【back number】恋人との別れを綴った『思い出せなくなるその日まで』が切なすぎる。歌詞から想いを徹底考察

10代から30代までの若者から人気を得ているバンド、back number。

シンプルだけど耳に残るメロディーや、美しく共感しやすい歌詞などの要素が合わさって、多くの人から支持を得ています。
若者の苦悩を歌ったり、日常的な幸せを歌ったりと、back numberはさまざまな曲を生み出しています。その中でも特に話題を集めるのが、恋愛ソングです。

弱い心をダイレクトに表現する歌詞や、言葉の言い回しが特徴的で、恋愛ソングを発売すると必ずと言っていいほどヒットしています。映画やドラマの主題歌にもよく起用されています。

さらにボーカルの清水依与吏（しみず　いより）さんの声は、高音のなめらかさと強さのバランスが絶妙で、とても魅力のある歌声です。この歌声が、曲の良さをさらに引き立てる大きな要素の一つとなっています。

メジャーデビュー曲である「はなびら」は、別れた恋人を歌った曲。さらにCMソングに起用された「ヒロイン」は若い世代から人気を集めました。

そしてPVの再生回数が1億回を突破した「クリスマスソング」は、back numberらしい切ない恋心を歌っています。

恋愛ソングといえば、back numberと言っても過言ではありません。

今回は、発売から根強い人気がある「思い出せなくなるその日まで」を取り上げて、歌詞の意味を考察していきます。

back numberの「思い出せなくなるその日まで」という曲は、2011年10月5日に3枚目のシングル曲として発売されました。のちに1stアルバムの「スーパースター」に収録され、このアルバムはゴールドディスクに認定されました。

2016年に発売され、ロングヒットしたベストアルバム「アンコール」にもこの曲が収録されており、たくさんの人に聞かれています。

「思い出せなくなるその日まで」というタイトルからは、過去に大切にしていた何かを今も思い出していて、いつか思い出せなくなる日が来るのかな、と夢を見ているような感情が読み取れます。

YoutubeではPVが公開されており、ショートバージョンを見ることができます。一人の女性がベランダから洗濯物をとりこんだり、ソファーベットに寝転んだり、公園のすべり台で遊んだりしていて、日常的な生活の断片を見ているような映像です。

全てホームビデオで撮っているような映像で、ふわふわと懐かしい思い出に浸っているような感覚になります。こちらを見ながらよく笑っている女性の笑顔が印象的です。

タイトルやPVから読み取れるポイントは、過去の大切な人との思い出をテーマにしているということです。どういった関係の二人だったのか、曲に出てくる「私」は、今どのような思いを抱いているのでしょうか。

それでは歌詞の内容を紐解いてみて、「思い出せなくなるその日まで」曲の意味を考察していきます。

back numberの「思い出せなくなるその日まで」の歌詞には、大切な人を思い出している切ない気持ちが描かれています。大切な人への愛する気持ちを歌っているのと同時に、簡単に人には言えないような重い悲しさも表しています。

悲しい感情を抱えることは、生きていく上で避けては通れないことかもしれません。しかし、こういった難しい感情を曲にすることで、多くの人が共感したり、癒されるのではないでしょうか。

back numberは「思い出せなくなるその日まで」の中で、その感情をありのままに表現しながらも、美しい言葉とメロディーで素晴らしい曲に昇華しています。

悲しい感情を潤してくれるような楽曲であるため、今でも多くの人の心を動かしているのではないでしょうか。

それでは「思い出せなくなるその日まで」の歌詞の意味を探っていきましょう。

 

back numberの「思い出せなくなるその日まで」は、イントロで寂しいピアノのメロディーが流れ、最初の歌詞に入ります。

 

曲の冒頭の歌詞では、大切な人がいなくなった日常を過ごしている「私」が描かれています。サビに入るまでは「悲しい」といった言葉は出てきませんが、言葉のひとつひとつから悲しい思いを抱えていることが読み取れます。

「思い出せなくなるその日まで」の後に続くのは、「何をして何を見て息をしていよう」。この言葉からは、どうやって生きていけばいいのか、少し呆然としている姿が浮かんできます。

この曲を、back numberの恋愛ソングとして解釈できますが、曲の主人公である二人はどのように別れたのでしょうか。

お互いの関係を良くすることができなくて、別れたという解釈もできます。しかし、歌詞には、また簡単に会える相手ではないと受け取れる言葉が出てきます。「いなくなっても日々は続いてく」、そして「息をしていよう」。

