【小沢健二】初心者におすすめ小沢健二の代表曲〜隠れた名曲まで12選
「渋谷系の王子様」と呼ばれ、そのルックスの良さに加え、恵まれた才能で数々の名曲を生み出した小沢健二。非常に幅広い音楽的知識と抜群のセンスの良さ、軽妙でいて知的な語り口や、カリスマ性で人気を博しました。そんな小沢健二の代表曲や隠れた名曲をご紹介します。
数々の名曲を生み出した小沢健二
スラリとした体型とセンスの良い着こなしで「渋谷系の王子様」として人気を博したオザケンこと小沢健二。爽やかなルックスと文学的で知的な歌詞。豊富な音楽的知識と抜群のセンスから作られるメロディーで音楽ファンを虜にしました。
小沢健二は1968年生まれですから、現在の年齢は51歳になります。血液型はO型です。
ドイツ文学者の父と心理学者の母の元に生まれ、父の仕事の都合で、生まれてから間もなくして、住まいを神奈川県相模原からドイツに移します。音楽や文学に熱中した少年時代を過ごしました。
和光中学時代に小山田圭吾と出会い、2人はそこで意気投合しますが、小山田はそのまま系列の和光高校へ進み、小沢は受験して神奈川県立多摩高等学校に入学します。
高校ではバンド活動をしながらもしっかりと勉学にも励み、早稲田大学第一文学部に現役で合格。しかし、入学はせずにそのまま浪人し、次の年に東京大学文科III類に入学します。
小山田圭吾との交流はずっと続いていて、よく小沢の部屋で朝までレコードを聴き、朝になるとそのまま寝ている小山田を置いて、大学に向かっていたそうです。
セツ・モードセミナーに通っていた小山田圭吾のバンド「ロリポップ・ソニック」に小沢が加入し、1989年のプロデビューと同時にバンド名を「フリッパーズ・ギター」に改名します。
「フリッパーズ・ギター」の解散後はソロとして音楽活動を続けます。小沢健二は“オザケン”としてより世間に認知されるようになります。
「僕らが旅に出る理由」「流星ビバップ」や「愛し愛されて生きるのさ」などの数々のヒット曲を世に送り出します。
90年代の後半からは活動を暫く休止するなど、少しペースを落としながらも、マイペースに自身の進化し続ける世界観を作品に投影しています。
その後住まいをニューヨークに移し、2002年には全てNY録音による「Eclectic 」をリリース。その4年後には全編インストによる「Ecology of Everyday Life 毎日の環境学」をリリースしています。
2010年には写真週刊誌によって、前年にアメリカ人の写真家エリザベス・コールと結婚していた事が報じられています。
2019年の11月にはおよそ13年ぶりとなるアルバム「so kakoii 宇宙」をリリースして、ファンを喜ばせました。
小沢健二のバンド、名曲を生み出すきっかけとなったフリッパーズ・ギターとは
「フリッパーズ・ギター」は小山田圭吾と井上由紀子を中心としたバンド「ロリポップ・ソニック」に小沢健二が後から加入して原型が出来ます。
メジャーデビューと同時に名前を「フリッパーズ・ギター」に改名していますが、これは音楽プロデューサーの牧村憲一氏の助言によるものだといいます。
ファーストアルバムである「three cheers for our side ~海に行くつもりじゃなかった」は小沢による全曲英詞の、ネオアコースティックに強い影響を受けた作品になっています。
その後、メンバーは小沢と小山田の2人組となり、セカンドアルバムの「CAMERA TALK 」では小沢の歌詞は日本語となり新境地を開きます。
このあたりまではギターポップやネオアコの影響を強く感じますが、サードアルバムの「ヘッド博士の世界塔」では、プライマルスクリームやマイ・ブラッディ・バレンタインの様な雰囲気やレイヴ・カルチャーやシューゲイザーの影響を感じさせるサウンドへと進化を遂げています。
音楽的にもファッションアイコンとしても、当時のファンに強烈なインパクトを与え、熱狂的なフリッパーズフォロワーをつくりだしました。
影響を受けたミュージシャンは数知れずで、日本の音楽界はフリッパーズ以前とフリッパーズ以後で違うものになっていると言っても言い過ぎではないかも知れません。
小沢健二の名曲はなぜ人々に聴かれ続ける?
