大ヒット映画「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」主題歌のback number「ハッピーエンド」とはどんな曲?独自に徹底考察!

切ない歌詞と歌声から多くの若者から支持されているback number。ハッピーエンドという曲は映画にも起用された事もあり、特に人気があります。ハッピーエンドと聞くと幸せな曲だと思うでしょうが、実は切ない曲なのです。その歌詞に込められた意味とは何でしょうか?

記事の目次

  1. 1.恋愛ソングといえば必ず名前が挙がる、邦ロックバンドback number
  2. 2.切ない歌詞である「ハッピーエンド」は、大ヒット映画「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」主題歌として起用された
  3. 3.『ハッピーエンド』という曲名に反して、歌詞は失恋をテーマにしているらしい?
  4. 4.歌詞だけじゃない!ハッピーエンドのコード進行から見えるモノ
  5. 5.まとめ

ハッピーエンドと聞くと「明るい曲なのかな?」と思うかもしれません。映画自体も切ない内容であり、楽曲自体もタイアップに基づいて失恋をテーマにしたものになっています。

せっかくこの女の子が強がって、相手にとってハッピーエンドにしたいのかなんなのか、一生懸命に嘘をついているので、だったらタイトルまで嘘をつかせてあげないと可哀そうだなぁって思って。

とインタビューで清水は述べています。ハッピーエンドとは相手にとってのものであり、主人公にとっては必至の強がりであり、嘘だったのです。主人公にとってはハッピーのエンド…つまり「幸せの終わり」と言う意味にも取れますね。PVも切ない仕上がりとなっています。

ハッピーエンドの歌詞を徹底考察

ハッピーエンドの歌詞から読み取れる主人公の心境はどのようなものでしょうか?

さよならが喉の奥に 
つっかえてしまって
咳をするみたいに 
ありがとうって言ったの

次の言葉はどこかと 
ポケットを探しても
見つかるのはあなたを 
好きな私だけ

場面は彼から別れ話を切り出された所からです。もう彼の気持ちは冷めていて、元に戻る事はなく、主人公はそれを受け入れます。「さよなら」を言うつもりが、気持ちとは裏腹に出てきた言葉は「ありがとう」でした。

それに続く言葉を言おうとしても、「好き」「別れたくない」等、「さよなら」とは程遠い言葉しか出て来ません。

ポケットの中を探すというフレーズから、季節は冬で主人公はポケットに手を突っ込んでいる様子が浮かびます。
 

平気よ大丈夫だよ 
優しくなれたと思って
願いに変わって 
最後は嘘になって

主人公は別れを受け入れ、平気、大丈夫と自分に言い聞かせます。でもそれは真実ではなく、願望にすぎない事を分かっているのです。

青いまま枯れていく
あなたを好きなままで消えていく
私みたいと手に取って
奥にあった想いと一緒に握り潰したの
大丈夫 大丈夫

今すぐに抱きしめて
私がいれば何もいらないと
それだけ言ってキスをして
なんてね 嘘だよ ごめんね

恋にはいつか終わりがきます。それは寿命かもしれませんし、自分の気持ちが冷める時かもしれません。ただ主人公はまだ彼の事を好きなままです。予期せぬ恋の終わりの事を「青いまま枯れていく」と表現しています。
 青いまま枯れていく、奥にあった想いと一緒に握りつぶした等、この部分は恋が終わる瞬間をかなり残酷な表現で表しています。

…本当はいますぐに抱きしめて欲しい。
…私がいれば何もいらないと言って欲しい。
…そしてキスをして欲しい。
これらは間違いなく本心ですが、主人公はそれを嘘と言い張るのです。

こんな時思い出す事じゃ 
ないとは思うんだけど
一人にしないよって 
あれ実は嬉しかったよ

あなたが勇気を出して 
初めて電話をくれた
あの夜の私と 
何が違うんだろう

主人公が思い出すのは彼が一人にしないと言ってくれた日の事。そして初めて電話をくれた日の事でした。

自分はあの日から何も変わっていないのに、何故彼の心は離れていくのだろう。そう自問自答をしています。

どれだけ離れていても
どんなに会えなくても
気持ちが変わらないから
ここにいるのに

主人公は彼とどれだけ離れていても、好きな気持ちは変わらないと考えています。「ここ」とは彼の隣という意味でしょうか?