これらの言葉からは、別れたから日常的には会えないというよりも、絶対的な意味で会えないという印象を受けます。

すなわち、死別した相手に向けて歌っているのではないでしょうか。

生きることに関わる言葉に注目して聞いてみると、もう絶対に会うことができない二人の曲ではないかと推測できます。

 

back numberの「思い出せなくなるその日まで」の中で、サビで繰り返される歌詞があります。

 

ここで歌われているのは、あなたがいないということの喪失感の大きさです。

二人でいた記憶が全てなくなってしまうと、一体私はどうなってしまうのか。

この曲に出てくる「私」は、「もうそれは私ではない」とはっきり言っています。
あなたといた時間が今の私を作っている大きな要素であり、それがなくなると自分自身ではなくなる。それほどまでにあなたの存在が私を作り、支えてくれていたということです。

そして、「幸せひとつを分け合っていた」という言い回しから、二人がお互いの人生にどれだけ密接に関わっていたのかを知ることができます。

一人ひとりがそれぞれの幸せを作りあげていたのではなく、お互いが力を合わせて「ひとつの幸せ」を生み出していたんですね。

ここのフレーズもback numberらしく、愛のこもった人と人との結びつきが感じられる言葉です。

「思い出せなくなるその日まで」は、悲しさを表現した言葉も多いですが、それと同時に人を思う温かさも感じられる曲になっています。

 

そして、back numberの「思い出せなくなるその日まで」で最も印象的なフレーズがサビの後半に出てきます。

「私の半分はあなたで　そしてあなたの半分は私でできていたのね」というback numberの歌詞には、驚いた方が多いのではないでしょうか。

自分の一部を失ったような喪失感ではなく、半分がなくなるほどの喪失感。よく心にポッカリ穴が開いたと言いますが、その言葉では足りないほどの大きさだということです。

さらに珍しいポイントが、この喪失感を感じているのは私だけではないということです。一般的な歌詞の中では、主人公である「私」の悲しみは自分だけが感じているものであり、それがどれだけ深く悲しいものであるのかを描写しています。

しかし、この歌詞では「あなたの半分は私でできていたのね」と、相手も「私」と同じ大きさの悲しみを感じていることが描かれており、相手にとっても自分の存在が大きかったことを確信しています。
 

2回目のサビの1番最後には「それならこんなに痛いのも涙がでるのもきっと私だけじゃないね」と、一人で抱えていた悲しみが、二人の悲しみだと感じるようになります。

ここの描き方が、とてもback numberらしく、二人の結びつきの強さを表しています。

サビの歌詞を最後まで聞いてみると、「私」は、悲しみを一人で抱えているわけではないという安心感を得られたような印象を受けます。そして今は一緒にいないけれど、同じ感情を共有していることへの感謝とも捉えることができます。

悲しみの捉え方と乗り越え方は人それぞれですが、自分だけの感情だと思っていたものが、他の誰かにも存在すると感じられたら、その悲しみも愛せるようになるのかも……という希望を抱けるような歌詞です。

このような悲しみの描き方はback numberの歌詞のとても特徴的な部分です。「思い出せなくなるその日まで」は、非常に大きな悲しみを歌っていても、最後には温かさを感じられる曲になっています。
 

back numberの「思い出せなくなるその日まで」は、発売から時間が経っても、多くの人に支持されています。

冒頭から大切な人がいなくなるという悲しい歌詞かもしれませんが、最後にはその悲しみすらも愛おしく感じられるのがback numberの曲です。

「私の半分はあなたで」という言葉から始まるフレーズはとても特徴的で、悲しみの大きさとあなたの存在感を直接的に表現しています。このサビを聞くと、とてもエモーショナルな気持ちになります。

「思い出せなくなるその日まで」を聞いて、ただ悲しい気持ちになったり、悲しみと寄り添って生きる強さを感じたり、受け取る感情は人によって違います。

しかし、この曲が訴えているメッセージを受け取って、癒されたり、悲しみに寄り添ってくれたと感じた人もたくさんいるのではないでしょうか。

ぜひこれからもback numberの曲を聞いて、素晴らしい音楽を味わっていきましょう。