Mr.Children『彩り』に込められた想いとは?歌詞から独自解釈してみる

多数の名曲を生み出すMr.Childrenですが、数有る曲の中から『彩り』をピックアップ。その歌詞に込められた思いとはなんなのか? もう一度、『彩り』の歌詞を見つめ直して、その歌世界、桜井さんが見てる世界を理解しようと思います。

記事の目次

  1. 1.日本で知らない人はいないであろう、大物アーティストMr.Childrenの楽曲は意味深なものが多い…?
  2. 2.Mr.Childrenの名曲の一つ『彩り』を読み解く
  3. 3.CMソングとしても起用されている
  4. 4.まとめ

日本で知らない人はいないであろう、大物アーティストMr.Childrenの楽曲は意味深なものが多い…?

Mr.Childrenを知らない人は少ないとは思います。バンドとして15年以上走り続け、メンバー交代もなく、未だに新しいオリジナル・アルバムを出しるづける、数少ないバンドです。そのメンバーで作詞・作曲の殆どを行ってるのが「桜井和寿」です。

ミスチルには紹介しきれない程の名曲が沢山あります。ラブソングも沢山あります。社会に対してものを言う曲もあります。ミスチルの曲にはラブソング以外をを題材にした曲も結構、多いです。

そんな桜井さんが書く「歌詞」は、文学的な表現も多く、歌で聴いてもわからなく、歌詞を見てもピンと来ない事もあります。言葉の使い方が独特に感じる部分もあります。

 

Mr.Childrenの名曲の一つ『彩り』を読み解く

『彩り』は2007年3月14日リリースの13thアルバム『HOME』に収録されている

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ミスチルの13枚目のアルバムが『HOME』です。前作の『I LOVE YOU』から比較すると強いメッセージ性は感じません。むしろ角が取れて優しくなった印象です。アルバムのタイトルが示す通り、自分達が変える場所、家族だったり、普段過ごす場所だったり、それは「日常」をテーマにしたアルバムとなっています。

アルバムのジャケットもよく見ると、「家系図」になってるのがわかります。そんな意味からも「家族の日常」を中心に据えたアルバムだと言えます。アルバム全体を通して聴いても、ロック色の強い曲が少なくなり、ミドル・テンポで歌われた曲が多くなった印象です。シングルにもなった名曲『しるし』はこのアルバムの12曲目に収録されています。

その中の曲でアルバムを象徴する曲がアルバムの3曲目に入っている『彩り』と言えます。ラブソングでもなく、社会批判でもなく、正に日常をそのまま見つめた内容になった曲です。

この曲はLIVEでも何度も演奏されています。アルバムが出る前の「ap bank 'fes 06」のミスチルのステージでいち早く演奏してしまっています。

歌詞から読み解く

「日常」とは様々な人の視点で見えてくるものが違います。この『彩り』の歌の中では桜井さんの日常から見えてるものが書かれています。でも見方によっては、多くの人、サラリーマンだったり、学生だったち、お母さんだったり、誰の目線からでも共鳴できるような意味にも捉える事ができます。

誰かの単純作業

”僕のした単純作業が この世界を回り回って”
”まだ出会ったこともない人の笑い声を作ってゆく”
”そんな些細な生き甲斐が 日常に彩りを加える”


この部分がこの曲の根幹だと思います。桜井さんの日常はギター鳴らして、曲の形にして、メロディーをつけて、歌詞をつけてと、毎度毎度15年間も同じ作業をやっていて、それが何だか日常で、当たり前のお仕事になってしまっていて、曲が出来たからって褒められもしなくなったのかな? と思ったりもします。

でも多くの人達、例えば工場で働く人達が、何かの部品を毎日毎日同じ作業の繰り返しで組み立てたりして、夕方18:00には、また電車に乗って家路に着く毎日の繰り返しです。

でも今一度、自分のやってる仕事を見つめ直すと、その単純作業の積み重ねで、世の中の製品だったり、サービスだったり、音楽が生まれて、受け取った誰かを幸せにする役に立ってるんだよって、改めて伝えてくれているんだと思います。

そんな風に考えたら、自分がやってる仕事は「意味がある」と思えれば、その仕事に誇りを持って生きていけるし、その単純作業が世の中の役に立ってると思えたら、それが生き甲斐となって、人生が色をつけて輝きだすんだよっと言ってるんだと思います。

ゴミ箱に捨てられたカタログ

2コーラス目のサビの歌詞も気になります。

”憧れにはほど遠くて 手を伸ばしても届かなくて”
”カタログは付箋したまんま ゴミ箱へと捨てるのがオチ”


これは何でしょう? 例えばいつか行こうと夢見た「海外旅行のカタログ」でしょうか? それとも「憧れのマイホームのカタログ」か、いつか買おうとしている「高級車」とかでしょうか?

でも現実をみれば、安月給で働く自分には「そんなの無理」って諦めて、ゴミ箱に捨てられてしまうものを表現してるのが、多くの一般的な人達の日常を表しています。

そんな部分から、桜井さんが多くの一般人の日常の視点でこの曲を書いているんだなと思える部分でもあります。

CMソングとしても起用されている

宮崎あおい出演のオリンパス・デジタル一眼レフカメラ「E-410」

宮崎あおいが出てるオリンパスCMでデジカメE-410のものがあります。E-410のプロモーション企画「E GOES to WORLDプロジェクト」の一環で、ミスチルの『彩り』を使って“もうひとつのミュージックビデオ”を制作するプロジェクト”なるものが当時行われていました。

ファンが撮影した写真を集めて『彩り』の歌詞をイメージした写真をサイトにアップし、採用されれば、その写真をミュージックビデオの一部として使用するという企画があったようです。

まとめ

この『彩り』という曲は桜井さんの新たな観点を見つけた曲です。愛、反社会ではなく、誰にでもある「日常」に目を向けても、ささやかだけど、大切な一コマが沢山あるんだと気づいて、書くことの出来た、新境地の曲だと言えます。
 

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