青いまま 枯れてゆく
あなたを好きなままで消えてゆく
わたしをずっと覚えていて
なんてね 嘘だよ 元気でいてね

2題目のサビは1題目と大きく変わりません。「青いまま枯れていく」というフレーズをもう一度サビの頭に持ってくる事でサビをより印象付けています。

「別れた後もずっと私を覚えていて欲しい」
これは主人公の本当の気持ちですが、それを彼に伝えるときっと困るでしょう。だからそれは嘘だと自分に言い聞かせ、彼が元気ならそれで良いと考えたのです。

泣かない私に
少しほっとした顔のあなた
相変わらず暢気ね 
そこも大好きよ

別れ話を切り出した時、彼はきっと主人公が泣くと思っていたのでしょう。泣かなかった主人公を見て、彼はホッとしています。長年付き合っていたなら、彼女の性格も把握しているとは思いますが、彼の心境は表情でしか知る事は出来ません。

主人公はそんな身勝手な彼の事を暢気(のんき)と表現しています。そしてそんな彼の事はずっと好きなままです。

気が付けば横にいて
別に君のままでいいのになんて
勝手に涙拭いたくせに
見える全部聴こえる全て
色付けたくせに

青いまま枯れていく
あなたを好きなままで消えてゆく
私みたいと手に取って
奥にあった想いと一緒に握り潰したの
大丈夫 大丈夫

今すぐに抱きしめて
私がいれば何もいらないと
そう言ってもう離さないで
なんてね 嘘だよ さよなら

ここは最後のサビであり、最も感情の起伏が表れている箇所です。

気が付けば横にいて、「別に君のままでいいのに」と言って涙を拭いてくれたのは、彼と主人公が幸せだった時のエピソードでしょうか。彼といた時間、主人公の見える景色、聴こえるもの全てが明るく色鮮やかなものだったのでしょう。

この部分は「色付けたくせに」と心情が強く表れています。これは本当はもっと伝えたい事があるのに、言えない事からくるものでしょう。

主人公は別れる時も別れた後も彼を好きなままです。

「私がいれば何もいらない」そう言って本当は抱きしめて欲しい。本音はそうだと分かっているのに、それを嘘だと言い張ります。1題目、2題目では、それを嘘と言い張る部分で心情は止まっていましたが、主人公は最期にある言葉を彼に言うのです。

「さよなら」と…。

Aメロの冒頭で主人公は「さよなら」が喉の奥につっかえてしまい、言う事が出来ませんでした。しかし最期にその言葉を言う事が出来たのです。

歌詞だけじゃない!ハッピーエンドのコード進行から見えるモノ

歌詞だけでなく、コード進行にも工夫がみられます。「ハッピーエンド」というタイトルにも関わらず、イントロは暗い印象を与えるコード進行です。初めて聴く人には「あれ?」と思わせるインパクトを与えます。

Aメロは明るい印象を与えるコード進行となり、Bメロはイントロに近い悲しげなコード進行となります。

サビは王道進行に似た進行が使われます。王道進行は数々のヒット曲に使われた進行であり、サビによく用いられます。切ない曲とは言え、歌ってみると分かりますが、非常に気持ち良いメロディーとなっています。

ハッピーエンドの場合、この王道進行に工夫がみられます。

サビの最初はDM7→E7→C♯mC♯7→F♯m7 というコード進行ですが、C♯mC♯7と1つの小節の中で明るいコードと暗いコードが使われているのです。これは感情の起伏を表していると思われます。

イントロ→Aメロ→Bメロ→サビと主人公の気持ちは目まぐるしく変わっていきます。これは歌詞だけでなく、コード進行も同様です。

仮タイトルの「回転する」とは主人公の揺れ動く気持ちを表現したものだったのですね。

まとめ

いかがだったでしょうか?ハッピーエンドという幸せそうなタイトルの中に主人公の切ない気持ちが込められています。back numberの中でも特に名曲と言われているハッピーエンド。是非聴いてみましょう。

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