【あいみょん】映画『空の青さを知る人よ』のために作った曲!映画と同じタイトルで作られた楽曲について徹底考察!
あいみょんの『空の青さを知る人よ』は映画の主題歌となった楽曲です。映画とリンクした歌詞は、切ないながらも背中を押してくれるような内容になっています。そんな『空の青さを知る人よ』の映画との関連性や、楽曲の歌詞に込められた想いについて考察していきます。
映画の主題歌として書き下ろされたこの楽曲は、あいみょんさんの9枚目のシングルとして発表されました。
爽やかなバンドサウンドと切ない歌詞からは青春の影を感じざるをえません。
PVでは、モノクロの世界から青空の世界へと開けていくことで心の移り変わりを描いています。
そして、楽曲の歌詞は映画の内容とリンクしており、あいみょんさんが込めた想いを読み取ることができます。
歌詞を考察
全然好きじゃなかった
ホラー映画とキャラメル味のキス
全然好きになれなかった
それなのにね
今は悲鳴をあげながら
君の横顔を探している
短いイントロが明けて始まるこの歌詞は、すでにいない「君」について語っています。
好きじゃなかったものが好きになれたのも、君という存在がいたからなのでしょう。
好きな人に影響されて趣味が増えるというには恋人関係ではよくあります。
主人公にとっては、その趣味を楽しむのには君がいなければ意味がないのです。
空虚な心の落とし穴
暗すぎてなにも見えない
根拠なんて一つもないのにさ
身体が走り出してく
ぽっかりと空いてしまった心の空間の先に、何の未来も感じれずにいます。
生きる意味も失ってしまったとすら感じているかもしれません。
しかし、その先にはきっと光があると信じて駆け出し始めるのです。
また、自分は止まっているつもりでも時間は勝手に流れていきます。
とにかく駆け出すしかないという意味での解釈もできるのではないでしょうか。
赤く染まった空から
溢れ出すシャワーに打たれて
流れ出す 浮かび上がる
一番弱い自分の影 青く滲んだ思い出隠せないのは
もう一度同じ日々を 求めているから
サビになります。
夕立を描いていることから、季節は夏だということがわかります。
涙を流し、君との思い出を思い出しながら走る主人公。
そんな弱い姿を雨が洗い流してくれているようです。
雨に打たれながら涙を隠す、主人公の少し強気な一面も感じ取ることができます。
全然好きじゃなかった
ほら、あの呼び方 漫画の主人公みたいで
全然好きになれなかったんだ
それなのにね
今も似た言葉に身体が動くよ
皮肉な思い出なのさ
ここから主人公の回想に入ります。
主人公は好きでもないあだ名がすっかり自分の中で定着してしまっています。
嫌だと思っていたちょっかいも、されなくなると少し寂しくなっていしまうという気持ちは誰しも経験したことがあるのではないしょうか。
まさに共感を揺さぶる描写です。
何回も右往左往してみても
暗すぎて何も見えない
そうかい まだ隠れているのかい
飛び出しておいで メモリー
まだ暗闇の先には光が見えてこないようです。
しかし、先にある光を待つのではなく、自分の内側にある光を呼び起こそうとします。
それは君との楽しかった思い出なのではないでしょうか。
うじうじとしていた気持ちが変わり始めます。
高く掲げた掌
届く気がしたんだ確かに 回り出す 襲いかかる
悪魔の顔をした奴らが
会いたい人に会えない
そんな悪夢を 雲に変えて
食べてやるよ 悲しくなるから
下を向いていた気持ちが上を向き始めます。
暗い気分ばかりを思い起こそうとする自分自身の弱さを悪魔に例え、それを押し殺そうとしています。
心の中では完全に忘れることができないと分かっていても、とにかく前を向くのです。
ある意味、強がっているとも解釈できます。
いつも いつも いつも いつも
君が 君が 君が 君が
最初に いなくなってしまう
なんで なんで なんで なんで
僕に 僕に 僕に 僕に
さよならも言わずに 空になったの?
