朝ドラ「ごちそうさん」の主題歌、ゆず『雨のち晴レルヤ』を読み解く!歌詞に込められた想いとは

ゆずの名曲『雨のち晴レルヤ』。三拍子のリズムや四拍子へ切り替わる遊び心のある音楽が印象に残っている方も多いのではないでしょうか。朝ドラ「ごちそうさん」の主題歌にも起用され注目を集めたゆずの楽曲『雨のち晴レルヤ』のリリース情報や歌詞について注目してみました。

記事の目次

  1. 1.2013年に放送された朝ドラ「ごちそうさん」
  2. 2.主題歌として起用されたのがゆず『雨のち晴レルヤ』
  3. 3.『雨のち晴レルヤ』、歌詞を読み解く
  4. 4.まとめ

2013年に放送された朝ドラ「ごちそうさん」

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2013年9月30日~2014年3月29日にかけて放送された連続テレビ小説「ごちそうさん」。

大正、昭和の時代を舞台に、食をテーマとしたこの作品は視聴者からの評価も高く、高視聴率を誇る人気の朝ドラとして今でも多くの人の記憶に残る朝ドラとなっています。

両親が切り盛りする洋食屋でおいしいご飯をたくさん食べながら、食いしん坊に育った卯野め以子。そんな彼女は女学生へと成長しても頭の中は「食べたい」という気持ちや食べ物のことばかり。そんな彼女の思いはいつしか「食べさせたい」という熱い気持ちへと変化していきます。そんなめ以子の情熱に魅了される大学生・西門悠太郎。戦争という時代の中で、東京と大阪の食文化の違いにぶつかりながらも食を通じて大切な人を支えるめ以子とその家族の姿を描いた物語です。

キャストは、

ヒロイン・卯野め以子:杏
め以子の父・卯野大五:原田泰造
め以子の母・卯野イク:財前直見
め以子の祖母・卯野トラ:吉行和子
め以子の夫・西門悠太郎:東出昌大
悠太郎の妹・西門希子:高畑充希

と、主演の杏をはじめ東出昌大や高畑充希など話題の若手俳優も多く出演しており注目を集めました。

卯野め以子役を演じる杏は、オーディションではなく直接本人にオファーがありヒロイン役を務めることに。オーディションではなく直接のオファーでヒロイン役が決まったのは、2012年度の上半期に放送されたNHK連続テレビ小説『梅ちゃん先生』でヒロインの下村梅子役を務めた堀北真希以来のこととなりました。

2015年には本作で夫婦役を演じた杏と東出昌大が結婚を発表し、「ごちそうさん」で2人の夫婦姿を見守っていた多くの国民が祝福する嬉しいニュースとなりました。

脚本を担当したのは大阪府出身の脚本家、森下佳子。

過去にはドラマ「世界の中心で、愛をさけぶ」や「白夜行」、「JIN-仁-」など多くの話題作の脚本を担当しており、「ごちそうさん」でNHKドラマの脚本を初めて担当しました。

主題歌として起用されたのがゆず『雨のち晴レルヤ』

朝ドラ「ごちそうさん」では、ドラマのストーリーやキャストと合わせ、主題歌についても注目を集めました。

その主題歌に起用されたのが、ゆずの『雨のち晴レルヤ』です。

この作品は、篠笛奏者である佐藤和哉の楽曲である『さくら色のワルツ』が原曲となっており、この曲をモチーフとして製作されました。佐藤和哉は『雨のち晴レルヤ』の楽曲に篠笛の演奏でも参加しており、篠笛の美しい音色が時代を表現しながら、叙情的な世界観を鮮やかに彩っています。

また、曲の世界観を表現する上で原曲である『さくら色のワルツ』の3拍子が非常に重要な意味・役割を果たしており、体に心地よくゆったりと優しい雰囲気を生み出してくれています。

間奏では一転して四拍子へと切り替わり、そこではドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」の第2楽章「遠き山に日は落ちて」が引用されており、和風のサウンドと組み合わせることでモダンな印象も感じさせ、哀愁や遊び心が入り混じった色の深い音楽作品となっています。

楽曲には佐藤和哉の他、ドラマーの松原"マツキチ"寛、トランペット奏者の秋山璃帆の3人が”ハレルヤ楽団”として参加しています。

リリース

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『雨のち晴レルヤ』はゆずにとっての通算39枚目のシングルで、『雨のち晴レルヤ/守ってあげたい』の両A面シングルとして2013年11月13日にリリースされました。

シングルとしては前作の『友 〜旅立ちの時〜』から2ヶ月ぶりで、両A面シングルとしては『桜会/マイライフ』以来、3年9ヶ月ぶりのリリースとなりました。

また、今作品は両A面どちらも北川悠仁が作詞・作曲を担当しており、ゆず史上初めての作品ということでも注目を集めました。11月のリリースに先駆けて9月30日にはiTunes Storeやレコチョクで先行配信が実施され、10月1日に発表されたレコチョクデイリーランキングで初登場1位を獲得しました。

NHKの作品としては、ゆずは過去にドラマ「ゴーストフレンズ」の主題歌を担当しており、今回の『雨のち晴レルヤ』でNHK作品のタイアップは2度目。

ドラマ「ごちそうさん」の高評価と共に主題歌『雨のち晴レルヤ』もロングヒットを記録する楽曲となり、2013年12月31日に放送された「第64回NHK紅白歌合戦」でも披露されました。

その後、2014年2月19日にリリースされたゆずにとっての通算12枚目のアルバムである『新世界』にも『雨のち晴レルヤ』は収録されています。

このアルバムは売り上げが20万枚を越え、2014年2月度のオリコン月間アルバムチャートの1位を獲得するなどヒットを記録しました。

吹奏楽や合唱曲として今でも大きな人気を誇っている

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『雨のち晴レルヤ』は楽曲と共にそのMVも非常に注目を集めています。

MVを手がけた監督は写真家や映画監督として活躍する蜷川実花。

実はこの楽曲はリリースされたシングル版とMV版ではアウトロが違うという演出が施されています。

MV版では神奈川県三浦市を拠点に活動する「かもめ児童合唱団」がゆずと共に合唱しており、歌詞やメロディーの素晴らしさに加えてそういった演出もあってか『雨のち晴レルヤ』は合唱曲や吹奏楽での演奏曲として今でも非常に人気の高い楽曲となっています。

ゆずの楽曲と言えば、2013年9月18日にリリースされたシングル『友 ~旅立ちの時~』は第80回NHK全国学校音楽コンクール中学校の部の課題曲として使用されましたが、引き続いて『雨のち晴レルヤ』もその作品の評価の高さから合唱曲として多くの人に歌われているのです。

学校での吹奏楽での演奏や合唱に留まらず、自衛隊による吹奏楽の演奏曲としてもこの曲が選ばれており、『雨のち晴レルヤ』が幅広い世代や層に愛される楽曲であることがわかります。

ゆったりとしたテンポで歌いやすく、それでいてサウンドは壮大で盛り上がるこの楽曲はカラオケでも人気です。

朝ドラの主題歌としても話題になったことで幅広い世代の人が知っている楽曲ですので、カラオケで歌ってもみんなで盛り上がることができて楽しいですね。

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『雨のち晴レルヤ』、歌詞を読み解く

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