったのです。
この心境を知った上で楽曲を聴くと、歌詞の重みが分かってくると思います。
『さよならはエモーション』の歌詞考察
山口一郎が北海道から上京して、2014年の段階では5年が経過。その間に故郷を思う曲はネイティブダンサーやスローモーション等、沢山制作されてきました。
『さよならはエモーション』は故郷を思う曲ではなく、東京を行きている自分を思う曲です。そういう立ち位置から歌詞を考察していきましょう。
そのまま
深夜のコンビニエンスストア
寄り道して
忘れたい自分に缶コーヒーを買った
レシートは
レシートは捨てた
冒頭ではコンビニに寄り道をする山口一郎の実体験から。
買い物をしてレシートを捨てる…
誰しもが1度は経験する事ですね。これは山口一郎が東京での生活に溶け込んでいる事を表しています。
『レシートを捨てた』ではなく、『レシートは捨てた』というフレーズは、レシートの代わりに捨てなかったものがあると言う事です。
レシートは捨てた…のフレーズは繰り返し歌われ、最後にはその声も聴こえなくなり、音楽だけが流れます。
何を捨てなかったのか、あえて言葉に出さない事で、私達に想像する余地を与えてくれます。
さよならはエモーション
僕は行く
ずっと涙こらえ こらえ
忘れてたエモーション
僕は行く
ずっと深い霧の 霧の向こうへ
サビでは山口一郎は感情が湧き上がり、涙をこらえます。
レシートを捨てて家に帰る…
日常生活の何気ない瞬間に、忘れていた昔の感情(エモーション)が思い出されたのでしょう。
その先に待つのは、見通しの分からない霧。不安や迷いを抱えながら、山口一郎は霧が晴れる先まで進むのです。
そのまま
両手を床について
僕は逆立ちした
そのまま
昔の部屋を思い出した
君の事も
2題目で山口一郎は『そのまま』というフレーズを繰り返しながら逆立ちをします。勿論実際に逆立ちをしたのではなく、過去を振り返ったという意味でしょう。
思い出すのは昔住んでいた北海道の部屋と、君の事です。
山口一郎の歌詞には君というフレーズがよく出てきますが、それは音楽の事であったり、自分自身の事である事が多いです。しかし曲が出来た経緯からも、今回の場合は北海道で別れた人達の事でしょう。
さよなら
僕は夜を乗りこなす
ずっと涙こらえ
忘れてたこと
いつか見つけ出す
ずっと深い霧を抜け
AH ミル
ヨルヲヌケ
アスヲシル
ヒカリヲヒカリヲヌケ
2題目のサビは1題目と同じです。最後に更に盛り上がるサビへと続きます。
最後のサビはエモーションという言葉が出てきません。前に進む為、別れへの感情を押し殺したのでしょうか。
涙は堪えつつも、夜を乗りこなすというフレーズからは今までにない前向きさが感じられます。
最後にはメンバーも加わり、壮大な合唱となります。アス(明日)、ヒカリ(光)等、霧の向こうにある希望を歌い上げます。合唱になるのも、山口一郎は1人ではなく、メンバーがいるという表現かもしれません。
まとめ
今回は『さよならはエモーション』について考察させていただきました。東進のCMとリリースされた楽曲の違いは、山口一郎の心境の違いによるものでした。
この楽曲は歌詞も抽象的な分、リスナーにも想像の余地を与えています。皆さんも今だからこそ、『さよならはエモーション』を聴いて、エモい気分に浸ってみてはいかがでしょうか?