シューゲイザーとは?おすすめのシューゲイザーバンド5選をご紹介!

シューゲイザーは、1990年代初頭に一時的にブームとなった、イギリス生まれの音楽ジャンルのひとつです。
特徴的なギターサウンドとポップなメロディーから作られるシューゲイザーの世界観を、おすすめのバンドなどとともに紹介しています。

記事の目次

  1. 1.シューゲイザーとは?
  2. 2.おすすめのシューゲイザーバンド5選

シューゲイザーとは?

Photo byFree-Photos

1980年代後半にイギリスで誕生した「シューゲイザー」。
音楽雑誌やインターネットの記事で見かけて、言葉だけは聞いたことがあるけど、あんまりよく知らないという人も多いかもしれません。

シューゲイザーの誕生から、遡ること約30年。
1950年代にロックが生まれて以降、様々なジャンルが派生してきました。
ハードロックやプログレ、パンクなどの聞き慣れたものの他、現在では細分化しすぎて、数えるのも億劫になりそうなほどのジャンルが存在しています。

シューゲイザーもそのひとつで、カテゴリ的にはインディー・ロックやオルタナティブ・ロックのサブジャンルに含まれる音楽です。
シューゲイザーとは、直訳すると「靴を見つめる人」といった意味になります。
床に置かれた歌詞カード、あるいはたくさんの並べられたギターエフェクターや機材を見ながら演奏する様子が、靴を見つめているようだったというのが、始まりだったとようです。

サウンドの特徴は何と言っても、エフェクターなどの機材を駆使したノイジーで歪んだギターサウンド。
それが空間を埋め尽くす中、ボップなメロディーのボーカルがきらめいて、全体としては浮遊感のある幻想的で儚い世界観を創り上げています。

残念ながらシューゲイザーのブームは長くは続きませんでしたが、彼らの残したサウンドに影響を受けたミュージシャンも少なくありません。

おすすめのシューゲイザーバンド5選

シューゲイザーは1990年代半ばに、オアシスやブラーなどのブリットポップのバンド達の台頭と共に衰退していきました。
なので、実質的なブームというのはたった数年だったわけです。

しかし、この10年に満たない間の中で、現在でも名盤として愛聴されているアルバムも生まれ、後世に影響を与え続けているようなバンドも登場しました。
ここでは、そんなシューゲイザーブームの一端を担ったおすすめのバンドを、厳選して5組紹介します。

マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン (My Bloody Valentine)

シューゲイザーと聞いて、おそらく一番最初に思い浮かべるバンドが「マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン」でしょう。

彼らは1984年にアイルランドで結成。
1997年以降はしばらく活動を控えていましたが、2007年に活動再開し、日本では翌年のFUJI ROCK FESTIVAL'08へ参加してヘッドライナーを務めたことも話題となりました。
2013年に発売した、22年ぶりのニューアルバム「m b v」も高い評価を受けています。
 

マイ・ブラッディ・ヴァレンタインのキャリアの中でも、特に1991年に発売されたアルバム「ラヴレス(Loveless)」は、シューゲイザーを一躍世界に知らしめただけでなく、数多くのフォロワーを生むこととなった作品です。

オープニングナンバーである「Only Shallow」は、ハードに歪んだギター、エフェクターなどの機材でノイジーに仕上げられたサウンドが耳を惹きます。
そして、それらに埋め尽くされた空間の隙間からのぞく甘美なボーカルなどは、まさにシューゲイザーを代表するようなサウンドとなっています。

ジーザス&メリーチェイン (The Jesus and Mary Chain)

マイ・ブラッディ・ヴァレンタインが、シューゲイザーを世界に知らしめたバンドとするなら、ジーザス&メリーチェインは、シューゲイザーというジャンルの黎明期を支えたバンドと言えるかもしれません。

1984年イギリスで結成され、ボーカルのジムとギタリストのウィリアムの兄弟を中心としたバンド。
1998年ころから兄弟仲が悪化し解散状態になっていましたが、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインと同じく、2007年に再結成して活動を再開。
翌年は日本に訪れサマーソニックに出演、2017年には19年ぶりとなるアルバム「ダメージ・アンド・ジョイ (Damage and Joy) 」もリリースされました。
 

