ヘッドホンのインピーダンスとは?音にどんな影響があるのかご紹介

ヘッドホンのインピーダンスとは、ヘッドホンの持つ電気抵抗の数値のことです。単位はオーム(Ω)で示されます。インピーダンスの値によって音質や音量にも違いがあるのをご存知でしょうか。ヘッドホンのインピーダンスが音にどんな影響を与えているのかご紹介していきます。

記事の目次

  1. 1.ヘッドホンのインピーダンスとは?
  2. 2.インピーダンスが与える影響
  3. 3.ハイインピーダンスが良いとは限らない?
  4. 4.インピーダンスの値は常に変化する?
  5. 5.インピーダンスと一緒に語られる出力音圧レベルとは?
  6. 6.まとめ

ヘッドホンのインピーダンスとは?

ヘッドホン
Photo byFree-Photos

インピーダンスという言葉をご存知でしょうか。ヘッドホンにまつわる事柄で出てくる単語ですが、その意味を知らない方も多いと思います。

ヘッドホンのインピーダンスとは、ヘッドホンが持っている電気抵抗の数値のことです。単位はΩ(オーム)で表されます。

ヘッドホンによってインピーダンスの数値には違いがあり、20Ω〜600Ωと実にさまざまです。この数値の大きさによって音量やノイズの大きさに違いが出てきます。

インピーダンスに関する情報を以下の順番でご紹介しています。

  • インピーダンスが与える影響
  • ハイインピーダンスが良いとは限らない?
  • インピーダンスの値は常に変化する?
  • インピーダンスと一緒に語られる出力音圧レベルとは?
インピーダンスの知識が少しあるだけで、ヘッドホンへの理解が深まり、音楽を聴くときの視野が広がっていくはずです。

ぜひ興味のある項目を読んでみて、インピーダンスについて知ってみましょう。

インピーダンスが与える影響

電気抵抗
Photo bysinisamaric1

インピーダンスがヘッドホンから聴こえる音に与える影響は大きく分けて2つです。

  • ノイズの大きさ
  • 音量
この2つはお互いに深く関連しているようには思えないですが、実はインピーダンスを通して見てみると、関わりの深い2つだということが分かります。

インピーダンスの値は、どのように音に影響しているのでしょうか。

ノイズの大きさが変わってくる

ノイズ
Photo byTheDigitalArtist

インピーダンスの値が高いと、ノイズの量が小さくなります。その理由は、インピーダンスが高い(電気抵抗が大きい)と流れる電流が少なくなり、ノイズもカットされるからです。

反対に、インピーダンスが低いとノイズの量は大きくなります。なぜならインピーダンスの値が小さくなる(電気抵抗が小さい)と、ノイズをカットする量も減るからです。

この違いが分かる一つの例として、ヘッドホンとイヤホンの音質が挙げられます。

一概には言えませんが、一般的なヘッドホンとイヤホンを比較してみると、イヤホンの方がノイズを感じるという方が多いのではないでしょうか。

その理由としては、イヤホンはヘッドホンよりもインピーダンスが低い(ノイズが多い)場合が多いことが挙げられます。

ちなみにノイズが起こる要因はさまざまな理由が考えられるので、ノイズの要因の一つとしてインピーダンスが関わっているということを覚えておきましょう。

私たちが使っているスマートフォンにつなぐイヤホンのインピーダンスは、おおむね32Ωくらいです。ハイインピーダンス(インピーダンスの値が大きい)のヘッドホンは、300Ωや600Ωといったものまであります。

【まとめ】

  • インピーダンスが高い→ノイズが少ない
  • インピーダンスが低い→ノイズが多い

音量に違いが出てくる

音量の図
Photo bykalhh

インピーダンスの値が高いと音量は小さくなります。その理由は、電気抵抗によって流れる電流の量が少なくなるからです。電流の量が少ないと、おのずと音量も小さくなります。

反対に、インピーダンスが低いと音量が大きくなります。なぜなら電気抵抗が小さくなると、流れる電流の量は増えるからです。よって音量も大きくなります。

インピーダンスが高いと、よくノイズをカットしてくれるため音質はよいとされます。しかし、電流の量は少なくなってしまうので音量も小さくなるのです。

このように、インピーダンスを中心に音の特徴を見てみると、音量とノイズの大きさはお互いに関連しているということが分かります。


【まとめ】

  • インピーダンスが高い→音量は小さい
  • インピーダンスが低い→音量は大きい

ハイインピーダンスが良いとは限らない?