「僕らが旅に出る理由」「流れ星ビバップ」などオザケンこと小沢健二の名曲の数々は、ソロデビューしてから25年以上経った今でも、ラジオやテレビで流れ、人々に愛され続けています。
51歳という年齢を感じさせないオザケンの独特の声の魅力とそのキャラクター、そしてなんと言っても楽曲の素晴らしさは色褪せる事はありません。
CMソングなどでも、よく使われていたオザケンの素晴らしき楽曲の数々を、ご紹介していきたいと思います。
小沢健二の名曲ランキングTOP12
それでは私が選ぶ、小沢健二の楽曲ランキングトップ12をご紹介したいと思います。なにぶん個人の趣味も入ってしまいますが、そこも楽しんで頂ければ幸いです。
12曲という事で、ここに入らなかった曲の中でもいい曲はたくさんあるのですが、この12曲をはじめて聴く人はきっとオザケンファンになってしまうと思います。
知っていた人はもっともっと好きになってしまう、私のベストをご紹介いたします。
【12位】 イチョウ並木のセレナーデ
きっと彼女は 涙をこらえて 僕のことなど思うだろ
いつかはじめて出会った いちょう並木の下から
長い時間を僕らは過ごして 夜中に甘いキッスをして
今は忘れてしまった たくさんの話をした
1994年発売のセカンドアルバム「LIFE」に収録されているナンバーです。この名曲がどうして12位なの?と怒らないでください。それほど小沢健二は名曲に溢れているのです。
タイトルは原由子の同名曲からの引用と思われます。ファンの間でとても人気の高い、しっとりとしたバラードです。
優しく淡々と歌いあげられる、少し切なさのある歌詞が、いつかどこかで見たような10月のいちょう並木を思わせます。
【11位】 大人になれば
何千の色 町の上を流れる
何十年も時がゆっくりと進む
僕らは歩くよ どこまでも行くよ
何だか知らないが 白髪になってね
誰かの歌を聴くと 夏の日は魔法
「大人になれば」は1996年発売の小沢健二の13枚目のシングルで、サードアルバム「球体の奏でる音楽」に収録されています。
「球体の奏でる音楽」は全編ジャズアレンジによるミニアルバムで、東京スカパラダイスオーケストラやヒックスヴィルのメンバーが参加しています。
同曲はワンカップ大関のCMソングに起用されていて、オザケン自身も田村正和と共演をはたしています。
【10位】地上の夜
思い出を越えてくチケットを
君が捜してるんなら
あるだけの毛布やマフラーと 俺の車に乗りこみ
小沢健二の記念すべきファーストアルバム「犬は吠えるがキャラバンは進む」(以下略して「犬」)に収録されているナンバーです
何と言ってもオザケンの突然の“オレ”にドキッとしたファンも多いのではないでしょうか。私もそうでした。長渕剛アニキの名曲「僕のギターにはいつもヘビーゲージ」がいつの間にか「俺のギターには〜」に変わっていた時以来の衝撃でした。
テレキャスと思われるギターのカッティングやソロの甘い音色が心地良く、少し怪しげなメロも無国籍な雰囲気を醸し出しています。
【9位】 流星ビバップ
真夏の果実をもぎとるように 僕らは何度もキスをした
やがて種を吐き出すような 固い固い心のカタマリ
1995年発売のシングル「痛快ウキウキ通り」のカップリング曲として発表されました「流れ星ビバップ」は、オザケンのお気に入りと見え、その後もシングルのカップリングとして2回ほど、ヴァージョン違いで登場します。
「流れ星ビバップ」は95年以降は「流星ビバップ」に変更されています。2003年のアルバム「刹那」にもこの「流星ビバップ」は収録されています。
「刹那」は小沢健二がアメリカに住まいを移した後に出されたベストアルバムという括りになっていますが、実際にはベストアルバムというよりも、アルバムに収録されていないシングル曲を中心に構成されたものになっています。
【8位】 それはちょっと
いつかひょっとしたらって思うよ 電光石火の早業で
結婚式をすませて でっかい黒い犬でも飼って
子供たちを育てて 金婚式~お葬式って
でもやっぱりダメダメダメダメ!ワガママだから
結婚を迫られているオザケンが「僕はワガママだからダメだよ〜」と甘いメロディーに乗せて歌うという、酷い話ですが、何故か可愛らしく良い歌に聴こえてしまうから不思議です。
現在はニューヨークに住まいを移し、結婚もしていますから、もうこの歌を歌ってくれるかは分かりませんね。
ひとつだけ言いたいのは、血液型O型の男はワガママな所はあったとしても、結婚したら家庭を大切にするので、エリザベスさん、大丈夫ですという事です。
【7位】 愛し愛されて生きるのさ
いつだって可笑しいほど誰もが誰か 愛し愛されて生きるのさ
セカンドアルバム「LIFE 」の1曲目を飾る曲です。アルバムというのは、大体最初の一音で印象が決まってしまいます。例えば、ビートルズの「ラバーソウル」一曲目の「ドライブ・マイ・カー」のサイケなギターの様に。
この「愛し愛されて生きるのさ」も何しろイントロのギターカッティングが良い!この音だけでも「LIFE 」が優れたアルバムである事を教えてくれます。
オザケンの歌詞は何処を切り取っても良いのですが、それにしても何でしょうか「いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて生きるのさ」最高ではないでしょうか。
【6位】 僕らが旅に出る理由
遠くまで旅する恋人に あふれる幸せを祈るよ
ぼくらの住むこの世界では太陽がいつものぼり
喜びと悲しみが時に訪ねる
遠くから届く宇宙の光 街中でつづいてく暮らし
ぼくらの住むこの世界では旅に出る理由があり
誰もみな手をふってはしばし別れる
この「僕らが旅に出る理由」もセカンドアルバム「LIFE 」からの1曲です。イントロと間奏のホーンセクションのフレーズはどちらもポール・サイモンの曲から取っていますが、それぞれ別の曲からの引用という所がミソです。カックイイです。
人生には出会いがあれば別れもあり、悲しみの時もありますが、必ず日はまた昇りくり返すのです。ん?
