【DJ】初心者におすすめ!世界中で大ヒット『DJ Shadow』人気曲8選
1990年代より最前線で活躍し、現在のトラップやアブストラクトヒップホップの源流を作ったといわれるカリスマDJ・音楽プロデューサーであるDJ Shadow。巧みなサンプリングで新たな音楽を創造し続けるDJ Shadowの人気曲をご紹介します。
DJ Shadowとは?
ターンテーブル界のカリスマ、ブレイクビーツ界の重鎮として君臨するDJ Shadow(DJシャドウ)。
ターンテーブルとサンプラーを楽器として扱い、ヒップポップ界に新しいジャンルを作り上げたDJであり音楽プロデューサー。
英国音楽誌「NME」は、彼のことを“ギターをサンプラーに持ち替えたジミ・ヘンドリックス”と表現しています。
また、「King Of Diggin’'(レコード掘り)」という別名があるほどの有名なレコード・コレクターでもあります。彼の作品には、隠れた名盤や入手困難なサンプルソースが詰まっています。
DJ Shadowは、現在のトラップやアブストラクトヒップホップの源流を作った一人です。
1996年9月16日にリリースされた、サンプリングだけで作り上げた脅威のデビューアルバム『Endtroducing(エンドトロデューシング)』が世界中で大ヒット!
2016年に発表された『The Mountain Will Fall』は、自身初の全米ビルボードDance/Electronicチャートにおいて1位を獲得しています。
今回は、そんな唯一無二のアブストラクトヒップホップのカリスマであるDJ Shadowをご紹介します。
ブレイクビーツとは
DJ Shadowは、インストゥルメンタル・ヒップホップ/ブレイクビーツのアイコンといえる存在です。
彼を紹介する前に、予備知識として少しだけ“ブレイクビーツ”について説明しておきます。
ブレイクビーツとは、レコードのドラム部分だけをスクラッチで演奏したり、サンプラーなどでドラムパートやリズムセクションの一部分をサンプリングしたものを指します。
ブレイクビーツの生みの親は、“ヒップホップ界のゴッド・ファーザー”と呼ばれる、ブロンクス最強のギャング団のトップに立っていたクール・ハーク。
彼がターンテーブルを2つ同時に使い、2枚の同じレコードのドラム部分だけをつなぎ合わせてプレイしたのが、その始まりといわれています。
ブロンクスで生まれたヒップポップは、その後アメリカ全土に広がり、1980年代半ばから90年代にかけ世界へと拡散しました。
ちなみに、ヒップポップを構成する要素には、ラップ、ブレイクダンス、グラフィティ、DJプレイがあります。
“ヒップポップ”は、音楽のジャンルとして一般化されていますが、本来は音楽だけでなく、ダンス、ファッション、アートを含めた黒人の創造性文化を示す呼称です。
DJ Shadowの代名詞、偉大なるデビュー作『Endtroducing.....』
実験的ヒップホップの世界で、重要な役割を担ってきたDJ Shadow。
そんな彼のマスターピースといえる作品が1996年のデビューアルバムである『Endtroducing.....』。
ターンテーブル2台とAKAI MPC60のみで作り上げた同アルバムは、今も世界最高のサンプルベースアルバムとして高く評価されており、“サンプルだけで制作された世界初のアルバム”としてギネスブックにも載っています。
“AKAI MPC60”というのは、80年代後半からビートメイクシーンを支え続けてきた、日本の電子楽器メーカーAKAIのドラムサンプラー。
この機材は、キーボードとして演奏できた最初のドラムマシンで、キーボードのフレーズなどをシーケンスすることができました。
AKAI MPC60は、当時世界中のヒップホップやエレクトロニック・ミュージックのプロデューサーたちの長年の希望を叶えた名機です。
ヒップホップの枠を超えたシャドウのサンプリングは、ロック、ソウル、ファンク、ジャズなどの要素をミックスした音楽のモンタージュのようです。
トラックの大半は、中古レコードの山から見つけた掘り出し物のサンプルを何層にも重ねて編集されていますが、ただの寄せ集めで終わらないのが、さすがDJ Shadow!
この作品は、90年代に発表された多くの作品の中でも、音楽史に残るアルバムとして高い評価を受けています。
洋楽は歌詞の意味が分からないから苦手…とい方も、インストゥルメンタルが中心の同作であれば、サウンドそのものを楽しむことができると思います。洋楽初心者、DJ Shadow初心者の方におすすめのアルバムです。
DJ Shadowのプロフィール&ディスコグラフィー
1972年6月29日生まれ、アメリカのカリフォルニア州出身のDJ・音楽プロデューサーで、本名はJosh Davis(ジョッシュ・デイヴィス)。
10代の頃から地元の公共ラジオ局KDVSにてDJ活動を行い、アンダーグラウンドシーンにて作品を発表していました。
その後、大学時代に出会った仲間たちとレーベル“Solesides(ソールサイズ)”を設立。
1991年にミックステープ『Reconstructed From the Ground Up』、初レコード・シングル「Lesson 4/The Real Deal」をリリースしました。
1996年、ジェームス・ラヴェル主宰レーベル“Mo'Wax”から『Endtroducing.....』でデビュー。同年にメジャー・レーベルに移籍。
2000年、自身のレーベル名“Solesides”を“Quanumm”に変更。それまでのレーベルでの作品をまとめた「SoleSides: Greatest Bumps」をリリース。
2002年にリリースされた2ndアルバム『The Private Press』は、全米ダンスアルバム・チャート3位を獲得し、日本を含む世界中で高いセールスを記録しました。
2004年にライブアルバム 『Live! In Tune and on Time』、2006年には待望のフルアルバム『The Outsider』をリリース。
4年ぶりとなるフルアルバム『The Outsider』は、“メジャー・レーベルらしいアルバムを作る”というコンセプトのもとで制作。
これまでのダークでアンビエントな“シャドウ・ワールド”に、ポップでキャッチーなメジャーらしさが加わったアルバムになっています。
2011年、5年ぶり通算4枚目のアルバム『The Less You Know、The Better』をリリース。
レーベル移籍後の2016年、キャリアの集大成ともいえる5枚目のアルバム『The Mountain Will Fall』をリリース。
最新作は2019年リリースの『Our Pathetic Age』。前半はインストゥルメンタル、後半はヴォーカルをフィーチャーしたダブル・アルバム。
この作品は、初のオーケストラ・サウンドに挑戦したナンバーや豪華ミュージシャンとの共演曲など充実の内容となっています。
その他、ソロ以外での活動、ミックスやコラボアルバムなども多数発表しており、1990年代から現在もなお最前線で活躍しています。
DJ Shadowを知らなかった方は、名盤『Endtroducing.....』と併せて、ぜひこちらの最新アルバムも聴いてみてください。