バイオリンで音が鳴る仕組みと各部位の名称をご紹介!
バイオリンは弦を弓で弾く楽器です。弾かれた弦は、細かく振動してそれが音の源となります。弦で発生した音の源が駒を通じて、バイオリンのボディに振動を伝え、ボディ全体で音を響かせます。バイオリンの美しい音色を支える部品について、名称と役割をご紹介します。
バイオリンで音が鳴る仕組み
弦楽器の代表選手であるバイオリンは、弓を弾いて音を鳴らす楽器です。
弓を弾いた際に、弦が細かく振動しそれが音の源となります。でもこれだけではバイオリンの美しい音色にはなりません。
弦で発生した音の源が「駒」と呼ばれる部品を通じて、バイオリンのボディに振動を伝えます。
この駒から振動がボディ伝わると、ボディの空洞の中で音が響き渡り、美しいバイオリンの音色になるわけです。
バイオリンの各部位ごとの名称
駒やボディ以外にもバイオリンの美しい音色を支える部品がたくさんあります。ここでは、各部位ごとの名称とその役割についてご説明いたします。
弦
弦楽器の名の通り、弦はバイオリンの音の源を作るものです。中央に4本貼られていて、向かって左からG線(ソ)、D線(レ)、A線(ラ)、E線(ミ)と呼ばれています。
素材により3つの種類があります。
スチール弦
金属でできた弦で、取り扱いが簡単で大きな音が出やすいことから、初心者や子供用のバイオリンに使われています。金属で硬いため、シャープな音が出ることが特徴です。
ナイロン弦
合成繊維でできた弦です。スチール弦並みに取扱いが簡単で、金属と違い音が柔らかいことが特徴です。現在のバイオリンの主流の弦です。
ガット弦
羊の腸から作られた昔ながらの弦です。バイオリンの音といえばガット弦を指すくらい、歴史のある弦です。
ただし、湿度や温度の影響を受けやすく、取り扱いが難しいことが難点です。
また、弓で鳴らすのも技術が必要で、ガット弦は上級者向けの弦です。バイオリンをやった方なら、一度はガット弦を弾いてみたいですよね。
ボディ
バイオリンの中心となるボディは、弦の音を響かせる振動板の役目を持っています。弦がある面を表板、その反対面が裏面、そして側面部分を側板といいます。
また、弦を指で押さえる部分をネックといいます。
表板の素材は「スプルース」と呼ばれるマツ科の木材が使われています。
また、表板の左右には「f字孔」と呼ばれる穴があるのが特徴的ですよね。
裏板、側板、ネックには楓が使われています。「メイプル」とも呼ばれますよね。
ボディの中は空洞構造なのですが、f字孔から覗くと「魂柱(こんちゅう)」と呼ばれる丸い柱が立っていることがわかります。
表板の振動を裏板に効果的に伝える役割を担っています。
駒(ブリッジ)
駒(ブリッジ)には大きく2つの役割があります。
- 弦が所定の位置からずれないように支える
- 弦の音を表板に効果的に伝える
もう1つは、弦で発生した音を表板に効果的に伝えることです。素材は楓でできています。
駒はボディに固定されているのではなく、弦と表板に挟んでいるだけなので、衝撃を与えると倒れてしまいます。
弓
バイオリン演奏の特徴である弓は、構造を支える竿と弦を弾く毛の部分からできています。
竿は、「フェルナンブコ」という木材でできています。このフェルナンブコは大変固く強度があるため、弓にもっとも適した材料と言われています。
しかし、近年はフェルナブコが激減して絶滅危惧種に登録されています。
そこで、最近はカーボン弓が登場しています。カーボンはいろいろな製品に使われているように、取り扱いも容易で、強度もある素材です。フェルナンブコに比べ硬さがあるのが弱点ですが、木材に比べ曲りや変形が無いため、初心者には取り扱いやすい弓です。
また、毛の部分は馬の尻尾が使われています。1つの弓に200~300本の毛が束ねて使われています。
弦と摩擦が起きるので、切れたり細くなったりするので、定期的に交換する必要があります。演奏中に毛が弓から飛び出ている光景を見かけることがありますよね。
弓を英語で「ボウ」というため、バイオリンの弓を弾くことを「ボウイング」と言います。
バイオリンの各部位の名称についてのまとめ
バイオリンの各部位について、名称とその役割について紹介しました。
ただ弦の音が聞こえているわけではなく、楽器全体でバイオリン特有の音が作られているんですね。
バイオリンの音を聞く機会があった際には、ここで紹介したすべてが音を作り出していることを想像しながら聞いてくださいね。
バイオリンの駒