【5位】流動体について
それが夜の芝生の上に舞い降りる時に
無限の海は広く深く でもそれほどの怖さはない
人気のない路地に確かな約束が見えるよ
「流動体について」は、ファン待望のCD作品として実に19年ぶりに発表された19枚目のシングル作品です。
サビでの上昇していく少々無茶なメロディーや、美しくも哲学的な歌詞、ストリングスのアレンジなど、かつてのオザケンの音楽性を彷彿とさせる、往年のファンにとっては「オザケンが帰ってきた!」と思わせてくれる楽曲になっています。
【4位】今夜はブギーバック
ワイルドな君 うるわしのフッシー・キャット
僕の手に噛みついてオール・ナイト・ロング
ブギー・バック シェイク・イット・アップ 夜の終わりには
2人きりのワンダー・ランド
1994年に発売されたシングルで後に「LIFE 」に収められる、平成を代表する名曲ですね。レコード会社の枠を超えスチャダラパーとコラボレーションした、当時としては画期的なナンバーで、オザケンがメインの“nice vocal “バージョンとスチャダラパーがメインの”smooth rap”バージョンが2枚同時リリースされ話題を呼びました。
現在でもラジオなどでよくかけられていたり、様々なアーティストにカバーされるなど、愛され続けているナンバーです。私もこの曲でオザケンを知り、ファンになりました。
【3位】すぐに会えるかな?
遠くまで 遠くまで 地平線が伸びてくように
風が吹く丘に立つカンガルーにポケットが有るように
夜が明けた街を抜け 恋人たちが走るように
昼下がり 虫が飛び蜜を集めてまわるように
サードアルバム「球体の奏でる音楽」に収録されたナンバーで、私が一番好きな曲です。この「球体の奏でる音楽」には他にも「ホテルと嵐」という素晴らしい曲があるので是非聴いてみてください。
見たことも無いはずの風景が、何故か目の前に浮かんでくる様な描写力と湧き上がってくるポジティブな気持ち。オザケンの歌には筋肉じゃない力強さを感じます。
【2位】さよならなんて云えないよ
本当は分かってる 2度と戻らない美しい日にいると
オザケンがタモリの番組に出演した時には、この曲の歌詞を評価され、好きな曲である事をタモリが語っています。
オザケンの曲には、強いポジティブな世界観が感じられる事が多いのですが、この曲も人生を肯定するエネルギーに満ちた素晴らしい曲と思います。
【1位】天使たちのシーン
神様を信じる強さを僕に 生きることをあきらめてしまわぬように
にぎやかな場所でかかりつづける音楽に 僕はずっと耳を傾けている
この曲は特別だというファンの方は多いのではないでしょうか。
“愛すべき生まれて 育っていくサークル/君や僕をつないでいる穏やかな 止まらない法則”
この1曲にオザケンの穏やかでありながら強い希望や、ポジティブな気持ちが全て詰まっているかの様な、信じられないほど美しい曲だと思います。
小沢健二の名曲選、いかがでしたか?
小沢健二の歌には一貫したポジティブさや強さが流れているのを、今回とても感じました。ここにあげた曲を聴いて、またオザケンファンが増えたらとても嬉しいです。
また新しいアルバムも発売になり、これからも私達ファンを楽しませてくれる事でしょう。ずっと耳を傾けていましょう!
この曲も2003年の「刹那」にも収録されています。シングルとしてはCMソングの「カローラIIにのって」に次ぐヒットとなっています。