「アナと雪の女王」のストーリーを盛り上げる『Let it go』について、和訳を合わせて徹底考察!

大ヒット映画「アナと雪の女王」のテーマ曲ともなった『Let it go』は社会現象を起こすほど注目されました。こちらでは「アナと雪の女王」の歌、『Let it go』の英語版の歌詞の和訳を解説。さらに松たか子が歌う日本語版の歌詞とも比較しました!

記事の目次

  1. 1.世界中で歓声が沸いたディズニーのミュージカル映画「アナと雪の女王」
  2. 2.ストーリーだけでなく、メイン曲『Let it go』にも大きな注目が集まった
  3. 3.「アナと雪の女王」主題歌『Let it go』とはどんな曲?和訳を合わせて歌詞を徹底考察
  4. 4.「アナと雪の女王」歌詞などまとめ
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The snow glows white on the mountain tonight
Not a footprint to be seen.
A kingdom of isolation,
and it looks like I'm the Queen
The wind is howling like this swirling storm inside
Couldn't keep it in,
Heaven knows I tried
 

「今夜、山は雪で白く輝き、足跡も残らない
私はまるで、孤独な王国の女王ね
私の心の中に吹き荒れる嵐のように、風が唸り声をあげている
もう抑えこむことができなかったの
でも神様はきっと、私が頑張ってたことを知ってくれているわよね」

この歌が歌われるのは、エルサが王国から逃げ出し、ノースマウンテンに氷の城を造り、もう自分の魔法の力を抑えこんだり隠したりすることをやめて一人で生きていくことを決心するシーンです。

歌詞の内容も、そんなエルサの心情をとてもよく表したような内容になっていると思います。

Don't let them in,
don't let them see
Be the good girl you always have to be
Conceal, don't feel,
don't let them know
Well now they know

「彼らを入れてはいけない
彼らに見せてはいけない
いつだっていい子でいなくちゃならなかった
隠さなくちゃ、そう、感情も押し殺して
彼らには知られてはならない
だけど、もう彼らは知ってしまった」

自分が特殊な魔法を使えることをエルサはずっと隠して、そう、とりわけアナに知られないようにしてきました。
しかし、戴冠式のあと、アナと口論になったエルサは魔法の力を爆発させてしまいます。

Let it go, let it go
Can't hold it back anymore
Let it go, let it go
Turn away and slam the door
I don't care
what they're going to say
Let the storm rage on.
The cold never bothered me anyway
 

「もうどうでもいいの、放っておくわ
これ以上抑えられないもの
もう知らない、放っておくわ
背を向けて、ドアを思いっきり閉めてしまいましょう
みんなが何を言おうとも私は気にしないわ
嵐でもなんでも吹き荒れればいい
私はちっとも寒くないんだから」

この歌詞の流れ、そして映画のシーンと重ね合わせると、「Let it go」は、「もう知らない!」とか「どうでもいいわ」というようなニュアンスなのかなと思いますね。
それまで色々と自分を抑えつけていた彼女が、力を出し惜しみすることなく解放的になった、その気持ちを歌っているのでしょう。半ばヤケっぱちになり、せいせいした、すっきりした、というような気持ちだったんじゃないでしょうか?

「The cold never bothered me anyway」の部分は直訳すると「寒さが私の邪魔をすることはない」という意味になります。この「寒さ」とは、体感的な寒さはもちろんですが、世間の目の冷たさですとかそういう意味も含むのかなと思います。

日本語版歌詞と比べてみましょう

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それでは日本語版の歌詞を見てみましょう。

降り始めた雪は 足跡消して
真っ白な世界に ひとりのわたし
風が心にささやくの
このままじゃ ダメなんだと

とまどい 傷つき
誰にも 打ち明けずに 悩んでた
それももう やめよう

ありのままの 姿見せるのよ
ありのままの 自分になるの
何も怖くない 風よ吹け
少しも寒くないわ
 

英語の歌詞をそのまま、日本語の和訳にしてメロディーに乗せるのは困難ですから、語数が少なくなってしまうのは仕方のないことです。しかし、サビの前までは、ほぼ、英語のオリジナルの歌詞のニュアンスをうまく拾っているんじゃないかなと感じますよね。

そして、「ありのままの姿見せるのよ」「ありのままの自分になるの」、この部分が、元の英語の歌詞と比べるとやや違和感が残ります。それから、映画のシーンと重ねても、どうしてもあの時のエルサが「ありのままの自分になる」とポジティブになってるようには見えない、というのもありますね。

英語版のほうは「外の世界なんかどうでもいい、私は一人で生きていくしもう関係ないわ」と扉を閉めて閉じこもる、イメージなのに比べ、日本語版では扉を開け放って「私は自由に生きるわ」というイメージに感じます。英語版はどちらかというとネガティブモードですが、日本語版はポジティブですよね。

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しかし、「Let it go」の部分を、他にどううまい日本語があるのかというと、難しいですよね。それから、エルサの口の動きに合わせる必要があった、というのも関係してくるのではないかと思います。「go」なので「お」で終わる言葉にする必要があったのでしょう。そのため、「あり『の』まま『の』」という言葉を選んだのではないかなと推測します。

自分を抑えることをやめて「ありのままの自分でいる」ことにした、という意味では全体的な歌詞の意味は沿っている気もしますが、「Let it go」=「ありのまま」という意味ではない、ことは覚えておいてもいいかもしれません。

「Let it go」本来の意味は「放っておく」「好きにさせておく」の意で、この歌も元はそういう、どちらかといえばエルサが開き直った様子を歌っているものなのです。

「アナと雪の女王」歌詞などまとめ

アナ雪 歌詞
Photo byKanenori

こちらでは、ディズニー映画「アナと雪の女王」のテーマ曲、『Let it go』について、その歌詞の和訳や松たか子の歌った日本語版の歌詞との比較をしました。

「Let it go」が本来「ありのままの」という意味ではない、というのは映画が公開され、この曲がヒットしているときにすでにちらほら言われていることではありました。ケチをつける、という意味では決してありませんが、本来の、英語版の意味を理解してから映画を見ると、あのときのエルサの心情がまた違った感じで受け取れるのではないでしょうか。

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