ヘッドホンをエージングするってどういうこと？エージングの効果・方法をご紹介

エージングは英語で「aging」と書き「時間を経る・加齢」という意味を持ちます。

ヘッドホンのエージングは主に使い始めたばかりのものに施すのですが、適切な方法で再生することで経験を積ませ、いわゆる加齢させることにより本来の性能やサウンドを呼び覚ます効果があるようです。

エージングは音楽に詳しい方やとことん楽しみたいと考えている方が、ヘッドホンに限らずスピーカーなどにも施している場合が多いでしょう。

しかし音楽機材に詳しくない方の場合、わざわざ新しいものを加齢させることの意味というのは、なかなかピンと来ないものですよね。

そういった方にも分かりやすいように、今回はヘッドホンのエージングの意味・効果・方法について簡単にご紹介します。

なぜ新しいヘッドホンをわざわざ加齢させるのでしょうか？

ヘッドホンやスピーカーなどサウンドを聞かせるための音楽機器は、音が鳴る部分である振動板を振動させて、音を出しています。

新品のヘッドホン・スピーカーは、この振動板の振動がまだ一定ではないため、サウンドが安定していません。

主に振動板の慣らしのためにエージングが施される場合が多いです。

他にもエージングによって得られる嬉しい効果があるので、具体的に見ていきましょう。

エージングする必要性は、人によって否定的な場合もありますが、音質が変わることは科学的にも分析されているようです。

サウンドの良し悪しはどうしても好みがあるため、一概にエージングで良い音になるとは言いづらいかもしれませんが、そのヘッドホンが持つ仕様に忠実な音が出るようになることは間違いないようです。

さきほど話したように振動板の慣らしが完了したことによって、本来持っている性格の音を再生できるようになるのでしょう。

さらにエージングにはキンキンしていた高音域を柔らかくしたり、悪目立ちしていた低音域が他の音域とバランスよくなったりする効果も得られるようです。

ちなみに当然ですが、エージングで必ずしも自分好みの音質を作れるわけではありません。

まれに好みのジャンルの音源を再生し続けるエージングを施し音が変わることもあるようですが、あくまでそのヘッドホンが本来持っている性格と全く違う音にはならないようなので、注意しましょう。

ヘッドホンをエージングすることにより、その機器が持つ本来の性能を引き出せる効果もあるようです。

ときどき製品概要に書いてある内容が、使ってみた時にまるで違うと感じたことがある方も多いのではないでしょうか？

低音域に迫力がある・高音域に艶があるなどなど、慣らしが充分でないヘッドホンだと、当然そういったことが起こりえます。

エージングを施すことにより、新品時とそのヘッドホンの仕様の差をなくしてくれる効果もあるようです。

ヘッドホンのエージングは大型のスピーカーなどと比較すると振動幅が狭いため、あまり差が出ないとも言われています。

そういった意味でもヘッドホン・イヤホンのエージングに否定的な意見は多いです。

ただし効果がまったくないのかと言われると、そうは言い切れないでしょう。

実際に分析結果によりサウンドが変わることが専門家によって論じられていますし、反対に大型スピーカーで差が見られるということは、ヘッドホンでも同様に変わっているということです。

たしかに比較的変化は少ないものの、無意識にでも日常的に良い音を聞くことは難聴になる可能性が低くなったり精神が穏やかになったり、良いこと尽くしでしょう。

それでは具体的にヘッドホンのエージングのやり方をご紹介します。

細かいやり方は人それぞれですが、基本的に再生させるだけでエージングは完了するので、そこまで手間はかかりません。

新品のヘッドホンに、試しにやってみましょう。

エージングが完了する時間・日にちは、いくつか説があります。

自分でリスニングしながら調整するのがよいと思われますが、1時間～3時間を1ヶ月毎日繰り返す・100時間再生したままの2つが主に推奨されているようです。

具体的な正解はないのですが、自分の生活スタイルに合った方法がどちらなのか考え、実行するのもひとつ手だと思います。

しかしこれらはあくまで目安であり、先ほども言ったようにリスニングしてみてそのヘッドホンに感じていた問題が解決された時が、本当のエージングの完了時間です。

エージングのために再生する音源として、専用のCDを使う方法があります。

かなり多くのCDが販売されているので、いくつか厳選してまとめてみました。

コロムビア・ミュージック・エンタテインメントがリリースしたCDですが、ライブハウスや自宅スピーカーなど、あらゆるオーディオシステムのチューニングにも仕様されています。

この手のCDの中では非常に定番の1枚であり、5.1chのサラウンドヘッドホンにも対応可能です。

時間は全部で46分ほどなので、この音源をリピートしてエージングを行うのもよいでしょう。

レコードが主流だった頃からあった音源が、CD可したオーディオチェック素材が収録されています。

従来より音質が落ちているという評価もありますが、こちらを使用している方は多く、信頼度の高いCDです。

オーディオ機器本来が持っている柔らかいサウンドが、上手に引き出される効果もあります。

全1時間17分、リピートして使用可能です。

全1時間1分のオーディオ・チェックCDであり、低音～高音まで癖がないため、幅広いサウンドのヘッドホンに適しているのもありがたいところです。

チャンネルチェック・フェーズチェックにはやや不向きで、帯域のバランスを見るのにも重宝するでしょう。

左右のバランスを見るためにPANが比較的激しく振られている仕様で、耳で聞いて分かりやすい音の作りが好評です。

スピーカーのエージングよりも、ヘッドホンのエージングの成功談が多いCDです。

日本語の解説書がないため、やや不便に感じる方もいるかもしれませんが、エージング・音響機器のチューニング用CDの中でも最もスタンダードな1枚になります。

磁性の減少・除去にも効果的でしょう。

エージング・サウンドチェックに使用されているCDの中でも、抜群の人気を誇る1枚です。

いくつかの音楽機器で再生した時のサウンドの違いは歴然で、それだけしっかり作りこまれています。

ただし、4曲目の低音域が強めであることは注意しましょう。