ヘッドホン
Photo byFoundry

ノイズをより減らすことができるのは、インピーダンスが高いヘッドホンです。それならば、いつもインピーダンスが高いヘッドホンを買えばよいのでしょうか。

実はそうとも限らず、ヘッドホンを使う場所や目的によって使い分ける必要があります。

インピーダンスの大きさによる違いを2つに分けて説明していくので、ぜひ参考にしてみてください。

①インピーダンスが高い:アンプが必要になる

ハイインピーダンスのヘッドホンを使う場合は、アンプが必要になります。

その理由としては、インピーダンスが高いとノイズもよくカットしてくれるため、音量が足りなくなる場合が多いからです。

音量が足りない場合には、ハイインピーダンスのヘッドホンにアンプをつなげて使います。アンプにつなげることによって、音の歪みを減らしさらに高音質で聴くことが可能です。

小型のアンプもありますが、移動中にヘッドホンを利用したい方にとっては荷物になってしまう可能性があります。

ハイインピーダンスだとノイズが少なくなりますが、高音質でかつ大音量で楽しむにはアンプが必要になるいうことを念頭においておきましょう。

どのスペックが自分に適しているのかを考えて、ヘッドホンを選ぶことが大切です。

②インピーダンスが低い:どんな機材でも自分のヘッドホンで聴くことができる

ヘッドホン
Photo byStockSnap

インピーダンスの値が低いと、どんなシチュエーションでも自分のヘッドホンで音楽を聴くことができます。

どんな機材に合わせても一定の音量で聴くことができ、アンプは必要ありません。いつも慣れているヘッドホンで音を聞けるというメリットがあります。

反対にインピーダンスが高いヘッドホンは、電圧の関係によりマッチする機材が限られる場合がある、注意が必要です。

常に自分のヘッドホンを使って音を確認したい方や、身軽に動きたい方は一般的な値のインピーダンスのヘッドホンを使いましょう。ちなみに現在の一般的なインピーダンスの値は40Ω〜50Ω以下です。

このように、ハイインピーダンスのヘッドホンの方がメリットが多いというわけではなく、インピーダンスの値が低いほうが目的に合っている場合もあります。

自分の目的や状況に合わせたヘッドホンを選んでみましょう。

インピーダンスの値は常に変化する?

アンプとギター
Photo byFree-Photos

インピーダンスの値の大きさによる、音の違いを説明してきました。インピーダンスの数値はヘッドホンによって大小さまざまです。

ヘッドホンの製品情報に書かれているインピーダンスの値は固定されていますが、実は周波数によって異なる値に変わります。

ヘッドホンの中を流れる電気は交流です。常に電気が方向を変えながら流れているため、周波数も常に変化しています。

その周波数の大きさによって、抵抗の値も変わっていくのです。
よって32Ωと書かれているヘッドホンはいつでも32Ωの抵抗があるわけではなく、常に変化しています。

インピーダンスと一緒に語られる出力音圧レベルとは?

power level
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インピーダンスと同じく、ヘッドホンの製品情報の部分に書かれているのが出力音圧レベル(db/kW)です。

この出力音圧レベルは、音量という部分においてインピーダンスと関係があります。出力音圧レベルとはどういうものなのでしょうか。

出力音圧レベルとは、イヤホンやヘッドホンから出される音の大きさ(強さ)を表します。単位はデシベル(db)で、1kW/1kHzの電力が与えられた場合にどれくらいの音圧が発生するかを表すものです。

出力音圧とインピーダンスを知っていれば、それぞれのヘッドホンにどのくらいの電力が使われるのかを知ることができます。

ここでは計算式を省略しますが、どうしてノイズが大きいのか、どうしてこのヘッドホンは音が大きいのか、と疑問に思った場合はインピーダンスと出力音圧を元に計算することができます。

なかなか、ここまで計算して調べる機会はないかもしれません。しかし、音の大きさやノイズの大きさに疑問が出た場合には、この2つをもとに計算すれば理由が明確になることを覚えておくとよいでしょう。

まとめ

ヘッドホンとマイク
Photo byPexels

ヘッドホンのインピーダンスについてご紹介しました。インピーダンスは電気に関する用語なので、理解するのが難しいと感じる方は多いかもしれません。

音の大きさやノイズに関係しているインピーダンスですが、言ってしまえばその存在を知らなくてもヘッドホンで音楽を楽しむことができます。

しかし、インピーダンスの知識があるだけで、耳に音が届くまでの流れがあるということを分かった状態で音楽を楽しむことができるはずです。

こういった細かな知識を学んでいくと違った視点で音楽を楽しむことができたり、ヘッドホン選びの参考になったりと、さらに広い視野で音楽を知ることができます。

インピーダンスに限らず難しい音楽用語も多いですが、興味が出た時には少しずつ知識を深めていき、音楽をより深く味わっていきましょう。
 

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