【フジファブリック】メジャーデビューシングルとしてリリースされた「桜の季節」に込められた想いを読み解く

今年で結成20年を迎える日本のロックを牽引するバンド「フジファブリック」。彼らのメジャーデビューシングル『桜の季節』は春の別れを切なく描いた名曲です。今回はそんなフジファブリックの『桜の季節』の歌詞に込められた想いを考察していきます。

記事の目次

  1. 1.日本を代表する邦楽ロックバンドとして名高いフジファブリック
  2. 2.メジャーデビュー後の1stシングルとしてリリースされたのが「桜の季節」
  3. 3.「桜の季節」に込められた切ない想いを歌詞から読み解く
  4. 4.まとめ

『桜の季節』は春の切なさを歌いあげた名曲

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2004年4月14日に発売されたメジャーデビューシングルです。四季を基調に作られた連作シングルの第1弾。

この後、夏、秋、冬をテーマにした曲をリリースしていきます。ファーストアルバムの「フジファブリック」の一曲目にも収録。
アルバムは再収録のため、シングルとは別バージョンです。曲のテーマは「春と別れ」。志村が作詞作曲した独特の歌詞とメロディとピアノをフューチャーしたサウンドがどこか懐かしさと新しさを感じる不思議な感覚の曲となっています。


 

ミュージックビデオには桜が一度も出てこない!?

MVは、ファッションモデルの東野翠れん・JUNKOが出演。監督はスミスが担当。スミスはサザンオールスターズやいきものがかりなど多くのMVを担当しています。

桜の季節のミュージックビデオにはなんと桜が一切登場しません。桜をテーマとした曲は数多くありますが今までMVに桜が登場しなかったというのは前例がないのではないでしょうか。監督は「いかに桜を出さずに『桜の季節』だと思わせるか」をコンセプトに製作をしたそうです。MVは2人の女子高生の出会いと別れを描いた内容で観ている人の想像を掻き立てられる作品となっています。

 

ちなみにスミス監督の制作したMVにはよく女子高生が登場しています。『桜の季節』以後の担当したMVでも女子高生が登場しています。例えば『銀河』などです。


 

「桜の季節」に込められた切ない想いを歌詞から読み解く

フリー写真素材ぱくたそ

 

桜の季節過ぎたら

遠くの町に行くのかい?

桜のように舞い散って

しまうのならばやるせない

 

こちらはサビの歌詞です。
桜が咲く季節といえば春です。春と言えば入学式、卒業式、
入社式、新生活など新しい出会いや別れの季節です。この歌は春の別れのテーマにした歌です。

この歌詞の主人公の語りかけている相手は遠くの町に引っ越しをしてしまいます。そしてこの別れが、主人公はやるせないと表現しています。やるせないとは「どうにもならない状況で気持ちのやり場がない」と言う意味です。つまりこの主人公にとってこの別れはどうにもならないことでありとても切ないということです。

この別れを主人公は桜に例えています。桜の花びらは春が終わると必ず散ってしまいます。つまりこの別れはいつか必ずやってくるもので自分ではどうにもならないと言うことを表現しています。
この曲の歌詞ではなぜ遠い町へ行ってしまうのか?遠い町に行ってしまうのは誰なのか?については詳細は明かされません。大学に進学するために引っ越しをしてしまう親友、就職をするために上京してしまった恋人など解釈は人それぞれできるかと思います。


 

 

oh ならば愛をこめて

so 手紙をしたためよう

作り話に花を咲かせ

僕は読み返しては 感動している!

 

Aメロでは主人公は手紙を書こうと決意します。手紙を書く相手は誰かと言うとおそらく遠く離れた街に行ってしまう相手にでしょう。

皆さんも人生で1度は遠く離れた相手に手紙を書こうとした経験はあるのではないでしょうか。愛を込めて手紙を書こうとするような相手ですから主人公にとってこの相手はとても大切な人なんだと思います。

当然ながらこの当時から携帯電話など伝達手段はありますが、ピアノの旋律が美しく、幻想的な雰囲気のこの曲には手紙と言う表現方法が1番マッチしていますね。

そして主人公は手紙を書き始めるのですがなんと内容は作り話を書いてしまいます。そして書いた手紙の内容に自分で感動してしまいます。

手紙は面と向かって話すのに比べると自分の思いを正直に伝えることができます。そんな正直な思いを綴ることができる手紙に主人公は少し気恥ずかしさを感じたのではないでしょうか。
そして普通は手紙で感動するのは自分ではなく相手です。自分で書いて感動してしまっていると言う事はこの手紙に対して自己満足な部分があるのだと思います。
もしかすると書いたものの相手にこの手紙を送らないと言う可能性もあるかもしれませんね。

 

oh その町にくり出してみるのもいい

桜が枯れた頃 桜が枯れた頃

その後主人公はその町にくり出してみるのものいいと思いつきます。
そして時期は桜が枯れた頃。桜が枯れるというのは桜の葉が枯れる時期、つまり秋です。
また桜が枯れたという表現は桜そのものが枯れるという解釈もできます。桜の木の寿命は80年くらいです。
つまりもう2度と相手と会うことはないかもしれないという表現にも思えます。

坂の下 手を振り 別れを告げる

車は消えて行く そして追いかけていく

諦め立ち尽くす 心に決めたよ

 

主人公が手を振りながら、車に乗った相手にお別れをする、走って追いかけるが追いつけず、車の姿は小さくなっていき見えなくなってしまうという別れのシーンです。
映画のワンシーンのような情景が目に浮かびます。
そして主人公はある決意をします。主人公はなにを決意したのでしょうか。
また遠い街に住んでいる相手に会いに行く決意なのか、もう2度と会わないという決意なのでしょうか。

まとめ

Photo byKranich17

ここまでのフジファブリックの『桜の季節』の歌詞に込められた意味を読み解いていきました。
この歌詞には主語がほとんどないため『春と別れ』の歌をどういう風に想像するかは人それぞれだと思います。
『桜の季節』以外にもフジファブリックの名曲はたくさんあります。是非そちらも聴いてみてください。

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