ここで初めて君は亡くなってしまった存在であることがわかります。
死というのは都合よく訪れるものではありません。
君の最期の瞬間に立ち会えなかった悔しさが今までの詞に綴られていたのです。
同じ言葉を何度も繰り返すことで、悔しさがより強調されています。
好きになった人が傍にいてくれることがどれだけ尊いことなのかを感じていただきたいです。
そして、もう一度一番と同じサビに戻り、最後の歌詞へと続きます。
君が知っている
空の青さを知りたいから
追いかけている 追いかけている
届け
君を追って自ら命を絶とうとしているようにも読み取れますが、そうではありません。
誰しもが、生きているということは死に向かって進んでいるのです。
この詞には、自分も君と同じ場所へと行けるように生き続けるという決意が込められています。
タイトルの『空の青さを知る人よ』というのは君のことでした。
下から見れば曇り空でも、天国から見た空はいつだって青く美しいのです。
『空の青さを知る人よ』映画と楽曲の共通点
楽曲では亡くなった人のことを想い綴っています。
映画では主人のあおいの両親が死別となっていますが、楽曲との関連性は薄そうです。
唯一関連がありそうなのは、13年前の姿で現代に現れた金室慎之介(しんの)です。
あおいは本来存在するはずのない彼に恋をします。
しかし、当然そんな恋が報われるはずはありません。
そして、あおいが「泣いてないし!」と強がりながら走る場面が予告編では映されています。
まさにその場面こそが楽曲の世界観とリンクしている部分です。
主人公の別れと決心こそが、映画と楽曲の共通したテーマであると解釈できます。
本編の主題歌が挿入されるタイミングでは、鳥肌が立つくらい感動すること間違いなしです。
2020年4月29日には円盤化も決まっているので、細かい内容が気になる方はぜひチェックしてみてください。
エンディング曲『葵』
映画のエンドロールで流れる楽曲もあいみょんさんが担当しています。
『葵』と名付けられたこの曲名は花の名前からとった言葉だそうです。
偶然なのか狙ってなのかはわかりませんが、映画の主人公の名前と同じとなっています。
アコースティック楽器がメインで、陽気な真昼の雰囲気を纏った楽曲です。
『葵』の歌詞の中にも空の青さについて歌っている部分があるので紹介したいと思います。
サヨナラ いつかの少年の影よ
また会おうな まだただいま
言える場所はとっておくぜ
この大空の青さを瞳のパレットに
潜らせて 包み込んで
涙さえも味方に
大人になった自分が子供だったころの自分に別れを告げる歌詞です。
子供のころに描いた夢は叶わなかったけれど、その悔しさも味方に変えて進んでいこうという前向きな曲となっています。
映画では大人の金室慎之介と高校生の金室慎之介が喧嘩をする場面があります。
音楽で成功するという真っ青な夢を語る子供の自分に、大人の慎之介はイラついてしまうのです。
しかし、それこそが自分が失ってしまった大切なものであることにも気づきます。
多くの人が子供のころに描いた夢を叶えることはできません。
それが現実だと受け入れることが大人になるということだともいえます。
だからといって夢の全てを捨ててしまうのではなく、いつかは叶うかもしれないと気長に思い続けていた方が人生は明るくなります。
光り輝く夢という太陽のそばには、かならず青空が広がっているからです。
『葵』は忘れかけていた青春の影を思い出させてくれる素晴らしい楽曲だと思います。
大人になった方にこそ聴いてほしいです。
まとめ
あいみょんさんが担当した映画の主題歌『空の青さを知る人よ』の紹介をさせていただきました。
映画と楽曲が深く結びついているからこそ、様々な解釈で楽しめる作品となっています。
この曲を聴きながら、自分の青春の影を振り返ってみてはいかがでしょうか。
映画と楽曲の両方に興味を持っていただけたら嬉しいです。
最後に、『空の青さを知る人よ』のライブ映像が公式のYouTubeチャンネルで公開されています。
あいみょんさんは生歌でこそ実力が発揮されます。
ライブという別の視点からもこの楽曲を楽しんでみてください。
- 1
- 2