コンデンサーマイクとダイナミックマイクの違いとは?
自分の声を録音したりライブで届けたりする際に必要になるのがマイク。
マイクには大きく分けてコンデンサーマイクとダイナミックマイクと呼ばれる2種類のタイプがあります。
今回はコンデンサーマイクとダイナミックマイクの仕組みと違いについて解説したいと思います。
マイクの種類
普段、カラオケやライブ、最近ではネット配信などで利用されるマイク。
大きく「コンデンサーマイク」、「ダイナミックマイク」の2種類があります。
マイクとは、「声を電気信号に変える」という機械です。
この電気信号を使って、録音したりライブのように大きな音に変えたりするわけです。
2つのマイクの違いは、この電気信号の変え方によって分かれます。
コンデンサーマイクとダイナミックマイクの違い
コンデンサーマイクとは?
コンデンサーマイクとは、文字通り電気に変えるためにコンデンサーを利用しているマイクを指します。
コンデンサーとは、電気を蓄えることのできる電気素子です。
マイクの中にダイアフラムという声を感じると震える振動板があります。
ダイアフラムの振動をコンデンサーに伝えると、コンデンサーに貯められている電気が変化し、これが電気信号となります。
コンデンサーマイクはコンデンサーに電気をためるための電源が必要となるのが特徴です。
コンデンサーの電気の変化は繊細な音までとらえらるため、小さな音まで拾うことができます。
その分、繊細にできているため衝撃や振動で壊れやすく、電気が湿度を嫌うことから湿気に弱いことが弱点です。
したがって、取り扱いに注意が必要なマイクです。
コンデンサーマイクには電源が必要と言いましたが、電源を供給するには2つの方法があります。
マイク内部に電池を使用するパターンとファンタム電源を使用するパターンです。
マイク内部に電池を使用する場合は、決められた電池を入れて使用しますが、すべてのマイクに電池を入れらるわけではないので、購入する際に電池を使用できるかどうか確認しましょう。
もう1つのファンタム電源とは「ファンタム(ファントム)」つまり「幽霊」のように表向きには見えない電源という意味です。
ミキサーやマイクアンプなどに「+48V」とか「PHANTOM」と書かれたスイッチがあります。
これを押すと、つながるマイクに電源が供給される仕組みになっています。
注意点としては、電池を使用する場合はこの電源を供給すると2重に電源が供給され、最悪の場合は壊れてしまうことがあります。
ダイナミックマイクとは?
ダイナミックマイクとは、ダイアフラム(振動板)の振動を直接電気に変えるタイプのマイクです。
ダイアフラムにコイル(巻線)が付いており、このコイルが磁石の中に取り付けられています。
コイルが磁石の中で振動すると、電気信号が発生し、これが信号となり取り出されます。
構造が簡単なうえ、振動にも強く電源も不要であることから、取り扱いが簡単なマイクです。
また、大きな音も取り扱うことができるため、ボーカル以外に楽器やギターアンプなど電子音にも使用することができます。
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振動板とコイルの構造上、小さな音を拾うことがあまり得意ではなく、また音の拾える範囲もマイク前方になる単一指向性と呼ばれる特性があります。
単一指向性とは、別名カーディオイドと呼ばれマイク前方は音が拾えるのに対し、後方側は拾いにくいという特性を言います。
この特性を利用し、バンドにおけるボーカル用などマイクの前の音はきちんと拾い、バックのバンドの楽器音は拾わないようにするといった使い方をすることが一般的です。
両者の違い
大雑把にまとめると、次のようになります。
コンデンサーマイク
- 小さな音も繊細に拾える
- 振動や湿気に弱く取扱いに注意が必要
- 電源が必要
ダイナミックマイク
- 大きな音にも使うことができる
- 振動や湿気に強く取扱いが容易
- 電源が不要
例えばライブのような会場で使う場合、移動・運搬やライブ中のパフォーマンスを考えると堅牢性が必要になりますよね。
そうするとコンデンサーマイクは使いにくく、ダイナミックマイクを使うことが多くなります。
一方、スタジオレコーディングなど繊細な音を録音したり、楽器の音を忠実に拾うなど音質を追及する場合など、どっしり構えて使用する場合はコンデンサーマイクが適していると思います。
どちらが優れているというのではなく、2種類のマイクを目的に合わせて使い分けるようになれると良いのではないでしょうか。
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