【Official髭男dism】映画主題歌としても大注目を浴びた『Pretender』を徹底考察!
映画『コンフィデンスマンJP』の主題歌としても有名な『Pretender』。今やOfficial髭男dismの代表曲とも言っていいほどの知名度を誇る名曲です。今回は、Official髭男dismの『Pretender』の魅力について注目してみました。
もっと違う設定で もっと違う関係で
出会える世界線 選べたらよかった
もっと違う性格で もっと違う価値観で
愛を伝えられたらいいな
そう願っても無駄だから
Bメロの歌詞は主人公が詐欺師という視点で読み取るととても切ない想いが綴られています。
だます人とだまされる人。
詐欺師側からすれば相手に本当に恋をしてしまうことなど絶対にあってはいけません。いわば禁断の叶わぬ恋なのです。
しかし、ここの歌詞はいろんな人の恋愛にも当てはまるものではないでしょうか。
たとえば好きになる相手が先輩じゃなくて同じクラスの友人として出会えていたら何かが違ったのではないかとか、そんな些細な世界の違いであっても恋愛においてはとても大きな壁となることもあります。
素直に「愛している」と伝えられたらいいのにできない。
願うことさえ無駄。叶わない恋を経験する全ての人の心に刺さる歌詞は、映画の主題歌としてだけに留まらず、Official髭男dismの楽曲としても高く評価されているのです。
グッバイ
君の運命のヒトは僕じゃない
辛いけど否めない でも離れ難いのさ
その髪に触れただけで 痛いや いやでも
甘いな いやいや
グッバイ
それじゃ僕にとって君は何?
答えは分からない 分かりたくもないのさ
たったひとつ確かなことがあるとするのならば
「君は綺麗だ」
自分は“君の運命のヒト”ではないことは分かっている。
それでも傍にいたいと思ってしまう。
“僕にとって君は何?”という自問自答。
“答えは分からない”と言っていますが、本当は主人公は分かっているのではないでしょうか。
分かっているけど、“分かりたくもない”し分かってはいけない。
気付いてはいけない自分の感情があり、それを明確に言葉にすることもできません。
「好きだ」とは言えないからこその「君は綺麗だ」という言葉。
この一言で、主人公が抱える深い愛と切なさや痛みの全てが伝わってくるのです。
曖昧な表現だけではなく、届かない想いを「君は綺麗だ」という明確なセリフで表現しているために聴いた人も自分のリアルな恋愛と重ね合わせやすくなっているのではないでしょうか。
いたって純な心で 叶った恋を抱きしめて
「好きだ」とか無責任に言えたらいいな
そう願っても虚しいのさ
「好きだ」という言葉すら伝えられない2人の関係。
伝えれば何かが壊れてしまうような気がして、この距離感を保つことすらできなくなってしまうかもしれなくて伝えられない。
切ないけど共感できてしまう歌詞に胸が締め付けられます。
グッバイ
繋いだ手の向こうにエンドライン
引き伸ばすたびに 疼きだす未来には
君はいない その事実にCry...
そりゃ苦しいよな
このサビの歌詞は、主人公が詐欺師というストーリーで描かれるロマンスがとてもうまく表現されています。
このラブストーリーはあくまで詐欺で、本当に成就するということは絶対にありません。
だから、ラブストーリーが進めば進むほど、2人の距離が近くなるほど物語は終わりに近づいていきます。
好きだからこそ終わりを引き伸ばしてしまうけど、結局は想いを強めてしまうだけで未来を考えて心が痛むだけ。
詐欺から始まったこの恋愛に2人の未来はないのです。
タイアップとして何かの作品に書き下ろす楽曲であると、作品のテーマや曲調などが細かく提示され制限のある作曲にやはりなってしまうこともありますが、『Pretender』はただ映画の世界観を表現しただけでなくOfficial髭男dismとしての音楽の魅力も存分に見せ付ける楽曲であると思います。
1つの物語が始まることを予感させるロマンチックなイントロ。
この曲で歌われているラブストーリーの切ない余韻を生み出すアウトロ。
細かい部分にもこだわられた楽曲のセンスや藤原の圧倒的な歌唱力を見せ付け、J-POPの魅力を最大限に引き出した名曲です。
まとめ
Official髭男dismは2019年10月9日にはメジャー1stアルバムとなる『Traveler』をリリースし、オリコン週間アルバムランキングで初登場1位を獲得しました。
『Traveler』には今回紹介した『Pretender』や、映画『HELLO WORLD』の主題歌に起用された『イエスタデイ』、2019年の夏の高校野球応援ソングに採用された『宿命』などの話題曲も多数収録されており、聴き応えのある作品となっています。
既にその実力を評価されているOfficial髭男dismですが、これからますます大きな存在となること間違いなしの彼らの今後に目が離せません。
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