ヴィオラとはどのような楽器?歴史や特徴を紹介!
オーケストラの弦楽器を構成するうちの一つ・ヴィオラ。しかし、ヴァイオリンやチェロと比べると、すこし知名度が低いイメージがあります。そこで、本記事では、ヴィオラの歴史やその特徴について解説いたします。この記事を読んで、ヴィオラに興味を持っていただけたら幸いです。
ヴィオラとはどのような楽器?
「ヴィオラ」とはヴァイオリン属に属する楽器で、ヴァイオリンよりも低音域を出すために一回り大きく、厚みのある弦楽器です。
18世紀ごろまではオーケストラの中にある楽器として、あまり活躍しておりませんでしたが、近代に入り、弦楽四重奏の発展と共に、「ヴィオラソナタ」など、独奏楽器として認められるようになりました。
今回は、この「ヴィオラ」について、ご紹介いたします。
ヴィオラの歴史
ヴィオラが誕生した時期などは未だに明確ではありませんが、ヴァイオリンと同じ時期に使用され始めたので、16世紀前半辺りに誕生した楽器ではないかと言われております。
当時は「ヴィオラ」は弦楽器全般を指す言葉で、「ヴァイオリン」や「チェロ」などもヴィオラという名前でした。そして、現在のヴィオラにあたる楽器はヴィオラ・ダ・ブラッチョ(あごに挟んで演奏するヴィオラ)が語源にあたり、18世紀に入り「ヴィオラ」という名前で呼ばれるようになりました。
18世紀ごろまではオーケストラの楽器という事で、あまり目立った活躍がなかったのですが、弦楽四重奏が発達したことに伴い、次第にヴィオラは日の目を見るようになります。
18世紀後半には、独奏楽器として認められ、メンデルスゾーン作曲「ヴィオラソナタハ短調」、モーツァルト作曲「協奏交響曲変ホ長調K.364(ヴァイオリンとヴィオラと管弦楽)」といった楽曲が制作されるようになりました。
ヴィオラの特徴と役割
では、ヴィオラはどのような役割を持っているのでしょうか。
ヴィオラはオーケストラにおいて、中音部を担当する楽器で、フランス語では「アルト」と呼ばれております。
下記の動画では、ヴァイオリンとヴィオラを弾き比べているので、そちらを聴けば音色の違いに気づきます。
ヴィオラは人間の声に近い音域をもっているため、オーケストラでは旋律を歌い上げているような役割などを担っております。
ヴィオラジョーク
クラシックにおいて、ヴァイオリンやチェロと比べて地味で扱いづらい印象のヴィオラを皮肉った「ビオラジョーク」というのが、海外には存在します。
いくつかご紹介いたしましょう。
ビオラと玉葱の違いは?
「ビオラを切り刻んでも涙を流す人はいない」
バイオリンを盗まれないようにするには?
「ビオラのケースに入れておく」
と、このように、音楽家たちの間ではヴィオラの事を皮肉ったジョークが多数存在しております。このビオラジョークについての論文も発表されているので、気になった方は検索してみてはいかがでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか。少しはヴィオラの役割について、理解できましたでしょうか。
当サイトには他のクラシック楽器についての記事も記述してありますので、ご参照ください。