【サカナクション】名曲『ユリイカ』のPVは衝撃的な作品らしい?曲に込められた意味を独自解釈!

東京という街を歌ったサカナクションの名曲『ユリイカ』。タイトルの意味から歌詞に込められた想い、インパクトのあるPVまですべてにおいて芸術性とセンスに溢れる作品となっています。今回は、そんな『ユリイカ』の魅力に注目してみました。

Photo byWalkerssk

ここは東京
空を食うようにびっしりビルが湧く街

君が言うような
淋しさは感じないけど

故郷のことを思い出すと、改めて自分は「東京」という街に来たのだとよくも悪くも実感する。

「君が言うような淋しさ」とは、家族に会えなくて、友達に会えなくて淋しくないかといったことでしょうか。

そういった淋しさがないということは、主人公は東京でもうある程度生活ができているのではないかとも読み取れます。

こっちでできた友達もいるし、ご飯も一応ちゃんと食べられているし。

でも、「君が言うような淋しさ”は”」と言った表現から、主人公はまた違った淋しさを感じているとも解釈できます。

思い出した
ここは東京

それはそれで僕は生き急ぐな

いつ終わるかな 風が吹く度 生き急ぐ 生き急ぐ
いつ終わるかな 意味もないのに 生き急ぐ 生き急ぐ
いつ終わるかな 壁が立つ度 生き急ぐ 生き急ぐ
いつ終わるかな 意味もないのに 生き急ぐ 生き急ぐ

主人公が感じている淋しさは、”生きること”に対してかもしれません。

東京に来て生き急ぐ「僕」は、夕陽の色も、その色に染まった髪の色を感じることもできない。

故郷では体に感じていた「風」も、東京ではただ急ぐように背中を押してくるような冷たいもの。

「壁が立つ度」というのは、新しいビルが建つ度にということでしょうか。

私はこの歌詞から、新しい商業施設ができる度にそこにたくさんの人が集まり一時的なブームとして盛り上げ、あっという間に消費していく光景が思い浮かびました。

そういった行動も、ゆっくりそのものを楽しむのではなく流行りに乗り遅れないように群がって生き急いでいるように感じられると思ったのです。

「意味もないのに生き急ぐ」。誰もが漠然と感じている疲労感や虚無感の原因は、ここにあるのではないでしょうか。

Photo byTheAngryTeddy

ちなみに、この「いつ終わるかな」という部分は実際には「いつ yeah yeah 終わるかな」と歌われるのですが、この曲をまだ歌詞が公開されていないときに聴いた視聴者が「いつ永遠終わるかな」と聞き間違えるということがありました。

それを聴いた山口一郎はそっちの歌詞の方が素敵だから変えようかと考えたそうで、そうした偶然の産物すら芸術的になるサカナクションの楽曲ってすごいなと思います。

また、「いつ永遠終わるかな」と聞こえたというリスナーのセンスも素敵ですし、その歌詞の方がいいと素直に言ってしまう山口一郎の人柄もなんだか微笑ましいですね。

なぜかドクダミと
それを刈る母の背中を思い出した

ここは東京
蔦が這うようにびっしり人が住む街

どうしてかふと思い出す母の姿は、こちらを向いて笑っている姿などではなく一生懸命に、静かに、温かく自分を支えて守ってくれていた背中。

丸まった背中に対してどうしようもなく溢れる温かさや感謝や母への愛情。感情が湧き出る瞬間を絶妙に表現した歌詞のセンスを見せつけられます。

「蔦が這うように」という表現は、PVで横たわって重なり合う女性の姿を思い出させます。

PVに登場する裸の女性たちはまるで命がないもののようにも感じられ、もしかしたら東京の街に立ち並ぶ無機質なビルの風景や「蔦が這うようにびっしり」住む人たちを表現しているのかもしれません。

そう考えると、そんな無機質な街であっても、自分からその手で触れることで何か新しいものを「発見する」ことができるというメッセージがPVには込められているのではないかとも解釈できるのです。

タイトルにもなっている『ユリイカ』。東京という街でも、自分で何かを、時には自分自身を「発見する」。そんな想いが楽曲やPVには表現されているのではないでしょうか。

Photo byPeterDargatz

時が震える
月が消えてく
君が何か言おうとしても

東京で生きる「僕」が発見したこととは何なのでしょうか。

この最後の歌詞から私は、それは「東京に染まってしまった自分自身」ではないかを感じました。

暗闇を照らしてくれる「月」は、街灯も少ない故郷ではより美しく見えたかもしれません。

しかし、東京ではビルに視界を阻まれ、夜でも明るい街では「月」の光も薄れて消えてしまいます。

「君が何か言おうとしても」という切なさや物悲しさを感じさせる最後の一言。

何かに染まるときって、自分自身にその自覚がないことが多いですよね。

気づいたらその街に、気づいたら誰かの色に染められた。

気づいたら東京の街に染まってしまっていたことを、主人公は発見したのかもしれません。

まとめ

Photo byStockSnap

サカナクションらしい世界観や表現で「東京」という街を歌った名曲である『ユリイカ』。

衝撃的なPVも作品の一つとして楽しめますが、決してそのインパクトだけに捉われてこの曲のことを誤解せずに込められた想いを味わってほしいとリスナーとしては思ってしまいますが、サカナクション自身はあえて聞き手を間引くためにこのPVを作成したところもあるようですので、理解できる人だけが聴いてくれればいいという部分もあるかもしれませんね。

人気絶頂のバンドでありながら、こうした前衛的な姿勢を取って自分たちの音楽を貫き続けるかっこよさもサカナクションというバンドの大きな魅力の一つです。

Article Ranking