彼らの活動の中で最も重要視されているのは、ファースト・アルバム「サイコキャンディ (Psychocandy)」です。
ノイズとポップさを両立させた音楽は、その後のシューゲイザーのみならず、ロック・ミュージック全体にも大きな影響をもたらしました。

アルバム1曲目の「Just Like Honey」は、サウンドこそシューゲイザー風ですが、メロディーに耳を凝らしてみると、60年代ポップのような親しみやすさも感じられます。
2004年のアカデミー脚本賞を受賞した「ロスト・イン・トランスレーション」でも使用されていたので、映画好きな方もご存知かもしれませんね。

スロウダイヴ (Slowdive)

スロウダイヴは、他のバンドと同じくシューゲイザー・ブームの中で活躍したバンドですが、近年発売したアルバムも好評で、新しい時代でのシューゲイザーの可能性を期待させてくれます。

1989年イングランド発のバンドですが、95年に一度解散。
メンバーは解散後に別のバンドやソロ活動をしていましたが、2014年に再結成し、日本のフジロックにも出演しました。
 

スロウダイヴの作品では、ブライアン・イーノも参加したセカンド・アルバム「スーヴラク(Souvlaki)」が有名です。
また、2017年に22年ぶりに制作されたアルバム「スロウダイヴ(Slowdive)」も非常に高い評価を受けました。

収録曲のひとつ「Sugar for the Pill」は、退廃的でクールな美しさの名曲。
シューゲイザーの手法がすでに陳腐でマンネリ化してしまった現代においても、なお魅力的に響くのは、彼らの良質なメロディーの力なのかもしれません。
他のバンドと比べると、ロック・ミュージックのハードな面はそんなに感じず、音響的な美しさを重視している印象を受けます。

ライド (Ride)

マイ・ブラッディ・ヴァレンタインやスロウダイヴと共に、シューゲイザー・ムーブメントの一端を担ったのが「ライド」です。
日本でも人気があり、当時は音楽雑誌の表紙となることも多かったようです。

1988年にイギリスで結成された彼らは、96年に解散しましたが、それから18年後の2014年に再結成が発表されました。
また、メンバーのアンディ・ベルは、1999年からオアシスのベーシストとして、2009年からビーディ・アイのギタリストとして活動しており、知っている方も多いかもしれません。
 

セカンドEP収録曲の「Like a Daydream」で話題となった彼らが、その期待の渦中に発売したファースト・アルバム「Nowhere」。
彼らはのちにブリット・ポップからの影響を受けた作品をつくることになりますが、このアルバムに収録されている「Vapour Trail」などを聴くと、すでにその萌芽が感じられるようです。

ラッシュ (Lush)

上に書いた4つのバンドは、実は全てクリエイションというインディーズ・レーベル所属のバンドなのです。
しかし、ここで紹介するラッシュだけは違って、4ADというレーベルから出てきました。
4ADは現在でも有名なレーベルなので、聞いたことのある人もいるかもしれませんね。

ラッシュは、1987年でイギリスで結成されたバンドで、メンバーの一人、ボーカルのミキ・ベレーニは母親が日本人で、しかも女優だったそうです。
さらに言えば、ハナレグミの永積タカシや、コーネリアスの小山田圭吾とも親戚にあたるらしいので驚きです。
 

1990年のデビューEP収録の「De-Luxe」。
女性ボーカルだったり、変拍子やちょっと変わったコード進行も目立つので、他のバンドと比較すると、ポップさが少し気迫で毛色が違うように思うかもしれません。

しかし、その後徐々にシューゲイザーっぽさは薄れていき、よりポップな音楽へと変化していきます。
また、レーベルが関係しているのか、アメリカのオルタナティヴ・ロックからの影響を感じられるサウンドも見受けられるようになっていきます。

まとめ

以上、厳選した5つのバンドと、それぞれの代表曲・おすすめ曲を紹介しました。

どの曲を聞いても、シューゲイザーの特徴である、エフェクターを使用したギターサウンドが耳を刺激してれますね。
当時のライブでは、ズラッと並べられた機材を駆使した、大音量での爆音サウンドがアンプから流れ、人々の度肝を抜いたようです。

現在では、ヒットチャートにシューゲイザーのバンドが名前を連ねることは少なく、残念で仕方がありません。
しかし、シューゲイザーを支えた色んなバンドたちが、2000年代後半からの再結成を果たしてくれましたので、まだまだ活躍を期待できそうですね。

関連記事

Article Ranking