フリギア終止とは?例を交えて解説!

フリギア終止の意味をご存知ですか?終止形のひとつですね。終止形としては、主に「全終止」や「変終止」「偽終止」「半終止」があります。ここでは、フリギア終止の意味について、例を交えてご説明します。また、先の4つの終止形についてもご紹介します。

記事の目次

  1. 1.フリギア終止とは?
  2. 2.フリギア終止の例
  3. 3.まとめ

フリギア終止とは?

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フリギア終止の説明に入る前に、楽節の終止形について、主なものをご紹介します。
これらは、長調の曲でも短調の曲でも同様に使われます。

  • 全終止
  • 変終止
  • 偽終止
  • 半終止

全終止

全終止と呼ばれる終止形には、以下の2種類があります。
 

完全終止

完全終止とは、ドミナント(属和音Ⅴ/属七の和音Ⅴ7)からトニック(主和音Ⅰ)に進行して終止する形を指します。特に、最後の主和音Ⅰの旋律(最高音)は主音が使われます。

そのため、完全に終わったという印象を与えることができます。一般的によく使われる形です。

不完全終止

不完全終止とは、完全終止と同様、ドミナント(属和音Ⅴ/属七の和音Ⅴ7)からトニック(主和音Ⅰ)に進行して終止する形を指します。

ただし、以下が完全終止とは異なる点です。

  • ドミナント、もしくはトニックのいずれか一方かその両方に対し、転回形が使われる
  • 最後の主和音Ⅰの旋律(最高音)が主音ではない
主音がメインに聴こえてこないので、完全に終わったという印象は薄いです。

変終止

変終止とは、サブドミナント(下属和音Ⅳ)からトニック(主和音Ⅰ)に進行して終止する形を指します。
全終止よりも明るく終わる印象を与えます。

偽終止

偽終止とは、ドミナント(属和音Ⅴ/属七の和音Ⅴ7)からトニック(主和音Ⅰ)以外の和音に進行して終止する形を指します。
トニックで終わらないため、まだ曲が続くような印象を与えます。
 

半終止

ドミナント(属和音Ⅴ/属七の和音Ⅴ7)、もしくはサブドミナント(下属和音Ⅳ)で終止する形を指します。
こちらも、トニック(主和音Ⅰ)で終わらないため、まだ曲が続くような印象を与えます。

半終止のひとつに、フリギア終止があります。

フリギア終止

フリギア終止とは、半終止のひとつです。短調の曲において、サブドミナント(下属和音Ⅳ)の第1転回形から、ドミナント(属和音Ⅴ/属七の和音Ⅴ7)へ進行して終止する形を指します。

特に、低音はサブドミナントの第6音からドミナントの属音(第5音)へと進行します。

フリギア終止の例

上記で、フリギア終止とは、サブドミナント(下属和音Ⅳ)の第1転回形から、ドミナント(属和音Ⅴ/属七の和音Ⅴ7)へ進行して終止する形だと説明しました。

ここで、フリギア終止の一例を示します。以下はイ短調です。

フリギア終止の例(イ短調)

ご覧のとおり、下属和音Ⅳの第1転回形(ファ・ラ・レ)から、属七の和音Ⅴ7の(ミ・ソ#・シ・レ)と進行して終止しています。

低音は、第6音(ファ)から属音(ミ)へと進行します。最後の音は不安定な属七の和音V7のため、次に主和音Ⅰがくることを期待されますが、属七の和音V7で終わるのです。

まとめ

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以下に、フリギア終止についてまとめました。

  • フリギア終止は、半休止のひとつで、サブドミナントからドミナントへ進行して終了する形
  • ドミナントの次はトニックが鳴ることを待つ聴き手に、意外性を与えることができ、この先もまだ音楽は続いているのではないかという印象を強く与えることができる
ぜひ、それぞれの終止形がもつ意図を考えて演奏してみてください。
和音の機能や終止形の意図を理解して演奏することで、より聴き手に響く演奏になるはずです。

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